記事の概要
私が作成したポートフォリオ、「GoodCoffeeByGoodBarista」を解説します。
なぜ作ったか、どう作ったか、今後どうしていくかをまとめました。
実際に作成したサイトやソースコードは下記のリンクからご覧いただけます。
GoodCoffeeByGoodBarista
GitHub
こちらの記事の書き方は下記の記事を参考にさせていただきました。
PHP+MySQLでポートフォリオ作成
なぜ作ったか
私は、愛知県名古屋市にある個人経営のカフェで、2年半ほどバリスタとして勤務しておりました。
ある時、バリスタの大会に出場したのですが、結果は惨敗でした。
バリスタは、生豆の仕入れからロースト、抽出までを全て個人で行い、それをプレゼンするのですが、超小規模店舗で勤務していた私は、生豆の仕入れルートもなければ高価な焙煎機もない、大会で使われる最新のエスプレッソマシンもない、練習に使うミルクも何百本と自腹で用意するしかない環境下で戦うしかありませんでした。
対して、大きな企業が経営するカフェに勤めているバリスタは、会社が持っているルートから最高品質の生豆を仕入れ、会社が用意する材料を使って、最新のエスプレッソマシンで毎日練習ができるのです。
私は、環境の差による大きな挫折を味わいました。
バリスタを辞め、エンジニアになるべく勉強をしていた私は、「エンジニアリングの力で、バリスタ業界を良くできないか」と考えるようになりました。
エンジニアのように気軽に転職をする事ができる文化があれば、スキルを身に付けたいバリスタはより大きな企業に転職できるし、大企業にいてスキルはあるけれどもっと個人の店舗で接客を身に付けたいバリスタの願いも叶えられる。
バリスタが、自分の所属する環境でスキルを身に付けられなかったり、夢を諦めたりしなくて良くなるのではないか。
そんな思いから、バリスタ版Wantedlyのようなサービスを作成し、私のポートフォリオとすることにしました。
スペック
言語
Ruby 2.5.3
フレームワーク
Ruby on Rails 5.2.2
CSSフレームワーク
Bootstrap4
データベース
MySQL 5.7
WEBサーバ
Nginx 1.15.8
開発環境
Docker 19.03.5
docker-compose 1.21.1
バージョン管理
Git 2.24.0
本番環境
AWS (EC2, RDS, ALB, Route53, S3)
主な機能
・バリスタ(カフェ)一覧表示
バリスタの一覧、またはカフェの一覧を表示します。
ログインしていなくてもアクセスできる仕様です。
・バリスタ(カフェ)を検索
バリスタの場合、性別で検索できます。
カフェの場合、店舗名、雇用形態、所在地で検索できます。
・バリスタ登録
バリスタはトップページから新規作成のリンクを踏むことでユーザー登録ができます。
入力内容は最低限必要な内容のみです。
入力に誤りがあれば、登録はされずエラ〜メッセージが表示されます。
・オーナー登録
オーナーはナビゲーションにある「採用担当者の方」というところからオーナー用のトップページに移動し、そこから新規作成画面に移動できます。
入力内容は最低限必要な内容のみです。
入力に誤りがあれば、登録はされずエラ〜メッセージが表示されます。
・バリスタプロフィール編集
登録では基本情報のみの入力なので、プロフィール編集で詳細な情婦を入力していきます。
上記のリンクから自分のプロフィールを確認しながら編集できます。
・オーナーカフェ情報編集
登録では基本情報のみの入力なので、プロフィール編集で詳細な情婦を入力していきます。
上記のリンクから自分のプロフィールを確認しながら編集できます。
・ログイン
ログインできます。
バリスタとオーナーではフォームが分けてあります。
・面談したい(面談に誘いたい)バリスタ(カフェ)に対してメールを送信
ログインしている状態で、気になるバリスタ(カフェ)の詳細ページから面談を申し込む(誘う)内容のメールを送る事ができます。
・退会
プロフィール編集の画面から退会できます。
開発手順
1.要件定義
今回作成するアプリに必要な機能は、
・バリスタユーザー登録機能
・オーナーユーザー登録機能
・ユーザー一覧表示機能
・ユーザー検索機能
・応募プロフィールや、求人情報作成機能
・面談応募(勧誘)機能
のため、ユーザー情報を保存しておくデータベースが必要であり、尚且つデータベースに保存した情報を動的に表示できるビューが必要です。
また、面談の応募(勧誘)にはメイラー機能を使いたいので、メール用のサーバーも用意する必要があります。
バリスタユーザーとオーナーユーザーで動線を分けたいので、わかりやすい動線づくりを心がけます。
2.環境選定
言語は、自分にとって技術的資産の多いRubyを選択しました。
よってフレームワークもRuby on Railsとしました。
データベースは、もっともメジャーに、広く使用されているMySQLを選択しました。
