はじめに
この記事は、IoTLT Advent Calendar 2022 への投稿記事です。
11月17日に開催されたVol.93の終了後、登壇者の雑談でフルーツパイの話題が少し盛り上がりました。
いちフルーツパイファンとして、私なりの精一杯の考察をしてみたいと思います。
技術記事ではなくフルーツパイをたたえるポエムですので、フルーツパイを愛でる方のみお進みください。
フルーツパイとは?
フルーツパイの定義
Raspberry Piは、もはや説明不要なくらい有名になりつつあるSBC(シングルボードコンピュータ)の筆頭格です。クレジットカードサイズの基板の上に、見た目以上にパワフルなCPUと各種I/Oを搭載し、有線/無線でネットワークに接続できるかわいかっこいい奴です。
もとは教育用に開発されましたが、今ではIoTシステムのコアとして様々な場面でエッジコンピューティングの担い手として活躍しています。
高性能かつリーズナブル、豊富なアプリケーションと技術情報など、使い勝手の良いRaspberry Piですが、最近はコロナ禍による半導体不足をきっかけとし、IoT向け需要の急増と重なってとても希少性が高いデバイスになってしまいました。
今や同じ重さの黄金と同じ、ほどではないものの、通常価格で買える天然物のRaspberry Piの姿を見かけることはほとんどなくなりました。
そんななかで、一部のユーザーたちはRaspberry Pi代替となる様々なSBCに目を付けています。SBC自体のニーズも教育用、IoT(情報収集)用、IoT(エッジAI用)、IoT(制御用)、IoT(サイネージ用)など多岐にわたるため、AI用のJetsonや高性能汎用用途のRockPiなど用途に応じた製品が開発、上市されています。
今回とりあげたフルーツパイとは、このようなSBC市場においてその至高かつ原初であるRaspberry Piへのリスペクトを忘れず、Raspberry Piと同じくフルーツの名前を冠したPiたちを指します。
様々なフルーツパイたち
美味しそうなフルーツパイたちはRaspberry Piを原点にしつつ、様々に進化を遂げています。
今回取り上げるフルーツパイはだいたいこのあたり。
(勝手ロゴ)
フルーツパイたちの見分け方
フルーツパイは多岐にわたりすぎて、どう違うのか、どのように使い分ければ良いのかが判らなくなりつつあります。
フルーツパイを愛でるにあたり、注目すべきスペックについて軽く説明します。
CPU(SoC)
cpuはだいたいARM、たまにRISC-V。
RV32とかRV64とか書いてあるとRISC-V。RISC-Vの方が名前はかっこいいけど同じ価格ならARMの方が強い。SBC用のCPUもマルチコア化が進んで、4コア当然、8コア上等になりつつあります。
SoCはCPUとかRAMとかFPUとかが一枚のチップに入ったもの。Allwiner、Rockchip、amlogicあたりが頻出。
ストレージ、RAM
使えるストレージは基本MicroSD、USBでもBootできることがほとんど。高級ボードのなかにはemmcとか場合によってはPCI-Eを持ってる可愛げのないやつも。RAMサイズを選べるのも最近の流行りのスタイル。
フォームファクタ
・クレジットカードサイズ
・ZEROサイズ
・もっと小さく
・欲張りすぎてあふれちゃった
などなど
I/O
・GPIO
だいたい40本ある。SPI、I2C、ADC、DAC、Digital IN/OUT、UART、PWMあたりに使えるけど、ときどき欠けてる。Raspberry PiもADC、DACは持ってない。
・各種専用コネクタ
USB、HDMI(full/mini/micro)、MIPI(カメラとかディスプレイ用)、audio、電源、などなど。
・エッジコネクタ/CM4コネクタ
組み込み的に使ったり、専用dockで拡張するタイプにはついてる。これが付いてるボードは単体ではつかえない(にくい)場合が多い。
無線通信
無線を持っているかどうか。フルーツパイを扱うにあたってもっとも重要なのがこのポイントです。(絶望ポイントでもあります)
ギテキィィィイイイイ!!
要注意! そもそもSBCじゃない!?
Piの名前がついているからと言って安心してると実はSBCじゃないってやつもいます。
でも、本家のRaspberry PiもPicoを出してるから文句を言ってはいけない。
代表的なフルーツパイたち(のロゴマーク)
たくさんの美味しそうなフルーツパイたちがあるので是非スペック比較などしてみたいのですが、多くのパイたちは諸事情により電源を入れられません。
ので、軽く(ロゴマークを)比較しておわります。
本家ラズパイ
もはや王者の風格すら感じさせます、Raspberry Pi。視認性もよく、いいデザインだと思うのですが、ずーっとみてるとブツブツ感がちょっと気になり始めます。。
推しはMango Pi
Mango piのロゴデザインはかわいくて本家越えかなと思います。筆者イチオシ!! ピンクのボードを作るあたり、デザインにもこだわりを感じます。
ZeroフォームファクタでARMコア、RISC-Vコアの2種類のフルーツパイを出している新興勢力です。今後にも期待。
どうしてこうなった Banana Pi
どうしてそこにBanana? フォント細すぎ、よく見るとバナナがいますがブルーの文字から浮いているので大文字の「B」ではなくて小文字の「b」にしか見えなくなっています。
クレジットカードサイズ、Zeroサイズ、CM4サイズの他、ESP-32 S3を載せたPICOサイズのマイコンボード、同じくESP-32を載せたMicro Bitサイズなど、やる気は一番ありそう。でもロゴもボードデザインもなぜかあか抜けない。そこがいい。
関係性が見えないけどこんなのも。これはいいかも?
種多すぎない? Orange Pi
Raspberry Piへのリスペクトが強すぎて、400(の数字)を超える800を出したOrange Pi。
SBCの種類も充実してやる気も十分なのですが、ロゴは脱力系すぎてどこから突っ込めばいいのか。。。
フォント、どうにかしてください。オレンジの色が浮いているので「Orange pi」じゃなくて「range pi」に見えます。オレンジの種多すぎ問題。オレンジの外周凸凹しすぎ問題。オレンジの小袋と外周凸凹のピッチがあってないくて気持ち悪い問題。葉っぱの書き方雑すぎ問題。
いろいろ課題が残りますね、やり直し!
主張しすぎない Lichee Pi
最小サイズのフルーツパイ。みんな大好きSipeedからも出てます。
半分剥かれたライチが美味しそうで、「早く食べてね♪」感を演出しています。好印象。
誰かロゴマーク考えてあげて Cherry Pi
Raspberry Piリスペクトのorange piクローンのCherry Piです。ロゴマークは見つけられませんでした。
まとめ
旬で食べごろのフルーツパイたちを紹介してみました。
諸般の都合により使用レポができないなか、フルーツパイたちの(ロゴの)魅力を最大限に伝えることが出来たと自負しています。
興味を持たれた方は、今回紹介したかわいいフルーツパイたちをクリスマスのオーナメントや正月飾りとしてもお楽しみいただければと思います。