Blackmagic Design DeckLink Quad 2は、業務用映像信号3G SDIを入出力することができるPCIe x8のPCIカードです。入出力のいずれかに使用できるコネクターが8個あり、設定にクセがあるのでメモを残します。
コネクター番号
DIN端子が9ポートあります。PCIeスロット(マザーボード)に一番近いコネクターはリファレンス入力です。
PCIeスロットに近い方から数えて、2つめがコネクター1です。一つ目は入出力できません。
コネクターの設定
Blackmagic DesignのDeckLinkドライバー、Desktop VideoをインストールするとコントロールパネルにDesktop Video Setupが現れ、コネクターごとの入出力を設定できます。
DeckLink Quad 2は装置としては一つですが、仮想的に8個のDeckLinkデバイスを用意しています。
仮想DeckLinkデバイスの1番から4番までは、一つの仮想デバイスに二つのコネクターを占有し、SDI入力とSDI出力を持つことができます。一つのコネクターを占有し、入力もしくは出力に使うことができます。5番から8番までは、一つのコネクターを占有するか、まったくコネクターを持たない設定を選択できます。
仮想デバイス1が2つのコネクターを占有する際、コネクター1とコネクター2を使用します。
仮想デバイス1が1つのコネクターを占有する際、コネクター1のみを使用します。
仮想デバイス2が2つのコネクターを占有する際、コネクター3とコネクター4を使用します。
仮想デバイス2が1つのコネクターを占有する際、コネクター3のみを使用します。
仮想デバイス1から仮想デバイス4まで、すべての仮想デバイスで1つのコネクターを設定すると、デバイスごとのコネクター番号は以下になります。
デバイス | コネクター |
---|---|
仮想デバイス1 | コネクター1 |
仮想デバイス2 | コネクター3 |
仮想デバイス3 | コネクター5 |
仮想デバイス4 | コネクター7 |
仮想デバイス1から4が一つのコネクターをもつとき、仮想デバイス5から仮想デバイス8までも、同じように1つのコネクターを持つことができます。この際、仮想デバイス5から仮想デバイス8までのコネクター番号は以下になります。
デバイス | コネクター |
---|---|
仮想デバイス5 | コネクター2 |
仮想デバイス6 | コネクター4 |
仮想デバイス7 | コネクター6 |
仮想デバイス8 | コネクター8 |
このようなややこしい番号になるのは、仮想デバイス1から仮想デバイス4までに2つのコネクターを占有させることと、2つのコネクターを占有する仮想デバイスの影響でコネクターが使えなくなるデバイスのつじつまを合わせるためです。例えば仮想デバイス2に2つのコネクターを持たせる設定を行うと、コネクター3と4を占有するため、仮想デバイス6はコネクターを持たなくなり、入出力できなくなります。
2つのコネクターを占有させることと影響する仮想デバイスを少なくするため、すべての仮想デバイスにコネクターを1つずつ持たせると対応は以下になります。
デバイス | コネクター |
---|---|
仮想デバイス1 | コネクター1 |
仮想デバイス2 | コネクター3 |
仮想デバイス3 | コネクター5 |
仮想デバイス4 | コネクター7 |
仮想デバイス5 | コネクター2 |
仮想デバイス6 | コネクター4 |
仮想デバイス7 | コネクター6 |
仮想デバイス8 | コネクター8 |
ボードのコネクターの番号の順序も含めて、公式の情報がないため、半日試行錯誤して上記の仕様を把握すことを6年ごとにくりかえしているので記録に残します。
なお、1つのコネクターは入力にも出力にもなるのに、なぜ仮想デバイスは、2つのコネクターを持つこともできる仕様なのかというと、Blackmagic Designの他の入出力装置で、入力と出力を1つずつもつものがあるため、そのような装置に合わせたアプリケーションをそのまま使えるように設定するためかと推測します。