はじめに
私は、小売店で販売する商品の品質検査・商品開発支援を行う会社に勤務しています。
ここ1年ほど、新規事業の立ち上げ検討に参加させていただきました。
その中では、画像解析やデータ分析といった要素がありました。
そこで感じたことを書いていこうと思います。
タイトルにある”データ解析技術よりも大切なもの”は、
プロジェクトマネジメントのスキルです。
入社してからAI、統計などの勉強をしてきましたがそのハードスキルを活かすには、
土台のソフトスキルが大事ということを痛感しました。
以下の本を自分でまとめていたので、その内容をコードブロックとして記載して、
コメントを付け足していくことで記事を完成させようと思います。
PMBOKガイド®第7版対応 アジャイル型プロジェクトマネジメント
– 2022/4/27 中谷 公巳 (著)
いまの自分に必要な個所を重点的にまとめていたので、
記載内容に偏りが生じていると思いますが、ご了承ください。
要点
0. ビジネスケースの分析
・ビジネスケースの基本的内容
1. プロジェクトの定義活動
・目的、目標、制約条件、成功の定義を決定する
・管理する権限を確立する
2. プロジェクトの計画活動
・作業範囲、担当者、完了時期を明確化する
・不確実性が高い項目の特定と管理のための戦略を策定する(リスクマネジメント)
・スケジュール、コスト、スコープが現実的かの検証を行う
3. プロジェクトのコントロール活動
・進捗状況を測定する
・コミュニケーションをとる
・是正措置、改善を行う
悪く言いたいわけではないですが、大概のプロジェクトは、
上層部の思いつきでフワッとした状態で始まると感じました。
なので、まず、それを行うことで何が達成されるのか、行う上でのリスクは何なのか、を明らかにして、プロジェクトメンバーで合意形成することが最重要だと感じました。
1.定義活動、2.計画活動は全体の10%程度ですが、最も重要だと記載されてます。
0.ビジネスケースの分析を加えても、3.プロジェクトのコントロール活動の時間に比べると、数十%だと思います。
もう一息、具体的な内容を記載していきます。
0. ビジネスケースの分析
✓プロジェクトの目標
具体的な望ましい成果と得られるビジネス価値
✓問題・機会の定義
プロジェクトが行われる理由を明確にする
✓提案されたソリューション
問題・機会の解決のために、なにをするのか明確にする
✓プロジェクトの選定基準とランク付け基準
✓費用便益分析
有形の利益、無形の利益、必要なコスト、財務的リターン
✓ビジネス要求
このプロジェクトが成功したと判断されるのは・・・を書く
✓スコープ
目標達成するための主な達成事項をリストアップ
✓課題とリスク
成功の障壁となる主な課題と、混乱や失敗を引き起こす可能性のある既知のリスク
✓スケジュール概要
予定期間、重要なマイルストーン、主要なフェーズを記載する
ビジネスケースの分析は、プロジェクトマネジメントの域から出ているそうなのですが、上述のように、フワッとした要求が飛んでくることが多かったので、ここについて考える時間が多かったです。
1. プロジェクトの定義活動
- 目的、目標、制約条件、成功の定義を決定する
ビジネスケースが十分に練られたものであれば、ここの作業はほぼ不要。
プロジェクトが実行された場合に達成できる将来の状態を明確にするために、
批判的かつ建設的な視点を持ち、論理に誤りがないか検証する。曖昧に始まる立ち上げ段階では重要。
・要求された成果物と期待される成果の間に、明確な関係があるか?
・コストやスケジュールは現実に根ざしているか?
・前提条件をすぐに証明できるか?
