本記事は下記の続きです。
Claude 1.x
2023年3月、Anthropicは独自の大規模言語モデルを用いたAIアシスタントとしてClaude、およびその軽量・安価版のClaude Instantをリリースした1。
(AnthropicによるTransformer Circuitsの動きより)ClaudeはTransformerベースのアーキテクチャと考えられ、Constitutional AI(CAI)のコンセプトに基づいて学習された2。
Claudeは、要約、検索、コーディングなど、他のサービスと同様の能力に加えて他のサービスよりも有害な出力を生成する可能性が少ないとされ3、この時点ですでに下記のパートナー企業・サービスと連携していた1。
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Quara
- チャットアプリPoeでClaudeを利用
- Juni Learning
- Notion
- DuckDuckGo
- Robin AI
- AssemblyAI
さらに、4月にはClaude 1.3、8月にはClaude Instant 1.2をリリースするなど、活発にアップデートが行われている45。
Claude 2.x
Claudeは継続的にアップデートされ、2023年7月Claude 2.0がリリースされた6。下記の表の指標にも示す通りパフォーマンスが向上し、無害な応答をする性能がClaude 1.3と比べて2倍になったなど性能が向上している67。また、ファイルのアップロードにも対応し、PDFなどのドキュメントも入力の対象とすることができるようになった8。
Model version | Bar exam | Codex HumanEval (Python) | GSM8K |
---|---|---|---|
Claude 1.3 | 73% | 56% | 85.2% |
Claude 2.0 | 76.5% | 71.2% | 88% |
そして同年11月にはClaude 2.1がリリースされ、Context windowが200kトークン(およそ150,000単語、500ページ以上の資料に相当)に増加、ハルシネーション抑制性能が倍程度に強化などさらなる性能向上が見られた9。
Claude 2.1では、要望が多かったAPIツールの利用機能が搭載され、Web検索や複雑計算などの別プロセスと連携させることが可能になった10。
Long context question answering - errors (Claude 2.0 vs 2.1)
その他
2023年2月、Google社がAnthropicに3億ドルの投資を行い、Google Cloudでの開発が推奨となった。Google社のこの動きはOpenAI社に巨額の投資をしているMicrosoft社にAI分野への投資で追随したと考えられている11。
また、5月にはベンチャーキャピタルのSpark Capital社、引き続きGoogle社、Salesforce社、Zoom社などテクノロジー大手企業から4億5000万ドルを調達1213、さらに9月にはAmazon社がAnthropicに対して推定40億ドルもの投資を行うことが報じられ、AnthropicはAmazon社の社内チップであるTrainiumとInferentiaの技術開発に取り組むことにも同意している14。
AnthropicはGoogleのTPUを利用しつつも、11月にはAWSの生成AIサービスであるAmazon BedrockでClaude 2.1が利用可能となり、いずれのパートナシップも強固なものにしていった1516。
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Using Anthropic’s Claude File Upload to Answer Questions about your Debate Topic ↩
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Google invests $300mn in artificial intelligence start-up Anthropic ↩
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Anthropic Raises $450 Million in Series C Funding to Scale Reliable AI Products ↩
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Amazon Bedrock now provides access to Anthropic’s latest model, Claude 2.1 ↩