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今年はポエムじゃない、と言ったな?あれは嘘だ。

私はプロダクトオーナーとその周辺の業務を生業にしているわけですが、プロダクトオーナーの一番の仕事として、「プロダクトの指針を決める」こと、つまり決断することと言うものがあります。

あるとき開発の方に言われたことで印象的なことがあって。
「xxxさんは決めてくれてたからよかった。今のPOは何するにも決めてくれなくて…」
というのがあって、その時はふーん、くらいに思ってたんですが、今になって結構、「決める」って難しいことなんだろうな、と思い始めまして、今回の記事を書くに至るのです。

決断 = 判断 + 「覚悟」

今回のテーマ「決断」と似た言葉に判断という言葉があります。それぞれ辞書で調べると、

【判断】
物事の内容やあり方、価値などを見比べ、真偽などを考え決めること。

【決断】
意志をはっきりと決定すること。
「決断」は、「決定」「判断」にくらべて、強い意志をもってある結論を下すような場合に用いられる。

といった違いがあるようです。

ビジネス的な決断は多くの場合、何らかの選択肢があり、どれを選べば良いか、という「判断」を行なった上で、よしこれだ!と「決断」する必要があります。この意思を示す、という行為は、理論的に価値を見定めること(つまり、「判断」)によって成り立つわけですが、最後に決めるのはその人の思いによるもの(つまり、「決断」)となるわけです。責任を伴うわけですから少なからぬ「覚悟」を要するわけです。

決断することは楽じゃないものよ

覚悟を決めるためには、その覚悟を賭けて良いとする論拠が欲しくなるわけです。それは、みんながそう言っているから、かもしれないですし、いや俺様の過去の経験則上正解だから、かもしれないです。今回はその良し悪し自体はとかどうでもいいのですが、何を決めるにしろ、どんな些細なことであっても「決断」ってのは辛くきついことですよね、をテーマにしようかと。

今回このポエムを書くにあたりいくつかのビジネスハウツー的な記事・本を見てきましたが、そのほとんどが記載しているのは、「決断」についての重要な要素は判断のプロセスであり、いかに論理的に結論を導くかの訓練法だったり、どうやって選択肢から有力なものだけを抽出するか(逆に言えば不要な選択肢をどう削ぎ落とすか)みたいな方法論なわけですよ。まあそうでもしないとセミナー商材としては売りだせないですからね。

でも、常日頃こういう決断に迫られる人、そしてそれができていないと感じている人って、そういう情報を求めてるんじゃないと思うんですよね。理論・方法よりも、共感と言えばいいですかね。 決めるって大変なんだよーーー誰かタスケテYOーーー!! って言うことを理解してほしい、救ってほしい気持ちの方が大きいと思うのです。

てなわけで、そんな人に送る、少し決断を楽にする方法集をまとめてみました。

その選択肢が全てなのか?

さて、どちらが良いか?という問いは往々にして迫られるものです。しかしここで一旦深呼吸して、選択肢から離れて考える癖をつけましょう。あなたに提示された選択肢はそのとき選べる全ての選択肢でしょうか?

誤った二分法、と言う言葉があります。あなたが取れる選択肢はAかBです。どちらかは正解でどちらかは不正解です。さあ、どっち。
例えば、通販番組で「今買わないと、次からはこの値段では買えませんよ!」と言った喧騒。後から冷静に考えれば、今買わなくても、例えば多少高くなってもあとで買うと言う選択肢があるはずなのに。購入者が知り合いにいればその感想を聞くこともできますよね。

極端な2つに絞った選択肢は判断力を狭め、結果、間違った選択を選んでしまう結果になります。明らかに判断しかねる選択肢が提示されている時は、敢えて他の選択肢がないか、目の前の決断からふと目を背け、今本当に求められていることは何か、それを探るために他を当たることも必要です。

「正解」という罠

誤った二分法の類似の議題ではありますが、もう一つ、「正解」と言う言葉に囚われること、これも大きく判断を鈍らせる要素です。
過去を振り返った時、あの時ああしていればよかったなー、と思うことは多かれ少なかれあるでしょう。ただ、振り返りはもう少し深く行なってみましょう。あなたはその時、何故「ああする」ことができなかったのか。

ほとんどが後付けの理由で、その時の少なくとも自分自身での判断材料が不足していたことが原因になるでしょう。もちろん判断ミスのこともあるでしょうが、その判断を間違った理由も突き詰めていけば、「あのことが先にわかっていれば」とならないでしょうか。

結局、その選択が正解だったかどうかなんて後からしかわからないし、不正解には後付けの理由しかつかないものです。決断とは未知に対する判断を自分の意思で行うものでしかありません。「どちらかが正解のはず」と言う思い込みこそが判断を鈍らせる罠になります。正解なんてないさの気持ちで決断していきましょう。

最善とは何か

それでもあなたは「最善の手を尽くす」ための選択肢を考えるでしょう。
さて、ここで最善とは何でしょうか。

決断のための判断ポイントには、その決める行為による影響のタイミングと言うものも重要な要素です。あなたの決断の結果はいつのタイミングで最善の効果をあげる でしょうか。そして、その想定タイミング以外でその決断は最善になるでしょうか。

ほとんどの場合、後者の質問はNOになります。イメージをあげると、「今は苦しいけどここを乗り越えた時のために、今、手を打っておこう。」「今週リリースのために善後策としてやる。来週以降で直していこう。」みたいな。

要は決断というのは今見える範囲でのどこかのタイミングで良くなるように想定して行うことになります。ですので、それとは異なるタイミングでは良くならない、寧ろ悪くなる可能性だってあるわけです。全てに完璧に最善になる手ってのはそうはありません。もちろん、先ほどの話題の通り、未知への判断によるものですので、そのタイミングが来るかどうかもわかりません。

ここで大切なのは、どのようなストーリーで、そして、どのようなタイミングで最善となると考えたか、その検討プロセスです。それをしっかり持てることが、世の中では「軸がぶれない」と呼びます。おそらく多分。知らんけど。

そして、決断は楽しい。

決めることは辛いですか?人に任せたいですか?
私は辛いこともありますが、それでも自分で決められることがあるなら決めていきたいです。

SF系に「並行世界」みたいな概念がありますよね。自分が選ばなかった世界線と自分が選んだ世界線。決断することはそんな世界線をその都度作ってるんだな、と思うとワクワクしませんか?
決断は辛く厳しいことかもしれないですが、自分で決められることって楽しいことのはずです。どうせ決断に迫られるなら、気持ちは楽しく、無駄にいっぱい並行世界を作ってやってるぜ!とか思いながら進めましょう(?)

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