作ったもの
-
自治体の過去の災害発生情報
Google Map
+ 国土数値情報ダウンロードサービス(河川と行政区データ)
+ 国土地理院、自然災害伝承碑のデータ
+ 自治体が作成している過去の災害情報
※(データは加工)
はじめに
作成物を画像、モザイクありにしているのは、
全てを公開しようとする場合、著作権等の問題をクリアする必要があるためです。
そのため、可能な限りの配慮をして自治体の名称等で特定できそうなものもなるべく隠してあります。地形でわかったり、調べれば出てくるとは思うのですが…。
これから、もしくはすでに作られている方の参考になればと思い、記事を書いています。官公庁等の情報を探すのは簡単なようで、割と時間がかかったり、アクセスするまでに面倒になって諦めることがあるので。
終わってから、まどろっこしいやり方だと思ったので、コードを書ける方なら多分もっとスマートというか簡単にできる方法はたくさんあると思う。
技術的な観点での記載は少ないことをご理解くださいませ。
Googleで作ったわけ
- ものすごく初歩的な技術知識しかないため、ネットで調べたりコードを書いたり、プログラムを組んだりすることに時間がかかる。
- とりあえず作ってみて、やりたいことの幅が増えたら知識をつけてみよう、という目標設定。
Google Mapとデータの活用
使ったもの
- Google Mapのマイマップ機能
- 国土交通省、国土数値情報ダウンロードサービス1
ー 水域、河川データ
ー 行政地域、行政区域データ(一番古いものと、一番新しいもの) - 偶然見つけた、国土地理院が公開している自然災害伝承碑のデータ2
- データを加工するため、QGISのダウンロード
- 自治体が作成していた、画像で表示されている過去の災害情報
作成前の段階で知っていること
- 過去に水害が多く、台風でかなりの被害が出た
- 大きな地震が起こるとされている、地元民が恐れている断層がある
- 平成の大合併前の市町村の名称とか、諸々の市町村の知識(→ ここ大事)
まず最初にしたこと。
過去の災害発生情報の確認。
自治体が公開している過去の災害情報のデータが画像表示だったため…(T_T)
エクセル形式が無理でも、pdfならまだわかる…
がしかし、画像データは…と打ちひしがれる思いのなか、SpreadSheetへひたすら打ち込み。
打ち込んで良かったことは、河川の情報や過去の地名等を覚えられたこと。
よくなかったことは、時間が溶ける。
- ついでに、町村ごとの災害まとめたデータも作る。
- → Google Mapで表示する際に、町村ごとを表示したいため
※冒頭の画像を参照
過去の災害情報は、当然のことながら災害発生当時の町村の名称で記載されているため、現在の行政区域と微妙に異なる。そのため、遡れるところまで町村の名称と区域を確認しないといけない。
国土数値情報ダウンロードサービのデータでも遡れる時点は限界があるので、データの一番古いものを読み込み(大正9年)、記載されている名称と過去の災害情報のデータを突き合わせる必要があるので、歴史関係資料を探してSpreadsheet等にまとめる。
ー 現町村, 旧町村, 災害種別, 概要, 詳細
現在は8町村(厳密に言うとoo市oo町の記載)だが、その町村になる前で27町村、さらにそれより遡ると50町村とかあったりする。
河川や区域の表示は、QGISというツールを使えばできそう。
→ 河川と行政区域のデータをサイトからダウンロード
→ QGISで読み込むと、県単位で表示されるので、不必要な市町村のデータは消しておく。
QGISの使い方は↓の記事を参考にさせて頂きました。
難しくないと思うので、使い方は割愛させて頂きます。
→ エクスポート(kmlファイル)し、一度Google Mapにインポート
→ 表示を確認し、一番古いものと現在の町村の区域を確認する
→ kmlファイル内で、行政区に線が引かれている数値が表示されている箇所を確認
(textエディタ等でファイルを開く。VSCode使いました。)
→ 行政区域のkmlファイルの中を少しいじり、町村ごと災害のデータを打ち込む
【例えば…】
- oo町.kml で保存
ー 過去の町村名で災害情報を記載し、古い区域データの数値を使う