という視点で、ビジネスケースを見る。
- 管理する権限を確立する
✓部門間のコミュニケーションを円滑にするために明確にする
✓責任と権限の区別は、早い段階で行うことが重要。
争いの最中に責任の所在を明確にすることは困難となる。
・実行責任者・・・仕事を実行する人
・説明責任者・・・承認権限者、意思決定の最終決定者
・相談対応者・・・助言者、必ず従うものではない
・情報受理者・・・決定事項が報告されるグループ
このあたりを決めるのは、プロジェクトを前に進めるためにも大事だと思いますし、
プロジェクトメンバーの「これ誰の判断で次に進めるの?」「これって、私がやるの?」ていう、精神的な負担を軽減させるためにも大事だな、と思いました。
失敗したときに決定する権限を持っている人のせいにするとかでもないですが、どのように意思決定していくかを決めとかないと、うだうだした状態が続いてしまうと思いました。
というか、続いていました(反省)。
不確定要素が多いので、どのやり方をしても上手くいくかはわからないので、誰かがバシッと決めないといけないと感じました。
2. プロジェクトの計画活動
- 作業範囲、担当者、完了時期を明確化する
・バックキャスティングで計画を立てる
◎WBSの3つの成功法則
✓WBSは上から順に分解していかなければならない
抽象度が高いものを羅列、その中に具体的なタスクが含まれている
✓ワーク・パッケージにはサマリータスクを追加する
✓サマリータスクとワーク・パッケージは製品を生み出す活動として命名される
・ワーク・パッケージを適切なサイズにするルール
・8/80ルール 8時間よりも長く80時間よりも短くする
・報告期間ルール 週1会議ならそれよりも小さくする
・扱いやすいルール タスクの見積もり・割り当て・追跡を容易にする
◎完了基準の決定
・このタスクが完了するとはどういうことか?
・どのようにしてそれが正しく行われたことを知ることができるか?
- 不確実性が高い項目の特定と管理のための戦略を策定する(リスクマネジメント)
◎すべてのプロジェクトマネジメントはリスク・マネジメント
✓リスクを理解するには、その「状態」と「結果」を明らかにして、記録すること
状態:懸念や不確実性の原因となっている状況を簡潔に記述したもの
✓リスクを特定し、優先順位付け(期待値=発生確率×影響度)を行い、対応策を策定する。
継続的なリスク管理が必要。
✓受容、回避、軽減などの対応策を事前に策定しておく
- スケジュール、コスト、スコープが現実的かの検証を行う
✓適切な人が見積もりをする
(対象の仕事に精通している、実際に作業する人に参加してもらう)
✓不確定要素が多いプロジェクトの場合、始めから正確なスケジュールを立てるのはリスク
★概算見積もりを立てて、プロジェクトが進むにつれて確定させていく
このことがチーム、顧客ともにプラスに働くことを説明しておくのが良い
✓プロジェクトの再見積もり、人員増加、外部委託、スコープ縮小などを合理的に判断する
スケジュールを立てるところも苦労しました。
どのくらい時間がかかるかわからないけど、期限を決めるとそれを守ることが求められるので、慎重にしないと・・と思っていましたが、「概算見積もりを立てて、プロジェクトが進むにつれて確定させていく」という言葉を見て、間違いない!と思いました。
計画を立てる、ってなるとそれに従う必要があるという意識が強くなってしまいますが、プロジェクト立ちあげた段階の計画は、アバウトなものになってしまうのは仕方なく、それを理解してもらう努力が必要だと学びました。
3. プロジェクトのコントロール活動
- 進捗状況を測定する
- コミュニケーションをとる
- 是正措置、改善を行う
どれも大事なんだと思いますが、チーム作りについて記載されていて、今の自分には必要だと思ってまとめていたので、そこを書こうと思います。
なので、ここは上の3点についてではないです。。
どれも、適宜、確認していこうね、という内容です(雑)。
以下は、チーム作りについての内容です。
◎チーム作りはリーダーの責務
✓リーダーが意識的に関与してまとまりのある有能な集団に作り上げることが理想。
プロジェクトは期待通り達成されてもその満足感は長く続きません。
