少し前に行われた勉強会ですがメモとして書いておこうと思います。
勉強会ページURL
日時
9月8日(火)19:30~22:00
タイムテーブル
19:00 開場
19:30 ご挨拶&アイスブレイク
(近くの方とLJ ※ライトニング自己紹介)
19:45-20:45 LT
株式会社レアジョブ 向晃弘さん
"UX actually is all around us."
株式会社ポップインサイト 池田朋弘さん
"UX改善に必須だが、大変で実施しづらいユーザテストを「本当に1分」で行うには"
株式会社大塚ビジネスサービス 上野裕樹さん
"ギリギリUXD"
株式会社リクルートテクノロジーズ 坂田一倫さん
"Empathic Design"
20:45 CMのち休憩
21:00 交流会
22:00 終了
UX JAMとは
UX MILKが主催するUXを題材にした「ゆるい」勉強・交流会です。
今回は4人の方がLTを行いました。
LT内容
UX actually is all around us レアジョブ 向さん
なんでUXをやっているのか
→人に使われるいいものを作りたいから
※過去に鼻歌のサービス(鼻歌をテキストにしてその曲を当てるサービス)を作り、個人的には面白いと思ったが、ふたを開けてみると月間10PVという結果を出してしまった経験から。
どうやって感じるのか
物事が変わったタイミングを意識して気持ちをちゃんと思考し、どうすればもっと良くなるか考える。
これは日常生活の中で行うことができる。
例:定食屋UX
物事 | 気持ち | 改善例 |
---|---|---|
入店 | ||
店員登場 | すぐ来たなぁ | |
席つく | 椅子が硬い | 椅子の質の改善 |
考える | メニュー多すぎる | |
注文 | 店員気づかない | 気づけるような人員・場所配置を考える |
到着 | 写真と違う | |
食べる | 味はうまい | |
休憩 | 店員がせかす感じ | |
会計 | スムーズ | |
退店 |
まとめ
周りはUXで溢れているのでUXを感じてみて、考えてみる
UX改善に必須だが「大変で実施づらいユーザテストを本当に1分で行うには」 ポップインサイト 池田さん
ユーザを知らないことには本当のUXを知ることはできない。
ユーザテストをやるべきだとはわかってはいてもなぜできないのか。
→工数が確保できない、ユーザとの物理的な距離が遠い、ノウハウがない、定量でもいいんじゃない?と思ってしまう...etc
↓
Hallway (Usability) Testingをやりましょう
※Hallway testing is a quick, cheap method of usability testing in which randomly-selected people [出典:wikipedia]
しっかりやらなきゃという雰囲気じゃなくて社内で簡単にやればいい。
やることは以下の4つ。
人選び
最優先は呼びやすいということ。属性は二の次。
やってみて結果が得られなかったら次の人に聞けばよく、全ての人の結果を参考にする必要はない。
現実的な状況設定
いきなりデザインを出してどうですか?と聞くのは一番やってはいけないこと。
リアルな状況で利用してもらい、その視点に立って考えてもらう。
どんぴしゃな人がいれば過去を思い出してもらえばいいが、そうでない場合は以下の設定を共有する。
- 状況のみ設定
目的は理解してもらえる場合。 - 状況と目的を設定
「◯◯したいとのことだったので〜」という目的を設定。 - 状況と目的と行動指示を設定
製品と全く関係ない人の場合はこちら。
適切な状況設定は関連のある雑談をしてヒアリングしてから決める。
黙って観察
- 普段通りに使ってもらう
観察されていることは気にせず、自分一人だけだと思ってやってもらう。
観察者と会話、質問しながらやってはいけない。 - 思ったことをつぶやいてもらう(思考発話)
独り言を呟きながら使ってもらう。
なぜなぜ質問
最後まで使ってもらってから自分が納得するまで質問する。
このようにすることでよりリアルな意見が得られる。
ギリギリUXD 大塚ビジネスサービス 上野さん
よくいうUXD
ジャーニーマップやKJ法など、やりきったら高い価値がある。
しかし現実は時間も予算もないギリギリの状態。
UXDの価値を考える
・バリューチェーンを超えて、みんなでサービスを考えるための合意形成
・ちゃぶ台返しが起こりにくくするため
・人工物の社会適合性、継続性があればいいという希望
→結局、自分なりに腑に落ちて価値を見出していればいい
実際にやること
- ユーザって誰?を理解する。
本来は使う人、使うその瞬間だけを対象にするべきではないが、とりあえず関わる人を把握。
関係する人、起こったこと、周辺のものの3つについて過去、現在、ちょい未来、未来の軸で分析。
過去と現在を把握し、未来のあるべき姿を描いてちょっと先を提示してあげる。 - ユーザ志向をインストール
ユーザの景色を知り、どうありたかったか、書き出す - バリューチェーンの中と外を付き合わせる
理想と現実で乖離しているところを発見し、デザイン可能な(改善可能な)範囲を知る - 近いメンバーと話をする
本当はこうじゃない?を共有・議論してみる
結果
日常から繰り返していると出戻りが少なくなる。周りがUXに興味を持ち始める。
気をつけていること
・自分のバイアスを把握しておく
・理想論ばかり言っても仕方ない。作れなきゃ意味がない
・自分が"サイロ"にならないために他領域を勉強する
EMPATHIC DESIGN 共感力を取り戻し、そして育み、発揮する リクルートテクノロジー 坂田さん
言葉は伝わらなくても伝わるものがある。
→共感力こそ我々が他社と差別化できる要素である。同時に人間であることの証明である。
ではツールや技法、全てを習得できればそれでいいのか?→×
本質的なプロダクトを見直す機会が失われるおそれがある。
idea(発想し、具現化する想像力)はproblem(洞察や分析を通じて問題を提起力)とdiscovery(さまざまな観点から発想する共感力)から生まれる
共感と同情の違い
同情
想いや気持ちを共にすること。他の体験を理解すること。
共感
気持ちの中に入っていくこと。自分の体験として理解すること。
アイディアにつながる発見や気づきを得るための共感力を養うためには自分自身がさまざまな体験を経験する必要がある。
ユーザ視点における「視点の広さと深さ」を自分ごととして担保しなければ、差別化が図れないままUXデザイナーとしての介在価値は発揮されない。
共感を促すためのステップ
- capture
個のデータポイントを集約する - connect
それぞれを接続し、意味性を見出す。点から線へ。 - craft
洞察を加え、加工する - storytell
文脈として可視化し、他に展開する
参加者
デザイナーだけでなくエンジニアやディレクターなど様々であり、唯一の共通点は「とにかくUXについて関心を持っている人」ということだけでした。みなさんそれぞれの立場からそれぞれができる形でUXを良くしていこうとしているようでした。