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薄型完全無線分割自作キーボードSynx42を設計した

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title: 薄型完全無線分割自作キーボードSynx42を設計した
tags: 自作キーボード
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どうも。ak1です。
はじめてのqiitaの記事です。
自作キーボードSynx42を設計したことについて、書きたいと思います。

正面.jpg
vsPreonic.jpg

目次

Synx42の特徴

  • 左右分割型
  • kailh x switchを使用
  • 厚み最薄クラス 実測 7.3mm
  • 格子配列
  • 17mm * 17mm の狭ピッチ
  • 完全無線接続、usbなどの端子なし
  • (全体的に黒い)

市場最薄スイッチ、kailh x switch を使用

kailh x switchを使用しています。
一般向けに販売されているキーボード用メカニカルスイッチの中で、多分これが一番薄いです。
aliexpressのショップで売っています。高いです。
手作業で作っているという噂を聞いたことがあります。

キーキャップは専用のものしかありません。
3dプリンタで出力しようとしましたが、スイッチとの接続部分の溝が小さすぎてうまくいきませんでした。

cherryも似たような薄型スイッチを発表していますが、単体では入手できません。

格子配列(ortholinear)

横にずれているrow-staggeredや、縦にずれているcolumn-staggeredよりも、隙間なくきれいに配置できます。
このため、キーボード全体としてのサイズを小さくできます。

また、テンキー風の入力がしやすいです。

17mm * 17mm の狭ピッチ

キーキャップのサイズが16.5mm * 16.5mmなので、これが限界の狭さだと思います。

標準の19mm * 19mmって大きくないですか?

完全無線接続 usbなどの端子なし

持ち運びを想定したキーボードなので、bluetooth接続です。
かつてHelixを使っていた時期があるのですが、usbケーブルとtrrsケーブルの取り回しが大変でした。
また、ipadなどに接続したいという思いもありました。

ケースなし

できるだけ薄くするため、ケースはなしです。
代わりに、基板の裏に100均のフェイクレザーを両面テープで貼り付けました。
ゴム足のみよりショートの心配がなく、ゴムシートより匂いがないです。さわり心地もいいです。
fake_lether_cover.jpg

モジュールや電池などが集合している部分には、4mmのスペーサーを噛ませ、カバープレートを取り付けました。
カバープレートは厚さ0.8mmのpcb製です。
パターンでうっすらキーボードの名前を書いてみたりしました。
logo.jpg

設計

基板設計

pcbの設計はSatT99さんのCaravelle-BLEpcbのデータを非常に参考にさせてもらいました。ありがとうございました。
というかこのキーボードの中身はほぼCaravelle-BLEです。SatT99さんには頭が上がりません。

出来上がったデータをJLCPCBに発注しました。
基板の厚みも選べます。
0.8mm, 1.0mm, 1.2mm, 1.6mmはすべて同じ価格でした。
これより薄くしようとすると価格が跳ね上がります。xswitchの推奨pcb厚も0.8mmだったので、ちょうどよかったです。

ALLPCBに発注したこともありますが、ドリルの精度が低いのか、スイッチが嵌まりませんでした。

firmware

firmwareはBle Micro Proでおなじみのsekigonさんによるqmk_firmwareのforkを使用させていただきました。ありがとうございました。

組み立て

nrf52モジュールのはんだ付けが難しい

PCBAは高いので、自分ではんだ付けすることにしました。
使ったのは秋月電子のBL652-SA-01です。
0.75mmピッチの手はんだはかなり大変でしたが、なんとかなりました。
modules.jpg

ピンは全てカット

できるだけ高さを抑えるため、裏から突き出ているピンはすべてカットしました。これで痛くありません。

キーキャップ塗装

キーキャップは白しかないです。黒が好きなので、塗装することにしました。
素材はabsなので、割れに注意します。
アサヒペンのプラスチック用プライマー高耐久ラッカースプレー(黒)で塗りました。

表面をヤスリで荒らすのを忘れる失敗をしました。

表面にうっすら斑点のような模様がついてしまいました。
下手ですが、まあ黒くなったので良しとします。
miss_painting.jpg

使ってみて

良い点

  • 圧倒的に薄く、小さいです。ポケットに入れて持ち運べます。
  • 遅延はあまり感じないです。
  • 黒なのでかっこいいです。

悪い点

  • キースイッチがtactileとclickyしかないのが残念です。
  • Force Curveからわかるように、このスイッチは結構重いです。
    • スイッチの改造を試みましたが、小さなパーツが多く、分解した後、組み立てることすらできませんでした。
  • キーキャップが平面であり、狭ピッチでキーどうしの隙間が小さいため、キーの境界が分かりづらいです。
    xswitchForceCurbe.png

さいごに

作ったはいいものの、キースイッチの感覚が好みではないので常用しなさそうです…
キースイッチはEverglide Aqua King がすきです。

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