日々の仕事は、ゴールを達成した時の一瞬の喜びよりも、
ゴールに至るまでのプロセスのほうがはるかに長いもの。
そのプロセスを通して、最高のチームの構築にエネルギーを注ぐことは
自分自身だけでなくチームメンバーにも強いモチベーションを与えることになる。
✓チームの健康状態に気を遣う
多様なメンバーのモチベーションを高める基本は、努力と成果を認めてあげること。
求める以上に敬意をもってメンバーに接することが、プロジェクトの成功に繋がる。
✓説明責任を要求する
プロジェクトの成功は、実行力次第。
リーダーは約束を守り責任を果たすことで方向性を示し、チームメンバー全員に同じことを期待する。
✓模範となってチームを鼓舞する
◎積極的なチーム文化
抽象的な感覚や雰囲気ではなく、プロジェクトマネージャーが植え付けることのできる
行動やスキルセットである。
1. グラウンドルール
チームの価値観、コミュニケーションのガイドライン、意思決定の基準とプロセス、
コンフリクトの解決プロセス、会議のガイドライン、チームの合意など
2. チーム・アイデンティティ
✓プロジェクトの目的とスコープを伝える
✓プロジェクトの目的を繰り返し意識させる
・毎回の会議のアジェンダの一番上に目的を書く(目に留まる位置に置く)
・意思決定の際は、プロジェクトの目的を確認する。
✓プロジェクトの組織的整合性を確立する
・プロジェクトが戦略目標、組織にどのような影響を与えるか説明する
✓プロジェクトに対して経営陣が支持を表明する(貢献したい意欲が高まる)
✓強みと多様性を理解したうえでチームを構築する
・チームメンバーの強みと貢献の認知、多様性の理解、約束と誠実さ、敬意と思いやり
3. リスニング・スキル
問題解決が求められる環境において、聞くこと以外に重要なコミュニケーション・スキルはありません。
聞くことは信頼関係の基礎であり、敬意を示す基本動作である。
4. 会議体の管理
事前に参加者にアジェンダ、時間割と発案者、議論の目的が分かるようにして案内する
◎協働的な問題解決能力
✓問題分析
✓意思決定方法
・コンセンサス、多数決、議論の末リーダーが決めるなど、リーダーに一任
✓コンフリクト・マネジメント
グループ内のコンフリクトの発生は想定内の出来事。
コンフリクトが問題解決のプロセスに影響を与えた場合、
誤った決定を下す可能性がある+人間関係が損なわれるかもしれない
・撤退/回避・・問題、関係を回避。問題の先送りになる
・鎮静/適応・・関係を優先。短期的な解決策に過ぎない
・妥協・・・・問題・関係を部分的に解決。納得感は得られない
・強制・・・・強制された側の決定へのコミットメントは非常に低くなる
✓継続的学習
・心理的安全性を高め、建設的な意見の交換を行う
なかでも、
プロジェクトは期待通り達成されてもその満足感は長く続きません。
日々の仕事は、ゴールを達成した時の一瞬の喜びよりも、
ゴールに至るまでのプロセスのほうがはるかに長いもの。
そのプロセスを通して、最高のチームの構築にエネルギーを注ぐことは
自分自身だけでなくチームメンバーにも強いモチベーションを与えることになる。
が刺さりました。
プロジェクトといった括りだけでなく、会社で仕事をしていくうえで、
チームメンバーの満足感、モチベーションを高めることは、とても大事だと思います。
成果を出すことは言うまでもなく大事ですが、
成果が出なくてもメンバーがプロジェクトを通して成長すること、やりきったけど成果が出なかった、と思ってもらうことも大事だと感じました。
正直なところ、プロジェクトがうまくいくかなんてメンバーの能力以外の要因も大きいと思います。
だからこそ、全力で取り組める環境を作ることが大事だと感じました、
おわりに
たくさん書きましたが、私は書いた内容が身についていると思っていません。
そもそもプロジェクトマネージャーという役割をやったこともないです(笑)
知識はあるけど能力はない、という状態だと思います。
なんとなく、これ阻害要因だよなーと感じていたことが全て書かれていたので、
自分が感じていることは、どこの職場でも起きているんだなー、と感じました。
この本をバイブルにしながら、実践を積んでいきたいです!!
以上、初投稿でした!!