ー 現町村名で災害情報を記載し、新しい区域のデータを使う - oo町
ー 上記と同じような感じで作成
→ 再度Google Mapで表示して確認
(Google Map側でも編集できるけれど、いちいち一個ずつ開いて編集が面倒)
<!-- 諸々のデータが表示されるので、ExtendedDataの中に表示されているものを削って、
編集して、災害情報を打ち込む。こんな感じと思ってください。-->
<ExtendedData><SchemaData schemaUrl="#1920">
<SimpleData name="No_001">都道府県</SimpleData>
<SimpleData name="No_002">市区(旧群)</SimpleData>
<SimpleData name="No_003">町村</SimpleData>
<SimpleData name="旧町村">災害発生当時の町村名</SimpleData>
<SimpleData name="災害種別">洪水</SimpleData>
<SimpleData name="西暦/月日">災害発生年/月日</SimpleData>
<SimpleData name="概要">簡単な概要を記載</SimpleData>
<SimpleData name="詳細">災害の詳細を記載</SimpleData>
</SchemaData></ExtendedData>
<!--ここから下に区域に線を引く数値が表示されているはず-->
各町村ごとに読み込むと、各レイヤに分かれ、その下の階層に災害情報が表示される。
(マイマップで表示できるレイヤは上限があるので、注意)
ただし、読み込んだ時点ではタイトルが入力されていないので、自分が表示したい好きなスタイルに応じて記載する。
個別の災害情報から編集画面を選択すると↓のように表示されて、各欄が埋まっているはず。ここから編集もできる。
ついでに…
国土地理院が公開している自然災害伝承碑のデータ(csvファイル)があるので、これをダウンロードしGoggle Mapへインポートする
Google Mapの設定からラベル付けができるので、石碑に近い見た目のものを選んで表示させる。
Google Mapでのアイコンの作成は↓の記事を参考に。
で、完成したのが冒頭の写真
自然災害伝承碑と河川の位置、災害発生の行政区域が重なったりするので、ハザードマップも大切だけれど、過去の災害から学べることも多い。
むしろ話には聞いたことがあった場所や、知らなかった箇所の水害があったので、見落とされている情報もあると思う。どれだけ伝承を頑張っても。
これを公開しようとするには
- まず法的な問題
- → 自治体が作っている過去の災害表は著作権が自治体にあるため、公開できない。(許可が取れる可能性はある)
- → 国土地理院の自然災害伝承碑データは公開して良いかの表示がないため、確認を取る必要がある。
- → Google Map だとダウンロードできる機能があるため、コンテンツの再配信ができる点からクリアできなさそうなので、違うMapのデータを使えば良さそう。
- 改善点
- → 河川の氾濫系が多いので、過去に氾濫した河川の色を分けたり線を太くしたくてスタイルでいじったけれど、その他に振られる河川があったので、現状だと一個ずつ(河川のラインを1本ずつ)編集するしかなさそう。
- → 災害情報については地元の資料館等へいけば詳細なものを知れそう (本が売っているらしい) なので、もう少し詳細なものを作れそう。
- → Google Mapの代わりを探していたら、MapboxやOpenStreetMapの存在を知ったので、これを使えば行けるかも。
-
国土交通省| 国土数値情報ダウンロード
https://nlftp.mlit.go.jp/index.html ↩ -
国土交通省国土地理院 | 自然災害伝承碑
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/denshouhi_datainfo.html ↩
いずれ自治体がこうしたものを作る可能性は十二分にあるにせよ、公開できたら良いなと思う。
もしくは、出水期等に避難準備や避難勧告が出そうなタイミングで、SNSアカウントからつぶやく手段もあるかなと考えている。