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個人開発したアプリが大コケしてるので失敗要因を分析してみた

Last updated at Posted at 2019-12-11

本記事は 個人開発 Advent Calendar 2019 12日目の記事です。

はじめに

こんにちは!個人開発するSIerのaiiroと申します。
プログラミングを初めて1年ちょっとではありますが、3つアプリをリリースしまして
案の定、失敗してるなぁ・・・と感じているので、2019年の締めくくりとして失敗要因を分析したいと思います!

自分のアプリ開発のセンスが無さすぎる、、、という恥を晒す形にはなりますが
これから個人開発しようとしている人にとって、参考になれば嬉しいです!

作ったアプリと失敗要因

(1)漫画レコメンドアプリ「ComiReco」

概要

 プログラミング学習を始めるにあたって、まずは作りたいものを作ろうと思い、それなら漫画に関係するサービスにしたいなぁという思いからアイデアを検討しました。
 その中で「みんなでレコメンドしあえる漫画SNS」があると面白いのでは?という発想からこのアプリを作り始めました。
 紹介のお礼という形でポイントを贈りあい、ポイントを競い合ったり、という要素も入れてみたりしてます。

 これを作り始めた頃は「アル」という素敵な漫画サービスはなかったのですが、作ってる途中でリリースされたので、その時点で漫画特化型SNSの存在意義も失ったような気もします。
(比べることすら恐れ多いのですが・・・汗

スクリーンショット 2019-12-12 3.46.54.png
AppStore

技術要素

・Firebase/Auth(認証)
・Firebase/Storage(投稿画像をストレージに保存)
・Firebase/CloudFirestore(データベース)
・Firebase/CloudFunctions(メッセージ通知)
・Firebase/Cloud Messaging(メッセージ通知)
・DZNEmptyDataSet(空表示時のライブラリ)
・ALRT(アラートメッセージライブラリ)
・NVActivityIndicatorView(インジケーターライブラリ)

結果

 ダウンロード件数:41(1ヶ月あたり10)
 リテンション率:0%(4ヶ月間)
 現時点の月間利用ユーザー数(MAU):3

スクリーンショット 2019-12-06 13.27.51.png
スクリーンショット 2019-12-06 13.30.36.png

 すみません。僕の中では、もうすでに死んだサービスとして扱ってます(苦笑)
 「使ってもらえない」という現実は厳しいですが、こういう状況に直面すると、わりと精神的に堪えます。。。
 おそらく個人開発者の初リリースの乗り越えるべき壁かなと・・・。

失敗要因

  • そもそもユーザー投稿型でサービスが成り立つという高難度なサービスに初心者が手を出してしまっている。
  • ユーザー投稿型のサービスの場合は、リリース当初は運営者自身が積極的に投稿する等を行う必要がありますが、読んだ漫画を毎日ポストするようなパワーが自分にはなかった。
  • なので、自分でも使わないサービス(投稿しない)を作ったのが最大の要因
  • また利用者アンケートも有料で取ってみたら「他の漫画レビューサイトとの差別化がない」という意見もありました。

教訓

  • ユーザー投稿型サービスはコミュニティ運営と同じ。運営をし続ける覚悟を持って望むこと。
  • また「サービス稼働後、自分がほぼ毎日のように投稿できるか?」という観点で評価すること。

とはいえ、プログラミングを初めて学ぶ上では、かなり勉強になったし、そもそも作ることが楽しかったです。
作ったサービスを捨てることは通過儀礼として、作りきった自分を褒めて、墓場に入れることにしてます。

(2)メモからToDoリストを自動生成「買い物リスト」

概要

 ユーザー投稿型は難しいことがわかったので、個人開発者で稼いでる人達はどういうアプリで作っているのかなというのを調べはじめました。
 そうすると「ユーザー数に依存するようなサービスではなく、アプリ単体で課題解決が完結する(ツール系アプリ)」であり「利用者のマーケットが大きい(メモやToDoアプリ等誰もが使うもの)」というのが共通点かも!と、
 自分なりに仮設を立ててアイデアを考え始めました。

 その中で嫁ヒアリングも実施し「標準メモ帳で買い物リストを書いており、誤操作で消してしまって買い忘れるだよね」という話があがり、「じゃあメモ書いたら、Todoリストに自動作成するアプリ作る!」となりました。

スクリーンショット 2019-12-12 2.03.07.png
AppStore

技術要素

・RealmSwift(データベース)
・ALRT(アラートメッセージライブラリ)

結果

 ダウンロード件数:502(1ヶ月間あたり125)
 リテンション率:12%(4ヶ月後)
 現時点の月間利用ユーザー数(MAU):106

スクリーンショット 2019-12-06 14.01.28.png
スクリーンショット 2019-12-06 14.02.30.png

あれ?思ったよりも失敗じゃない・・・?

