前書き
※この記事は初めて勉強会を開く人向け感が強いですが、自分がどんな意図でどんな工夫をしているかも書いているので既に勉強会を開いている方にも少しはお役に立てる内容になっているかと思います。
私は今年iOS Creators' Meetup(以下iCM)というiOSに関することならなんでもOKという勉強会と、iOSDC Reject Conference(以下iOSDCRC)というiOS Developers Conferenceで惜しくも採択されなかったトークを集めた勉強会の主催を務めました。今年6月にiOS Creators' Meetup vol.1を開催したのが始まりで、以降計4(+1?)回主催をしました。勉強会主催経験のある人に聞いてやったわけでもなかったので、最初は何をやるべきか戸惑ってた部分があります。なので自分が勉強会を主催する上でやってことを書き並べていきたいと思います。なおiCMは会社のバックグラウンド付き、iOSDCRCは個人主催です。
開催する意味を考える
本当に自分が新しく開催する必要があるのか、他の勉強会との違いは何かについてはいろいろ考えました。
iCMを開催する理由はこちらのブログにも書いたのですが、iOS全般に関して職種関係なく知見を共有し合える勉強会がないと思ったからです。connpassのイベントページでもこのことは公言しています。そのかいあってか、懇親会や事後アンケートで「言語に限らない幅広い知識を得ることができて良かった」などの好意的な声が多いです。勉強会の立場を明らかにすることで、趣旨に共感してくれる人が集まり、いい雰囲気を作ることができます。
どのような勉強会にしたいのかを考える
「こうでありたい」というイメージを作りました。イメージを作るにあたって他の勉強会にいろいろ参加したことは良い経験になったと思っています。iCMの場合は職種、レベルに関係なくiOSに興味がある人であれば誰でも楽しめること、和やかアットホームな雰囲気であることを理想としました。
開催日時を決める
iOS、Swift系の勉強会と被らないように気をつけました。
開催場所を決める
iCMは会社主催なので自社スペースを使っていますが、個人主催の時はIT勉強会で利用できる会場一覧を参考にしました。ただここに載っていないところでも自分、あるいは友人のコネで借りることはできます(iOSDCRCがそうだった)。
参加費を決める
最近は極力有料にしています。食べ物だけを目当てにして来る人も世の中いますからね。寿司のネタだけ食べて帰っていった人の話は衝撃的でした。なのでフィルタリングの意味で有料にしています。
仲間を集める
会社でやる場合は同僚が手伝ってくれると思いますが、個人開催の場合は受付とか準備片付けを手伝ってくれる仲間がいると心強いです。iOSDCRCの時は個人だったのでスタッフ枠を作って公募しました。一般参加は500円、スタッフは無料にして「雇った」形になります。
イベントページを公開する
掲載媒体を決める
connpassで公開しています。利用者が(おそらく)多い、アプリがあるのでプッシュ通知に反応してくれる、connpassに掲載すれば自動的にdots.にも掲載されるという利点があるからです。
募集形態を決める
募集形態はものによります。iCM vol.1はピーク時定員+5,60くらいの人数が参加登録するという状態であり「行きたかったけどイベント見つけた時にはすでに定員オーバーしてたから申し込むの辞めた」という声をちらほら聞いて、早い者勝ちっていうのもなんだかなぁと思ったので抽選にしました。
ブログ枠を設ける
ものによってはブログ枠を設けるようにしています。ブログを見てどんな勉強会だったのかを知り、次回は参加しようと思ってくれる人がいるといいなと思ってやってます。
公開時期を決める
いつも3週間前にしています。早すぎると申し込んだことを忘れられそうだし、遅すぎるとすでに他の予定で埋まっているということがありそうなので。なおiCMの場合は勉強会の計画を立て始める(日程決めとゲストスピーカーの調整)のが4週間前、抽選結果を出すのが2週間前です。
申込時アンケートを作る
iCM vol.2では職種、名前、興味があることなどを聞きました。職種と興味があることに関しては(もちろん個人が判別できない状態で)登壇者の方に集計結果をお渡ししました。というのも職種がフリーゆえに登壇者の方がどんな人向けの資料を作ったらいいかわからないのでは?と思ったからです。名前を聞いている理由は、参加者の方がconnpassのアカウント名を意外に忘れており受付に時間がかかるからです。
宣伝を頑張る
SNSで発信したり、他の勉強会で登壇した時に自己紹介がてら宣伝してます。
その他諸々の事前準備
おつりの準備をする
iCMの時は会社に仮払い申請?をすれば500円玉を大量に用意してくれたのでそれを使いました。iOSDCRCの時は開催2,3週間前から意識的に500円玉を集めてました。お釣りが必要だったのは1/3くらいだった気がします。
懇親会の飲食の注文をする
予想参加人数を算出する
