概要
GaussianでMP2の計算をしたところ、Link died
と出て、いきなり計算が止まってしまった。対処法が見つけにくかったので、備忘録としてまとめておきます。(記事に間違いがあればご教授ください)
前提条件
Gaussviewを用いてインプットファイルを作成し、MP2の計算をGaussianにサブミットした。
実行環境
- Windows10
- CドライブにインストールしたGaussian
- Gaussviewを使って、ジョブファイルを作成
症状
GaussianのLink 906というところで、大量のファイル書き出しが起こり、Cドライブを埋め尽して計算が停止する。
原因
MP2計算では、計算中にGaussianが作るスクラッチファイル(.rwf)の容量が非常に大きくなる。デフォルトでは、スクラッチファイルはGaussianのディレクトリ内(C:/g16w/Scratch/)に作成されるが、Cドライブの容量が足りないと入りきらずに計算が途中で止まってしまう。
なお、計算が異常終了するとスクラッチファイルは自動で削除されないので、Cドライブが圧迫されたままになる。
対処方法
計算設定ファイル(.gjf)で
%chk= <>
の行の上に以下の行を追加する。
%RWF= <容量の大きいディレクトリ\スクラッチファイル名.rwf>
%NoSave
ディレクトリ名とスクラッチファイル名は任意(ただし、2バイト文字は使えない)
結果
.gjfに以下の行を追加したところ、計算が正常に終了した。
予め、Eドライブに E:\gaussian\scratch
というディレクトリを作成した。
%RWF= E:\gaussian\scratch\scratch.rwf
%NoSave
余談
%NoSave
を追加しなければ、スクラッチファイルが消されずに残る。試しに残してみたところ、今回は200GB程度のスクラッチファイルが生成しました。(Job TypeはEnergyで300 electronsくらいの計算)
デフォルトのままCドライブに作成されてしまうと、256GBや512GBのストレージだと厳しいかもしれません。
参考