AIエージェント
AIエージェントとは、従来のAIがユーザーの入力したプロンプトに対して、単に情報を提供するにとどまっていたのに対し、自ら行動し、ユーザーの目標達成を支援する新たな形態に進化したAIのことを指します。
Andreessen Horowitzは、次世代B2B SaaSが、ユーザーのコンテキストを理解し、自ら課題を解決するような高度な自動化を実現すると述べています。
引用: https://a16z.com/owning-the-workflow-in-b2b-ai-apps/
環境の変化を起点としたAIエージェントの必要性
AIエージェントが私たちの生活や業務に溶け込む時代が到来しつつあります。AIエージェントがより高度なタスクを自律的に実行するためには、ユーザーの指示だけでなく、ユーザーの環境変化にも柔軟に対応できる必要があります。
環境の変化とは、ユーザーを取り巻く様々な状況の変化を指します。例えば、
- 周辺環境: 部屋の温度、照明、音など
- 組織: 売上、顧客数、在庫状況など
- 設備: 機械の稼働状況、センサーデータなど
- 健康: 自分自身のバイタルデータなど
このような多岐にわたる環境の変化をAIエージェントが的確に捉え、それに応じたアクションを実行することが、理想的な未来の姿と言えるでしょう。
状況把握のための取り組み
環境の変化を把握するために、MCP(Model Context Protocol)などの新しいプロトコルが策定されています。しかし、既存のレガシーなソフトウェアやハードウェアから情報を収集することも不可欠です。これらのシステムは、異なるプロトコルやデータ形式を採用していることが多く、AIエージェントが直接利用できる状態ではありません。
Node-REDに再び注目が集まる理由
このような状況下で、Node-REDが再び注目を集めています。Node-REDは、様々なデータソースから情報を収集し、それらを加工・処理するための視覚的なプログラミングツールです。Node-REDの主な特徴は以下の通りです。
- 柔軟性: 豊富なノードライブラリにより、様々なデータ形式やプロトコルに対応可能
- 視覚化: ノードを繋ぎ合わせることで、処理フローを直感的に理解できる
- 拡張性: 新しい機能をカスタムノードとして追加できる
- 実績: 10年間の実績があり、この間に数十年も歴史のある古いプロトコルにも対応済
Node-REDを活用することで、レガシーなシステムから最新のIoTデバイスまで、様々なデータソースから情報を収集し、AIエージェントに提供することができます。これにより、AIエージェントはより精度の高い判断を下し、自律的なアクションを実行できるようになります。
まとめ
AIエージェントが真に自律的な存在となるためには、環境の変化に柔軟に対応できることが求められます。Node-REDは、そのための重要なツールの一つです。Node-REDを活用することで、レガシーなシステムとの連携を強化し、AIエージェントがより高度なタスクを実行できる環境を構築することができます。
更にその先の展望
更にその先の未来では、物理空間に対してAIエージェントのアクションがフィードバックされるようになると考えられます。具体的にはAIエージェントが自律的にロボット・機械・車両などに対して指示する未来です。この世界観においてもNode-REDは重要な役割を果たしていくことが期待されます。
AIエージェントに情報を与えるNode-RED、AIエージェントからの指示を橋渡しするNode-RED、いずれのユースケースも過去の豊富なNode-REDの活用事例がヒントになることでしょう。