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妊娠中に情報処理安全確保支援士試験(セキスペ)を受験して合格した話

Last updated at Posted at 2024-01-18

こんにちは。
今回は表題の通り、妊娠中に特別措置利用の上で情報処理安全確保支援士試験(セキスペ)を受験し、無事合格しましたのでその体験を記します。(身バレしそうですが)

1.対象者

情報処理安全確保支援士試験を受験しようと考えている人
妊娠中に情報処理技術者試験を受験しようと考えている人

2.情報処理安全確保支援士試験とは

情報処理安全確保支援士試験
IPAが提供する情報処理技術者試験の1つ。
取得することで情報セキュリティについて一定の知識があることを証明することができます。
情報処理安全確保支援士の登録は高いのでしません

3.受験当時の筆者のスペックと概要

都内SES企業にてSE4年目。
国立大情報系修士卒のため基礎知識はあり。(研究テーマはセキュリティと無関係)
これまでの取得資格は、下記
・基本情報技術者試験(学生時代)
・応用情報技術者試験(社会人2年目)
・AWS Cloud Practitioner(社会人3年目)
資格の取得にこだわりがないため、取得資格自体は少なめ。
応用情報技術者試験に合格していたため、午前Ⅰは免除。

受験時は妊娠8ヶ月(妊娠後期)。
妊娠初期につわりがあり、2ヶ月休職。
その後の体調及び妊娠経過は概ね順調だが、体力的に仕事以外の時間の捻出が難しい状況。
秋試験にて特別措置を利用の上情報処理安全確保支援士試験(セキスペ)を受験し合格。

4.学習スケジュールと学習方法

~6月

つわりのため休職および復帰

7月

ようやく体調が安定したため、空いた時間に 過去問道場 で午前Ⅱの学習。
正解率は60%前後。

8月

俗にいう、安定期に入りました。
上記対策の実施に加え、参考書の学習を開始。
学習方法としては、
午後の過去問を解く

(当然のことながら散々な結果)

出題された部分の参考書を読む
です。

ただ、9月前半に実施した勉強法の方が良かったなと思います。

9月前半

子が逆子だったため、就寝前に体操の実施が必要となるなど思い通りに学習ができず苦戦しました。
8月から実施している参考書の学習が思ったように進まないため、学習方法を変更することにしました。
これはかなり効果のあった勉強法でした。

午後の過去問を解く

(当然のことながら散々な結果)

出題された部分の参考書を読む

知らない・覚えられない内容が大半だったため、それらはルーズリーフに乱雑にまとめる

ポイントは、「乱雑にまとめる」ことだったかと思います。
人によって、書いて覚えたり、聞いて覚えたりなど、その人に合った勉強法は様々かと思いますが、自分は書いて覚えるタイプです。そのためこの方法が最適でした。
受験時の実施回より午後試験が統合されましたが、学習自体には過去回の午後Ⅰ・Ⅱを使いました。各設問は基本的に1つのテーマ(例:SAML、DNSなど)について出題されており、それらの問題を解いた後、参考書内で関係する全ページを読み、それらをルーズリーフにまとめるということをしました。またその際、丸写しではなく自分で内容を再編してまとめました。

きれいにまとまった内容は参考書を見れば良いという考えの元、あくまで自分の理解と記憶のために行うということを意識し、字もかなり雑です。初回は、見ながらまとめましたが、2回目以降は読んだ後、参考書を見ないでまとめ、記憶の定着を目的としました。

例えば、DNSの問題が過去問に出題されていた場合、

  • DNS自体の知識(DNSって何やDNSの仕組みや問い合わせの流れなど)
  • DNSでの攻撃(DNSキャッシュポイズニング、ゾーン転送要求による攻撃など)
  • 攻撃を防ぐための対策(上記を防ぐための対策など)

というように小問での出題の有無に関わらずその分野を一通り学習しました。

私の使っていた参考書では、DNSに限らない攻撃手法で一章、色々な攻撃を防ぐための対策で一章といったように複数章に分かれてDNSに関する記載がありました。一方で過去問においては、攻撃と対策はセットでしたので攻撃とそれに対する対策をセットで記載するように再編しました。

これは

  • 分野の知識をまとめて学習でき理解が早い
  • 過去、何度も出題された分野は繰り返し学習することになるため、頻出分野ほど復習できる
  • 自分で内容を咀嚼してからまとめるため、理解と記憶に繋がる

というメリットがありました。

9月後半

妊娠8ヶ月に入る、検診の頻度が上がり、通院に時間を取られます。
また変わらず子が逆子だったため、思い通りに学習ができず苦戦しました。
ここから少し焦り始めます。
9月前半の学習方法の場合、解いたことのある午後問題は解けるのですが、初見の午後問題、特に長文の記述が必要な設問に対応できませんでした。
また、資格をとることを目的としてはいましたが、それにしても理解が追いついておらず、暗記ゲーになってしまっており、それによって長文の設問も解けず苦戦していました。
そのため、下記勉強法を導入しました。

速効サプリは、午後問題を解く上で必要となるテクニックを学習することができます。
長文を書く上で、「何を書いていれば点数がもらえるか」の基準が分かりましたので早めに手を出せば良かったと思いました。
初めは最初のページから順に、問題を解く→回答をみる を実施していましたが、時間が足りなくなってきたため、最後の方は 問題をみる→回答を読む になってました。ただ十分学習の補助となったと思います。

Youtubeは まさるの勉強部屋 というチャンネルにおせわになりました。
病院までの道のりで聞きながしができることや、寝る前にベッドでも見れることが大きなメリットでした。
基礎知識の定着に役に立ったかと思います。基本的には、夫が帰ってきてから寝るまで時間と仕事の時間以外の1人の時はずっと聞いてました。

