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グロースエクスパートナーズAdvent Calendar 2024

Day 5

エンジニア今昔座談会~エンジニア歴数十年のベテランが語る~

Last updated at Posted at 2024-12-04

こんにちは、GxPの石村です。
この記事はグロースエクスパートナーズ Advent Calendar 2024の5日目です。

今回は社内でエンジニア今昔座談会を行いましたので、その結果をお届けします!

概要

社内の若手エンジニアより「エンジニア歴ウン十年のおじさんから見たあの頃はよかった的な記事が読んでみたい」というリクエストがありました。
社内のベテランエンジニアに声をかけたところ、座談会形式で話したことを記事にしてもらいたいとのことでして、3名のベテランエンジニアにいろんな質問をしてみました!

ベテランエンジニアは安達さん、石橋さん、小林さんの3名です。途中から北條さんも会話に参加してくれました。
どんな方々なのか他己紹介してもらいました!

安達さん(エンジニア歴36年)

石橋さん談:まんべんなく得意でデバイスに近いところも業務アプリのフレームワークもやる人
小林さん談:HHKBとケンジントンのトラックボール(でしたっけ)をこよなく愛する本業はバンドマン
北條さん談:確実な仕事とスマートな言動が素晴らしい人だけど、長くつき合っていると実はそうでもないところがチャーミングポイント

石橋さん(エンジニア歴26年)

安達さん談:いつも私のお悩みを聞いて丁寧に答えてくれる素敵な人
小林さん談:朝出勤すると出来ていたり、困ったバグを直してくれていたりする「妖精さん」
北條さん談:私がこぼす大量のこぼれ球をもれなく(?)拾ってくれる頼りになるエンジニア

小林さん(エンジニア歴31年)

安達さん談:帳票まわりのFWをさらっと書いたりフロント得意だったり素敵な人
石橋さん談:フロントエンドの実装が好きで、凝ったこともよくやってるイメージです
北條さん談:楽しいエディタ論争にいつでもつき合ってくれるフロントエンドの魔術師

北條さん(エンジニア歴32年)

安達さん談:oj3プラグインを筆頭にいつも高い技術力をまわりに提示する素敵な人
石橋さん談:組込み系からAIまでなんでもござれな先輩
小林さん談:C++とemacsでできているがどんな技術も首を突っ込んでいて語ってくれる(しかも深い)

みなさんベテランすぎて同じぐらいの歴かと思いきや、10年も差があってびっくりしました。
ちなみにインタビュアーの石村は2010年代にはコードを書いていましたが今ではすっかり書かなくなってしまいました。会話に参加してくれた若手エンジニアの助けも得ながら進行していきました。

コードを書くときの「お供」は?

まず出てきたのは3人とも「煙草」という回答でした。
自席でもくもくしたり、フロア内にある喫煙室でもくもくしたり。時代を感じますね…!
今は野村ビル48階から地下までおりて行列に並ばないと喫煙室に入れないのですが、そういった環境変化もあってか煙草はやめたみたいです。

安達さんは銀行系の厳しい職場を経験した際に水で過ごす習慣ができており、今も水しか飲まないんだそうです。
最近は1時間に1回は立って、目をいたわるために遠くを見るようにしているそうで、3名の中で一番健康的でした。

小林さんの周辺でチョコエッグを集めるのが流行っていた時期もあったそうですが、お目当ては中身なので殻は余りがちだったというかわいいエピソードも教えてくれました。
石橋さんはちゃんと殻も食べていたそうです。

最近は石橋さんも安達さんと同じく水、小林さんはコーヒーということで昔よりは健康的になっているようです。
コーヒーは社内の自販機で無料で飲めるカロリー0のものを選んでいるそうなので、ちょっと健康的ですね。

初学時代・IT業界参入したてくらいにどう学習した?

書籍での学習

まずみなさん口をそろえて言っていたのは「書籍」でした。オライリーが人気。
当時はとにかくたくさん本を読んでいたそうです。
新書が入ったら嬉しそうに立ち読みしていたとのことで、想像するとなんだかかわいいですね。

書籍のほかには、メーリングリストを購読しての情報収集も主流だったようです。
当時はJavaなどメジャーな言語には大抵メーリングリストがあったそうで、その分野の有名な方ともそこでつながれたそうです。
メーリングリストなので初心者が情報を流すこともありますが、間違った情報が流れてきてもすぐに有識者が訂正してくれたそうです。
発信だけでなく質問や議論もできるため、感覚的には今のXに近いようです。
いろんなネットニュースやフォーラムも見ていたそうですが、聞いても全然名前がわからないものばかりでした。

今はWeb上の情報も以前よりは充実して、書籍でないと得られない情報が減っているため、書籍を読む頻度は減っているとのことです。
新しいものに触れる時やAI系だと概要をとらえるのにざっと読むそうです。

フレームワークの成熟

昔はオープンソースフレームワークが成熟しておらず、補完する形で自社フレームワークが作られていました。
ベースとしてはStrutsやSpringが使われていることが多かったようです。
(例えばSpringにトランザクションエンジンが入ってないので自作するなど)

