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Travis CIでつくるiOSのCI環境(テスト・アップロード編)

この記事はWHITEPLUS Advent Calendar 2016 14日目になります。

株式会社ホワイトプラス、エンジニアの @akaimo です。
ホワイトプラスでは主にリネットのiOSアプリを担当しています。

はじめに

Travis CIでつくるiOSのCI環境(準備編)」の続きです。

前の記事ではTravis CIでiOSアプリのテスト・アップロードをするための環境構築をしました。
今回は実際にテストを実行して、iTunes ConnectとHockeyAppへのアップロードを行います。

テストの実行

テストはxcodebuild testというコマンドで実行します。
プロジェクトの環境によって、適切なオプションを指定しないと動作しないので、オプションの解説から入ります。

xcodebuild testのオプション

-project <projectname>

  • xcodebuild testを実行するディレクトリに複数のプロジェクトファイルが存在する場合は、 どのプロジェクトに対して実行するか指定しなければいけません。

-target <targetname>

  • 特定のtargetに対して実行する場合は指定する必要があります。

-workspace <workspacename>

  • CocoaPodsなどでworkspaceを使っている場合は指定する必要があります。
  • sample.xcworkspaceのようにドット以下も必要です。

-scheme <schemename>

  • workspaceを使用している場合は必須項目です。

-destination <destinationspecifier>

  • platform=iOS Simulator,OS=10.1,name=iPhone 7のようにテストする端末とOSを指定します。
  • -destination destinationspecifierは複数付けることができるので、一回のコマンドで複数の環境に対してテストを行うことができます。
  • シミュレーター名、OS名はxcrun simctl listで確認できます。
  • Travis CIで実行することができるシミュレーターはこちらでMac OSのバージョンごとに確認できます。

-configuration <configurationname>

  • 実行するtargetのconfigurationを指定します。

テストで主に使用するオプションは以上になりますが、その他のオプションや詳細についてはドキュメントを確認してください。

実行例

xcodebuild test -workspace Sample.xcworkspace \
  -scheme Sample \
  -destination 'platform=iOS Simulator,OS=10.1,name=iPhone 7' \
  -configuration Debug \
  | xcpretty -c

Travis CIでは実行ログの容量に制限があり、xcodebuildをそのまま実行するとたくさんのログが出力されてしまい、エラーになってしまいます。
そのため、xcprettyを使用してログを加工しています。

ipaの作成

ipaを作成するためには、一度アーカイブを書き出す必要があります。
その後アーカイブをipaに変換します。

アーカイブの書き出し

アーカイブはxcodebuild archiveコマンドで書き出すことができます。
これもテストと同様に、プロジェクトごとに適切なオプションをつける必要があります。

xcodebuild archiveのオプション

testで紹介したオプションは省略します。

-archivePath <xcarchivepath>

  • アーカイブ(.xcarchive)の出力先のpathを指定します

CODE_SIGN_IDENTITY

  • アーカイブに使用する証明書を指定するときにつかいます
  • リリース版とAdhoc版で証明書が異なってくるので、複数の対象に対してアーカイブする場合は指定する必要があります

PROVISIONING_PROFILE

  • provisioning profileのidを指定します

実行例

PROVISIONING="xxxx-xx-xx-xx-xxxx"
IDENTITY="iPhone Distribution: Sample (xxxxxx)"

xcodebuild archive \
  -workspace Sample.xcworkspace \
  -scheme Sample \
  -configuration Release \
  CODE_SIGN_IDENTITY="${IDENTITY}" \
  PROVISIONING_PROFILE="${PROVISIONING}" \
  -archivePath ./build/Sample.xcarchive \
  | xcpretty -c

xcarchiveからipaの作成

先ほど作成したxcarchiveからipaを作成していきます。
ipa作成に関する設定をplistで指定する必要があり、以下の記事で詳しく書かれているのでプロジェクトにあった内容で作成します。
xcodebuildでipa作成 -exportOptionsPlist対応版

そして、xcodebuild -exportArchiveコマンドでipaを作成します。

実行例

xcodebuild -exportArchive \
  -archivePath ./build/Sample.xcarchive \
  -exportPath ./build \
  -exportOptionsPlist exportOptions.plist \
  | xcpretty -c

iTunes Connectへのアップロード

いよいよipaをアップロードしていきます。
まずはリリース版のアップロード先であるiTunes Connectにアップロードします。

バリデーション

iTunes Connectにアップロードするためにaltoolというコマンドをたたきます。
altoolには、バリデーション用のコマンドがあり、プライベートAPIなどを使用していないかのチェックをすることができます。
少し時間がかかってしまいますが、せっかくなのでチェックします。

'/Applications/Xcode.app/Contents/Applications/Application Loader.app/Contents/Frameworks/ITunesSoftwareService.framework/Support/altool' \
  --validate-app \
  -f build/Sample.ipa  \
  -u $ITUNES_NAME \
  -p $ITUNES_PASS

アップロード

バリデーションで問題がなければアップロードをしていきます。
アップロードにはバリデーション以上に時間がかかるので注意が必要です。

'/Applications/Xcode.app/Contents/Applications/Application Loader.app/Contents/Frameworks/ITunesSoftwareService.framework/Support/altool' \
  --upload-app \
  -f build/Sample.ipa \
  -u $ITUNES_NAME \
  -p $ITUNES_PASS

以上でiTunes Connectへのアップロードは完了です。

HockeyAppへのアップロード

続いて、社内配布などのAdhoc版のアップロードです。

dSYMsの用意

HockeyAppでは、クラッシュログを取得するためにdSYMsも一緒にアップロードする必要があります。
アップロードするために、.xcodebuildの下にあるdSYMsを圧縮します。

zip -r build/Sample.app.dSYM.zip build/Sample.xcarchive/dSYMs/

アップロード

HokeyAppはアップロード用のAPIを公開しているので、それを利用します。
オプションの詳細などは公式のドキュメントを参照してください。

curl \
  -F "status=2" \
  -F "notify=0" \
  -F "notes=Sample upload" \
  -F "notes_type=0" \
  -F "ipa=@build/Sample.ipa" \
  -F "dsym=@build/Sample.app.dSYM.zip" \
  -H "X-HockeyAppToken: $HOCKEY_APP_TOKEN" \
  https://rink.hockeyapp.net/api/2/apps/upload

終わりに

以上でTravis CIでのビルド・アップロードは終了です。
ここまでで最低限の運用はできますが、実行時間や配布したアプリの管理などに課題が残ります。
そんな課題の解決をする、運用のコツ編を23日に公開します。

明日は弊社デザイナー @UomoriAtsushi の「デザイナーが事業責任者になったら」です。

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