今回はバックエンド開発がメインだったため、フロントエンド開発の工数を減らす目的でCSSフレームワークを使用しました。
CSSフレームワークにはネット上に公開されている情報のリソースが多いことから、Bootstrapを使用しました。
WEBサーバーには、pumaとの連携が簡単で、かつネット上に情報のリソースが多かったNginxを使用します。
なお、これらの環境はDocker,docker-composeを使用して構築しています。
Dockerを使用したのは、最終的にCircleCIやcapistoranoを用いた自動テスト&ビルド&デプロイを行いたいと考えているためです。
そして、本番環境はAWSのEC2,RDS等を用いて構築します。
これは、個人的にAWSに興味があったため使ってみたかったのと、転職用のポートフォリオとして使用する際、クラウドにAWSを取り入れている企業様が多いと感じたことから、技術アピールができると考えたからです。
3.データベース設計
今回は、2種類のユーザーを作成する必要があるため、ユーザーモデルを一つ作成し、オーナーフラグがtrueかfalseかでユーザーを識別するか、ユーザーモデルを二つ作成してそれぞれで管理するかで悩みましたが、
今回は後者の方法でデータベースを作成することにしました。
理由は、私が参考にしている著書「達人に学ぶDB設計徹底指南書」にて、一つのモデルはなるべくシンプルにし、分けられるところは分けて管理するのが良いとされていたので、その教えを守る形にしました。
4.コーディング
コーディングの際に注意した点は以下の通りです。
・一つの機能を実装する度にRSpecでSystemスペックを記述する
・GitHubFlowを意識した開発(マスターブランチでの作業は基本的にはしない、擬似的にプルリクエストを作成して、マスターブランチにマージする -> リモートリポジトリの変更を、ローカルにpullする)
また、ユーザーをバリスタユーザーとオーナーユーザーに分けて実装していましたが、自身の練習もかねて、バリスタユーザーの登録や認証周りをdeviseで実装し、オーナーユーザーの登録はscaffoldで作成、認証は簡易的なsessionで実装しました。
ただ、ログイン状態のバリスタユーザーをcurrent_userで取得し、ログイン状態のオーナーユーザーをcurrent_ownerで取得するように実装したのですが、これはベストプラクティスではないように感じました。
次回また似たようなアプリケーションを作成する際は、この辺りのDB設計に関してきちんと見直す必要がありそうです。
この段階で、動作確認も兼ねてdevelopment環境でもAWSのS3に画像が保存されるように実装しました。
5.デプロイ
本番環境はAWSで構築しました。
docker-composeでアプリケーション用のコンテナ、Nginxのコンテナ、メイラーのコンテナを用意していたので、それらをまとめてEC2でビルド&実行するようにしました。
データベースはRDSを使用しています。
画像の保存には、S3を使用しており、こちらはproduction環境だけでなく、development環境でもS3に保存するようにしています。
また、今回はEC2は一つしか用意していませんが、後々HTTPS化するのに必要だったので、ALBを配置しました。
独自ドメインは、過去にブログを運営していたときにも利用していて使い慣れたお名前.comから取得し、Route53で設定しました。
AWSを使ったデプロイのために何冊も書籍を読み、様々な記事を読んだので、ネットワーク周りの知識がかなりついたと実感しました。
今後の改善点や追加実装について
アプリケーション自体としては、SNSログインや画像アップロードの際のプレビュー表示などを実装したいと考えております。
加えて、特にフォーム関連のUIを向上させたいと考えています。
具体的には、入力するべき項目をplaceholderでわかりやすくしたりできるかと考えております。
また、要件定義の段階から考えているCircleCIを使用した自動ビルド&テスト、capistoranoを使用した自動デプロイを実装していきたいです。
そのためにも、現在はCircleCIの公式ドキュメントを読みながら準備をしている段階です。
それから、AWSに関しても、画像の配信をCloudFlontで行うことで、より高速化を測ってみたいと思います。
参考文献
・Ruby on Rails5.2 速習実践ガイド
・プロを目指す人のためのRuby入門
・Docker/Kubernetes 実践コンテナ開発入門
・Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版
・ゼロからわかる Amazon Web Services超入門 はじめてのクラウド かんたんIT基礎講座
・Webを支える技術 ―― HTTP,URI,HTML,そしてREST
・リーダブルコード
・達人に学ぶDB設計 徹底指南書