統計データから見られた面白い傾向としては

  • タイトルに「買い物リスト」とか「ToDo」というアプリ名称をつけたおかげか、インプレッションとしてそれなりの件数を獲得できてる。
  • あと7月にデザイナーさんに作ってもらったアプリアイコンに変えた瞬間にユーザーが伸びた。
  • 9月くらいから別アプリ開発のため、バージョンアップ等を一切しなかったのですが、その瞬間からユーザー数が落ちた。事実、当時は「買い物リスト」という検索キーワードでストアで上位に来ていたのが、徐々に落ちていってたので、初期ユーザの流入が減ったのも要因にあるとは思います。iOSアプリは、ストアからの流入がメインなので、更新頻度を上げるというのも必要かもしれません。

ユーザー数は割と良いかなと思ってますが、リテンション率が20%切っているということで、まだまだ改善余地ありかなと。

スクリーンショット 2019-12-06 14.07.09.png

失敗要因

  • バージョンアップ等の改善活動を怠り、利用者数の減少を招いてしまった。
  • つまりは、自分が熱中して改善し続けることのできないテーマを扱うアプリを作ったのが最大の要因

教訓

  • 身近な人の課題を解決してあげるアプリを作ることが、使ってもらえるアプリの第一歩。
  • アプリアイコンはアプリの顔。妥協せずに、時にはお金払ってでもデザイナーさんに作ってもらうこと。
  • アプリのバージョンアップを怠らないために、アプリで実現したい大きなビジョンを見据える。

ちなみにこのアプリの作成は、リリースまで実質2週間くらいしか使っておらず
利用ユーザー数から考えると、やはり「投下時間≠成果」ではないことを実感しましたね。。。

(3)漫画に特化した読書管理アプリ「コミックメモ」

概要

 「買い物リスト」で意外とユーザーを集めたことから、もしかしてツール系は意外と使ってもらえるんじゃないか?という思いを抱きました。
 興味のあるテーマの「漫画」でリベンジを誓い、漫画に特化した読書管理アプリを作ろうと思いました。
 既存のアプリをいくつかダウンロードして、使いづらさを感じたので、「自分が使いやすいものを作ろう!」という思いを持って制作にあたりました。

スクリーンショット 2019-12-12 3.54.25.png
AppStore

技術要素

・RealmSwift(データベース)
・ALRT(アラートメッセージライブラリ)
・DZNEmptyDataSet(空表示時ライブラリ)
・Cosmos(レーティングライブラリ)
・Charts(グラフ作成ライブラリ)
・XLPagerTabStrip(上タブライブラリ)

結果

 ダウンロード件数:54(1ヶ月あたり18)
 リテンション率:0%(3ヶ月間)
 現時点の月間利用ユーザー数(MAU):3

スクリーンショット 2019-12-06 14.37.07.png
スクリーンショット 2019-12-06 14.38.37.png
スクリーンショット 2019-12-06 14.39.43.png

んー、、ツール系アプリとしては、使われてないな〜・・・
インプレッションも低いので、そもそも読書管理ニーズが低いのかもしれません。
コンバージョン率はまだ良いので興味は持ってもらえてそうですが、リテンション率を見る限りは肝心のアプリがダメそう。

失敗要因

  • そもそも自分自身がいまも漫画をアプリで管理する習慣がない。ということは、自分自身においても読書管理する前に「読書管理するために漫画を登録するのがめんどくさい」という大きな課題を見落とした状態で、「どう管理するか?」に着目したアプリ設計にしてしまったのが要因。 (カスタマージャーニーのように行動の流れでサービス設計が必要だった)
  • また、他多くある漫画管理アプリ・サービスが有る中で、このアプリを使う圧倒的な差別化がなかった

教訓

  • アプリのコンセプト設計時において「そもそもめんどくさいことはしない」という前提にたって、ユーザーの課題を解決できているか?を評価する。  (今回の例だと、ユーザーが入力しなくても、自動で読んだリストが登録されるような方策を考えていくべきだった)
  • 明確に他のアプリやサービスとの差別化ポイントを一言で言えて、それが訴求できるか?を評価する。

個人開発者はヒト・モノ・カネ等のリソース面で弱い立場になるので、
コンセプト(アイデア)や最新技術等をうまく活用した「差別化・こだわりポイント」を研ぎ澄ます重要性を痛感しました。

