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Streamlit 1.35.0の新機能紹介

Last updated at Posted at 2024-05-25

Streamlitとは

StreamlitはPython向けのWebアプリケーションフレームワークです。

Streamlitを使うとフロントエンドの知識ゼロでもデータを可視化するためのWebアプリケーションを簡単に作れます。以下のような機能が特徴。

  • 変数を地の文に書くだけで、GUIに出力される(マジックコマンド)
  • st.radiost.text_inputのようなWidget APIを呼び出すだけで、GUIコンポーネントが生成される

Streamlitの最新バージョン

Streamlitの最新バージョンはChangelogで確認できます。
2024/5/23時点で最新バージョンは1.35.0です。

1.35.0では次がHighlightsとしてアナウンスされています。

  • チャートのSelection
  • DataFrameのSelection
  • st.logo

また、st.page_linkにGoogleマテリアルアイコンを表示できるようになりました。

チャートのSelection

SelectionというのはGUI上で選択したデータをPythonコード側で受け取れる機能です。
Selectionは現時点ではst.plotly_chartst.altair_chartst.vega_lite_chartの3つの高機能なチャートが対応していて、st.line_chartのようなシンプルなチャートでは残念ながら対応していません。

chart_selection.py
import streamlit as st
import plotly.express as px
import pandas as pd

# サンプルデータセットを読み込む
df = px.data.iris()

# Plotlyで散布図を描画する
fig_scatter = px.scatter(df, x="sepal_width", y="sepal_length")
selection = st.plotly_chart(fig_scatter, key="iris_scatter", on_select="rerun")

# selectionには選択されたデータが入っている
with st.expander("selection"):
    st.write(selection)

# selectionをDataFrameに変換してから表示する
df_selected = pd.DataFrame(selection["selection"]["points"])
st.dataframe(df_selected)

chart_selection_exsample

このSelectionを使うためには以下の両方が必要になります。

  • keyパラメータを指定する
  • on_selectパラメータにrerunを指定する

上記のパラメータを指定する関係上、チャートを操作するたびにアプリがRerunされます。必要に応じて元のデータをキャッシュするなどの対策をしておきましょう。

上記のサンプルコードではPlotly Express (px)というサポートライブラリでチャートを生成していますが、graph_objectsを使って1からFigureを生成しても問題なくSelectionを使うことができます。

DataFrameのSelection

チャートのSelectionと同様にGUI上で選択したデータをPythonコード側で受け取ることができます。

dataframe_selection.py
import streamlit as st
import plotly.express as px
import pandas as pd

# st.write("## Plotly Selection")

# サンプルデータセットを読み込む
df = px.data.iris()

selection = st.dataframe(df, key="iris_df", on_select="rerun", selection_mode=["multi-row", "multi-column"],)
st.code(selection)

dataframe_selection.png

チャートのSelectionと同様に、以下の両方が必要になります。

  • keyパラメータを指定する
  • on_selectパラメータにrerunを指定する

列選択を有効にするためにはselection_modesingle-columnあるいはmulti-columnを指定する必要があります。
また、1.35.0時点では、列選択を有効にするとDataFrameの列ソートが使えなくなるようです。

st.logo

メインページとサイドバーにロゴ画像を配置することができます。
サイドバーが開かれているときはメインページのロゴが隠れるので二重に表示されないのがいい感じですね。

logo.py
import streamlit as st

# ロゴを選択する
logo = st.selectbox("ロゴを選択する", ["logo1", "logo2"], key="logo")

# 選択したロゴを表示する。できるだけ最初の方で実行する
st.logo(f"{logo}.png")

# サイドバーを開く
st.sidebar.write("This is a sidebar")

# 選択したロゴ画像は以下のもの
st.write("## Selected logo")
st.write("選択したロゴ画像は以下のもの")
st.image(f"{logo}.png")

logo_example

st.page_linkへのGoogleマテリアルアイコンの表示

サブページにページリンクするときのリンクに表示するアイコンとしてGoogleマテリアルアイコンを使えるようになりました。
これまでサブページのファイル名に絵文字を入れたり、iconパラメータに絵文字を指定したり(icon="🔥"みたいに)していたんですよね…

icon_material.py
import streamlit as st

st.page_link("pages/動物の写真を見る.py", icon=":material/pets:")

icon_example

Googleマテリアルアイコンは下記のページから確認できます。

上記のページのアイコンの詳細からAndroidタブを選んだときに表示されるコードを使って、":material/アイコンのコード:"というように書けばOKです。

material-icon-code

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