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日時
2015/09/27(日) 18:00 〜 22:30
参加者数
約100人
タイムスケジュール
18:00- 開場
18:30-19:00 鈴木健一(STANDARD inc. - Founder / UI Designer)
19:00-19:30 内山賢一(株式会社リクルートライフスタイル – UXディレクター)
19:30-19:40 休憩
19:40-20:10 有馬トモユキ(日本デザインセンター - チーフデザイナー)
20:10-20:20 アンケート記入・お知らせ
20:20-22:20 交流会
今回のテーマ
「機能するデザイン」を考えるために、必要なこと
発表内容
鈴木健一さん
Q1. 機能するデザインとは何か
機能するデザイン=事業に対して役割を果たすデザイン
事業の目的(営利事業の場合)=事業活動を通じて利益を生み出し、企業を存続させること
事業活動を存続させるためには、顧客に「これ良さそう」という価値を提供する必要がある。
ある問題に対する解決策を正しくアプローチし、ユーザがその価値を感じている状態を作り出す。
∴A1. 誰のどんな問題をどのように解決するかを設計して事業存続につなげる
Q2. 機能するデザインをつくるために必要な事とは何か
機能するデザインをどのように設計するかを考える必要がある。
まず思い浮かぶのはペルソナ、CJMなど
しかし、その設計通りにいくもの?設計通り使ってくれる?
→設計するのはあくまで理想の体験。
問題が実在するか、実在しない問題を解決するサービスを作ってしまっていないか、
解決策は効果があるのか、を事前に検証する必要がある。
↓
Javelin Board
顧客とその顧客が抱えているだろう問題は実在するのかを検証。
例)調整さん日程調整に時間がかかると思っている。
1日以上かかる(日程調整に時間がかかる)と思う人が6割以上いたら実際に問題が実在していると思っていい。
∴A2. 顧客と問題が実在しているかを把握することが必要。
誰のどんな問題をどのように解決するのかの理想を描く。
そして描いた仮説が実在するのか、事前に検証できないかを検討する。
内山賢一さん
Q1.「機能する」とは?
A1.わかりやすい。初めて使う人でもOK。
逆に機能しない=わかりにくいということ。
Q2.機能するデザインに必要なこととは?
その多くはデザイン作業以外のところに隠れている。
例)コーヒーを飲みたいと思ってから実際にコンビニでコーヒーを購入するところまで
状況が変わると機能するデザインが変わる。
例)佐藤可士和さんがデザインしたコンビニのコーヒーメーカー
↓画像はこちら等を参照。
http://matome.naver.jp/odai/2140964743560723801
元々のデザインはお客さんにとってわかりにくいものだった。
・Regular, Largeという表記に慣れていない
・ホットとアイスの違いがいまいちわかりにくい
各お店が独自にポップを使ってわかりやすいよう改良した
・カタカナで「ホット」「アイス」と書く
・「温」「冷」と書く
・カップの画像を貼る(ホットとアイスではカップのデザインが異なるため)
・「小」「大」と書く
・値段まで書いちゃう
お客さんにとっては元々のデザインよりポップ付きのデザインの方が機能するデザインになっている。
しかし、もしもこのコーヒーメーカーがレジカウンター内(店員が操作する側)にあったら。
おそらく、ポップがない元々のデザインの方が余計なものがなくて機能するデザインになる。
ここで、コーヒー購入までの一連の流れを見つめ直してみる
googleで「コンビニ コーヒー」的な用語で検索すると「買い方」という語がサジェスト検索に上がっていた。
つまり、コーヒーの入れ方云々の前にコーヒーの購入方法がわからない人が多く存在している。
ここから言えることは、見えている問題(UI)は勉強すれば結構解決できている。
UIの問題だけでなく、「○○がしたい」という欲求が生まれてからそれを満たすまでに存在している問題(UX)に
目を向けて考える必要がある。
A2.本当にそのデザインを改善する必要があるのかを見極めること。
有馬トモユキさん
Q.機能するデザイン
A.形にしたメッセージが可搬性を伴うこと
「可搬性」=ポータビリティとは、「移動しやすさ」という意味の英単語で、ハードウェアの分野では「機器の持ち運びのし易さ」を、ソフトウェアの分野では「異なる環境への移植のし易さ」を意味する。
by e-words
人はある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語だ。
きっとみんな日本語を取り上げられると基盤が揺らぐ。
デザインは言語である。
例)絵文字
解像度の高い言語。いろんなテーマを内包することが可能。
※jargon=専門語,職業語,通語,隠語
隠語、言語には解像度が存在する。一言で通じる言葉=解像度が高い。
呼び名をつくって印象を与え、解像度の高い言語をつくる
言語は可搬可能 いろんなメディアに対応することができる。
共通言語をつくることができれば新しいグループ(クラスタ)をつくることができる。
今のデザインに必要なもの=スケーラビリティ
文字を8pt→32Pに変化させた時、全くもって同じ形の拡大に変化させるのではなく、
あくまでも「同じ印象」になるようにしていた。
A’ができたり。互換可能だったり。
複雑性を保持したまま、解像度を高める。
要約ではない。可逆圧縮が理想。
同意できる言語をつくる、
喋りたくなる(使いたくなる)ものにすることが大事