まとめ

3つのアプリリリースの経験から、使ってもらえるアプリをつくるためのポイントとして

  • 身近な人の課題を解決してあげるアプリを作ることが使われるアプリの第一歩。
  • このサービスは他と何が違うのか、独自化・差別化ポイントを明確にして強調して尖らせる。
  • 長い時間をかけてアプリを育てていけるように実現したい大きなビジョンを持つ。

の3つを意識する必要があると感じました。

もろもろ総括して図示化するとこんなイメージです。
スクリーンショット 2019-12-12 3.04.13.png

もちろん収益化するまでには、僕は全然到達してないので、まだまだ道のりは長いです。。もっと頑張ろう。。

独自化・差別化を持つアプリにするには?

まとめで、独自化・差別化ポイントが重要と述べましたが、じゃあそれを持つためには?というのは
自分も今後の課題になってます。

最近、耳にした情報からではありますが
「守破離」の考え方が、駆け出し個人開発者には必要になんじゃないかなぁと思ったりしています。

「守:自分の好きなアプリや売れているアプリをまずは真似る」、その上で
「破:ユーザーの要望を聞いたりして改善する」、それら多くの要望から
「離:自分なりの判断基準で機能追加し、独自化していく」
という感じです。

来年はこういうのを意識するのもアリかなと漠然と思ってます。

おわりに

色々、教訓をポエム的に記しましたが
なにかウケるのか?を考えすぎちゃうと頭でっかちになるので、
個人開発である以上は、やっぱり「作りたいものを作る」という熱量を一番大事にすべきかなと思います。
その上で、ここに記したような教訓を参考にチューニングする手助けになってくれれば幸いです。

この2019年は個人開発という世界に足を入れ、たくさんの個人開発の活動を垣間見ることができました。
「モノづくりが好き」「サービスで一山当てたい」「転職のため」といった様々で異なる目的を持つ人達が、
個人開発という枠組み(船)の中で、自分のアイデアをもとにアプリやサービスを自由に作っていく仲間だと勝手に思っています!

なので、そんな個人開発を頑張る方々とぜひとも繋がり、
お互い切磋琢磨したいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします!
twitter

補足(12/14)

想像以上に反響があり、使われないながらも一生懸命時間かけてアプリ作った甲斐あったなぁと思いました。
いいね、押してくれた方もありがとうございます。
いくつかSNS等のコメントも見て、気付きもあったので補足させてもらいます。

  • 個人開発されたサービスはいつ終わるか分からないので使うの躊躇するよね、という意見。
    ⇒まったくそのとおりだと思う。だからこそ終わらせないように、個人開発する側も覚悟を持ってやる必要があって、その覚悟が(バージョンアップ等で)ちゃんと伝わって、きちんとユーザーも増えていくんだろうなと思います。
    最終的には、きちんと運営するためにバイアウトされるのもあるとは思いますし、「このひとが作ってるアプリだから使われる」というパターンもあるかなと思ったりします。

  • 流入とか分析の面では少し弱いよね、という意見。
    ⇒ご指摘どおり。定量的な分析もあまりないので、分析というのは少し誇張表現。タイトルも「失敗要因を考えてみた」レベルが正しいかなと。市場規模がXX人で、検索する対象ユーザーがXX人で、使い続けるのがXX人とおいてみて、じゃあ実際どうなの?というのが分析のやり方だとは思いますが、正直そこまでやりきれてないです。。数字に強いひとにはなりたいなーと思うこの頃。とはいえ、「誰かにとって欠かせないものになっているか?」という分析軸がすべての起点かなと思ったりします。

  • 企業でも大コケしてるんだから、個人はコケるに決まってるでしょ、という意見。
    ⇒だと思います。ただ会社で新規事業立ち上げするときに大コケしないように、個人開発でやってみてマーケティングやらを身を持って体験しながら学ぶ意味があるかなーと思い、コツコツとやってます。(なかなか会社で新規事業やるって機会もないので・・・)

補足(12/19)

Qiitaのメルマガ配信の効果もあって、計40000viewとなってます。びっくり!
己の失敗をここまで拡散するつもりはなかったので、恥ずかしい反面、いろんな方の参考になっているようで嬉しいです。

さて、3つのアプリが本記事によって、ダウンロード数伸びたのでは?と思われる方がいると思ったので
結果だけ申し上げると、読んで頂いた方のうち、約0.00025%程度の方がダウンロードしてくれました。笑

そしてユーザーはいつも無意識でも合理的な判断をしていて、売れないプロダクトは、認知されても売れないのでした。

こちらもあわせて参考になればと思い、補足しました!

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