注意したいのが予想参加人数です。平均的には無料の勉強会の参加率は6割と言われています。iCMを例にとって見てみましょう。iCM vol.1はピーク時で定員50に対して申し込み130の応募がありました。2日前まではキャンセルは10に満たないくらいだったと思うのですが前日にパラパラ、当日になってぐんと数が増え、結局約30人キャンセルが出ました(参加率は幸いにも8割程度だった気がします)。以降開催した3つのイベントでもやはり30人くらいキャンセルが出ました。のでかなり減るということは覚悟しておくべきです。
ちなみにキャンセル対策として開催1週間前にメールを送ったり、個人Twitterアカウントで1週間前、3日前あたりに「キャンセルする場合は早めにね!」とポストしたりしましたがあまり効果はありませんでした。
注文する
どんくらいモノを頼んだの?という話に移ります。申し込み具合によって変えるのでおおよそで捉えていただければと思います。
会社主催のiCMの場合の概算は以下の通りです。アルコール、お菓子はちょっとあまりました。
品目 | 数量 |
---|---|
アルコール | 予想参加者数 * 1.3倍 |
ピザ | 予想参加者 / 10 + 2枚 |
その他お茶系、お菓子・おつまみ | 3種 * 予想参加者 / 10 |
弊社で売っている商品 | 2,3種 * 予想参加者 / 10 |
個人主催(ゆうてもiOSDCの補助アリ)のiOSDCRCの場合は以下の通りです。予想参加人数をちょっと下回り、アルコール、お菓子が結構余りました。
品目 | 数量 |
---|---|
アルコール | 予想参加者数 * 1.5倍 |
サンドイッチ | 予想参加者 * 1.6倍 |
その他お茶系、お菓子・おつまみ | 7種 * 予想参加者 / 10 - 1 |
この他にウェットティッシュやお皿、コップなども買っています。
購入先はピザは最寄りのピザ屋さん(忘れた)、サンドイッチはFreshDeli、その他諸々はカクヤスです。個人主催の時は経費削減のために事前に一部薬局で買って、当日家から持って行ったりもしました。個包装になっていたりこぼれにくいものを買うよう意識しています。
当日運営
受付する
大変なポイントの一つだと思います。長い行列ができないように受付要員を多めにする、並んでいる人に「名刺を用意してお待ち下さい」と声をかけておくなどは簡単にできる対策だと思います。あとは事前設計として、出欠は取る必要があるのか、名刺は貰う必要はあるのかなどを考えて必要最小限のコストで済むようにしました。
名札を渡す
connpassに載っている画像とアカウント名を印刷した名札を作って渡しています。私が以前勉強会に参加した時に「懇親会で名刺交換してなんとなく話してたあの人は[Twitterアカウント名]さんだったのか!もっと話したかった!」となった経験があるのでアイコンとアカウント名がわかる状態にしています。
登壇者に接続確認してもらう
ミラーリングの設定、接続端子の関係で手間取ることもあるので開始前、休憩中はできるだけ登壇者の方に接続チェックをしてもらうようにしています。
Wi-Fi情報の掲載
途中から来た人でもわかるように前にホワイトボードを置いてデカデカとSSIDとパスワード、ついでにハッシュタグも書いています。
MCをする
LTとLTのつなぎ目にMCを入れるようにしています。理由としては登壇者の緊張をほぐしたいから、沈黙の時間をなくしたいから、登壇者のことをみんなに知ってほしいからです。話がうまくないのでアレなところはありますがそれなりに好評なのでいつもやっています。
当日アンケートを実施する
回収率を良くするために懇親会の直前に5分間取ってやっています。Google Formで作っているので集計が楽です。勉強会後はこれを一通り見て次回に繋げます。
ハプニングに対応する
ハプニングが起こった時にすぐに動けるような人・体制を整えておくことと、焦らないことが大事だと思っています。私が遭遇した一番のハプニングはiOSDCRCのときです。その時は事前に接続チェックができなかった、急遽発表順が変わったということもあり接続に手間取っていた方がいました。焦らせてもいけないので「今週末お米収穫をしてくる話」を小ネタとして話し始めました(詳しくはこちらのブログで)。幸い私がその話をしている間、裏では登壇者を助けている方がいてなんとか続けることができました(本当にありがたかったです)。
番外編:台風
秋は台風が関東にもやってくる場合があります。私もiOSDRCの時は1週間前になって懇親会の物々を注文しようとしたらその日台風が直撃するかもしれないとの予報を見て悩まされました。結局到着が間に合うギリギリ(確か2日前)まで待ってから注文しました。
最後におまけ
以上が私が勉強会を開催する時にやっていることになります。結構いろいろなことをやらなければならず、そこらへんのノウハウは共有しておきたいですね。ということで半年前からやろうと思ってまだやっていなかった「勉強会主催者のための勉強会」を来年ついにやろうと思います。このアドベントカレンダーでもノウハウはかなり貯まると思いますが、この勉強会では議論ができればいいなと思ってます。