#core metrics resultとは?
core metrics resultとはα-diversityやβ-diversityに関する情報をまとめたファイルです。QIIME2のターミナルでコマンドを実行すればファイルが自動的に生成されるので、私自身、使い方や内容を理解するのに時間がかかりました。なのでcore-metrics-resultに含まれるファイルから具体的にどのような多様性指数がわかるのかをまとめてみました。
#core metrics result の作り方
以下のコマンドをQIIME2のターミナルで実行するだけです。一度に複数の多様性指数が計算され、サンプルの希釈(rarefy)も実行されます。
qiime diversity core-metrics-phylogenetic \
--i-phylogeny rooted-tree.qza \#系統樹ファイル
--i-table table.qza \#OTUテーブル
--p-sampling-depth 'サンプルの最小リード数'\#サンプル希釈(rarefy)
--m-metadata-file sample_metadata.tsv \#サンプルのメタデータファイル
--output-dir core-metrics-results#ディレクトリとファイル名を入力
#core metrics resultの中身
####QZAファイルとQZVファイル
指定したディレクトリの中にcore-metrics-resultsというファイルが生成されるので中身を確認してみると、QZAファイルとQZVファイルが生成されています。拡張子が.qzaのファイルはデータをRで読み込んで統計解析などを行うときに使いますが、拡張子が.qzvのファイルはQIIME2内でデータを図やグラフなどで見たい時に有効です。
####多様性指数
ここで得られる多様性指数は以下の8つです。OTUテーブルを使って計算したので、OTUレベルの指数になります。それぞれ簡単にどのような指数なのかまとめました。
#####α-diversity(サンプルごとに観察される多様性)
- observed_otu
- あるサンプルで観察されたOTUの数。richness。
- evenness
- 組成の均等度。Pielouのevennessであることに注意。
- shannon
- 生物の多様性指数として最も広く使われている。生物種の種数(richness)を反映する。
- faith_pd
- 系統的な違い(系統樹の距離)から計算される。
#####β-diversity(コミュニティ間の多様性の比較)
-
bray_curtis
- 種のカウントデータ(この場合はOTU)からコミュニティ間の非類似度を計算している。
-
jaccard
- 生物の在不在データからコミュニティ間の多様性の違いを計算している。
-
unweighted_unifrac
- 系統発生距離と在不在データから計算される。
-
weighted_unifrac
- 系統発生距離とカウントデータから計算される。
#####その他
- rarefied_table.qza
- 希釈(rarefy)済みのOTUテーブルを入手できます。前回紹介したphyloseqオブジェクトを作成するときに使えます。
#おわり
最後まで読んでいただきありがとうございます。次回はここで得られた多様性指数を、実際に使ってみたいと思います。
#参考URL
- QIIME2の公式チュートリアル
- こちらのブログは、多様性の考え方について大変詳しく書いてくださっているのでおすすめです