GxPでは手作りエンジンを作った歴史が結構長く、2000年より前から北條さんが中心となって作成していたそうです。
業界のデファクトスタンダードが決まってきたのはApache Software Foundationが色々出していた2003年ごろだとか。
ただ、当時はフレームワーク自体の品質をよく確認して使う必要があり、フレームワークのコードを読み込んでから使うものだったそうです。

そういえば昔は一人前になりたければフレームワークのコードを読め!という意見を聞くことも多かった気がします。

ChatGPTの活用

みなさんも最近はChatGPT活用が増えているそうで、真偽を確かめながら利用するそうです。

真偽はどうやって確かめているのか尋ねてみましたが、「経験則」というワードが一番に出てきてしまいました。ぐぬぬ。
他には調べてみて世の中の情勢を確かめる、コードにあたるということをするそうです。

そういう点では昔よりもソースコードにあたるのが楽になったそうです。
以前はダウンロードして展開して該当箇所のソースコードを探していたそうですが、今はGithubでコードをちゃちゃっとみられるようになったと嬉しそうに語っていました。

触れられる情報が増えて、手を動かして確認する時間は相対的に減っているそうですが、逆に言えば当時はコードを書いて動かしてみないとわからないことが多かったということでもあるようです。

エキスパートの素養

そもそもエキスパートになると「動いたからOK」「ChatGPTがこう言ってました」みたいな回答では許されないことが多く、なぜその技術を使うのか、なぜそのつくりにするのか、といったことを説明する責任が生じます。
真偽を確かめ、比較をし、深掘りをして自分なりの結論を導いていくことになります。
また、それを説明する相手が納得するところまで確かめていく必要もあるため、自分の興味の範囲が狭いとしてもそれ以上に調査を行わなければならないこともあります。

そういったお仕事に自身でも興味を持って取り組んでいける知りたがりの才能があることは、数十年エンジニアとして生きるエキスパートに必要な素養だねという話をしました。
表層的なことだけでは生き残れない厳しくも楽しい世界で、例えばChatGPTに聞いても解決できなかったことに対しても自分で実験も重ねながら解決策を自分で見つけていく能力を養う必要があります。

若い頃に知っておいてよかったことは?

TCP/IPをやっていたのはよかったとのことで、その上のレイヤーは流行り廃りがあるが、ベースとなる知識は持っておくとよいようです。

また、いろんなプログラミング言語に触れてきたこと今に活きているとのことです。
新しい言語に触れる際は、それぞれの言語で方針が異なるため、その言語らしい書き方、その言語でのカッコイイ書き方ができる程度にやると引き出しが増えるそうです。
例えばC++をやっているがCの書き方をしているという状態だとC++に触れている意味がないんだそうです。
アセンブラに近い低級言語から高級言語への縦幅と、言語の種類による横幅の両面広げていくイメージです。
そうやって広げていると、解決できない課題にあたったとき異なる選択肢を思いつく引き出しが増やせるそうです。
コルーチンの処理の書き方なんかも言語特性が出やすいポイントなので注目してみるとよいそうです。
そういった知識があるとSwiftのSwitch文に対して関数型言語なのに、と違和感を感じるんだとか…。

ファッションでいうところのおしゃれな人になる

個人的にしっくりきた例えだったのですが、こういったエキスパートの素養や観点はファッションでいうおしゃれな人をイメージすると近いようです。

基礎やトレンドはある程度把握しつつ、自分のスタイルを持っている。
カッコ悪いと思われないようにカッコ良い仕事をしていく。

たしかにチームにそういう人がいなくても一応目の前の作業はできるのですが、そういう人がいるとチーム全体がワンランク上の仕事を行えるというイメージにも合っていると感じました。

エキスパート=ファッションリーダー!

コードレビュー時に「自分はこう書かないな」というPRはどうする?

これはある程度経験を積むと悩むポイントですよね。
「このままじゃ絶対ダメってことではないんだけど…」というときに、どこまで突っ込んで指摘をするか。
好みの問題もあるかもしれない、自分の知識が絶対正解と言える自信もない、でも気持ち悪い、といった感じなのかなと想像しました。

これについてはみなさん差し戻しはしないが、コメントはするとのことでした。
スルーはしないで「こういう書き方もあるよ」「こうしたほうがいいのでは」といったコメントをするそうです。
承認はしてしまうことも多いようです。
変更するかどうかは相手に委ねるが自分の知識は提供するということですね。

今の若手にぜひ伝えたいことは?

エモいこと言ってくれることを期待した質問だったんですが、
我々はある意味職人なので道具にはこだわってください!とのことです。
キーボードはHHKB、エディタはEmacs、など自分に合った良いものを使って楽しく仕事していきましょう!
(Emacsは日本ではエマックス、海外ではイーマックスで通じるそうです)

次回予告

参加者からリクエストがありましたので、きっと来年もやります!
徐々に年齢層を下げていっていろんな時代のエンジニアのこだわりをお届けできるといいなと思います。

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