10月

過去問道場で午前問題を解きつつ、速効サプリを 問題をみる→回答を読む 、落ち着いて勉強できない時は、まさるの勉強部屋 を聞き流しして1週間過ごし、試験当日を迎えました。

試験当日は、電車で1時間ほど会場まで移動しなければならなかった(後述)ため、夫にもついてきてもらいました。移動の間は自分がまとめたルーズリーフを読んで知識を詰め込みました。

5.特別措置利用の流れ

妊娠中の特別措置利用申請の流れ

試験案内_IPA公式
↑令和5年秋試験のものなので必ず最新の情報をご確認ください。

妊娠中の受験の場合は「特別措置」を受けることができます。
「情報処理技術者試験 特別措置」や「情報処理技術者試験 妊娠中」などとググっていただくと体験記が出てきますが、ここでは私の体験を記します。

妊娠中に限らず、特別措置を受ける場合は 受験申込前の申請 が必要になります。

特別措置の申請期間は 受験申込締切りより前 でしたのでご注意ください。
私の場合は、下記のようなスケジュールでした。

7月 7日 特別措置・受験申込開始
7月12日 特別措置申請
7月17日 特別措置申請承認メールの受領
7月18日 特別措置申請締切
7月21日 受験申込完了
7月26日 受験申込締切

特別措置の申請は、受験申込同様、CBTS 受験者専用サイトより実施します。
申請時には母子手帳の画像が必要でした。
そのため妊娠発覚〜母子手帳交付までの、妊娠超初期段階に申込の場合は特別措置の利用が難しい可能性があります。こちらは未確認ですので別途ご確認ください。

また申請時はどのような特別措置を希望するかを項目チェックや自由記載で記載することができます。
私の場合は、妊娠後期ということもあり、下記を希望しました。

  • ドアの近くの座席(お手洗いが近いので受験開始ギリギリ&終了後すぐにお手洗いに行きたかった、体調が悪くなった時に他の方の迷惑にならないようにしたかった)
  • 1階、またはエレベータのある会場(お腹が大きくなってきたため負担を減らしたかった)

申請後は、「【情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験】申請受付のお知らせ」というメールが届きました。

その5日後に「【情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験】特別措置申請承認のお知らせ」というメールにて承認通知がされます。

そうしましたら、ようやく試験申込です。
通常の申込と同様の手順で申込を進めます。
この時、事前に特別措置申請を行いましたか。」の質問に「はい」を選択 することを忘れないようご注意ください。
その後、通常の申込同様「【情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験】お申し込み完了のお知らせ」のメール受領で申込完了です。
私の場合は、午前1の免除申請も実施しました。

6.当日の流れ

受験票に記載のある会場は、自宅から電車で1時間ほどの会場でした。
首都圏在住のため、おそらくはもっと近い会場があったのではないかと思いますが、特別措置利用者を、まとめた会場だったのではないかと思います。
試験当日は、飲み物と(空腹時体調を崩しがちでしたので)栄養補給用の食べ物、お昼ご飯を持参の上、余裕をもって会場に到着しました。

私の場合は、ビル内の貸し会議室の階が丸々情報処理技術者試験貸切になっており、各会議室がそれぞれの試験教室になっているようでした。
会場自体は2階で、正面の階段から会場に向かいました。エレベータのあるところを希望しましたが、実際にエレベータが利用できたかどうかは不明です。(奥の方には見えましたが、案内の方には階段に誘導されました。お腹は結構大きかったと思います)
幸い、階段は特に苦ではなかったので問題ありませんでした。

会場に入りましたら、受験番号ごとに受験教室の場所の掲示がありましたので、それらと実際の教室を確認しました。
私の教室は、少人数での会議に使うような会議室でした。開場前でしたが、教室確認のために覗くと、試験官の方に入室して良いと言われました。(非常にありがたかったです。)

試験時は試験官の方が2名、教室内の座席は2席でした。
結局もう1名はいらっしゃらなかったので実質私の試験のために2名で、これだけで受験料の元はとった感がありました.

試験官のうち1名の方からお手洗いには自分が付き添うことと体調を気遣うお言葉をお声かけいただきました。
お手洗いに関してはかなりの不安材料でしたので事前にお声かけいただいたのはありがたかったです。

試験開始後は、通常の受験と同じです。幸い、体調不良や、お手洗いによる途中離席もせずにすみ、無事に試験を終えました。
その一方で、午後問題の形式、出題の仕方が大幅に変わっていたため解答には苦戦しました。
ですが結果的に
午前Ⅱ 92点
午後 84点

と余裕をもって合格できました。

最後に

妊娠中に何か記念になることがあればという気持ちと、復職を見越して自分の武器を少しでも増やしておきたいという気持ちから今回受験しました。無事合格することができ嬉しかったです。育児に追われていますが、今後も隙間を見つけて自己研鑽に励み、復職時に少しでも役に立てるようにしていきたいと思います。

もし、この記事を妊婦で試験受験を考えていらっしゃる方が読まれていましたら、ご自身とお腹のお子さんの体調を最優先にされて無理なさらないようにしてください。
産まれてからがとてもしんどいので今少し休むのもアリだと思います。私自身も産育休での休職による不安はありますが、たった1,2年。でも子どもは、あっという間に大きくなってしまいます。その成長を少しでも余裕のある状態で見守れるよう、ぜひ無理せずにお過ごしください。ささやかながら応援しております。

また、妊婦以外の方で情報処理安全確保支援士試験の受験を検討されている方にも、勉強方法が少しでもお役に立ちましたら幸いです。

おしまい

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