Ubuntu で KVM をインストールしたり仮想マシンを構築したりする記事は多いけれど、その先の、実際に使える設定にする情報が少なくて苦労したので備忘録として。
Ubuntu に KVM 入れて仮想マシンを立ち上げるところまでは済んでいるものとします。
ssh 等でホストにログインしたら、
$ virsh edit 仮想マシン名
で設定 XML を開いて編集していきます。
あ、編集中は仮想マシンはシャットダウンしておいてください。
ゲストを2画面にする
<video>~</video>
を2ブロック記述すれば2画面になる。
<video>
<model type='qxl'/>
</video>
<video>
<model type='qxl'/>
</video>
以上。
これだけだと記事としてあまりに短すぎるので、SPICE 接続が便利になる小ネタを少々。
SPICE で接続できるようにする
まずは graphics ブロックを編集し、SPICE接続できるようにします。
ポート番号はお好みで。VNC とかと重複しないようにだけ注意してください。
<graphics type='spice' port='5900' autoport='no' listen='192.168.000.000' passwd='パスワード'>
<listen type='address' address='192.168.000.000' />
</graphics>
クリップボード共有をオフにする
一般的にはあったほうが便利な機能だけど、諸般の理由で無効にしたいこともあるので。
<graphics type='spice' port='5900' autoport='no' listen='192.168.000.000' passwd='パスワード'>
<listen type='address' address='192.168.000.000' />
<clipboard copypaste='no'/>
</graphics>
ファイルの転送をオフにする
<graphics type='spice' port='5900' autoport='no' listen='192.168.000.000' passwd='パスワード'>
<listen type='address' address='192.168.000.000' />
<clipboard copypaste='no'/>
<filetransfer enable='no'/>
</graphics>
画面転送を quic にする
<graphics type='spice' port='5900' autoport='no' listen='192.168.000.000' passwd='パスワード'>
<listen type='address' address='192.168.000.000' />
<clipboard copypaste='no'/>
<filetransfer enable='no'/>
<image compression='quic'/>
</graphics>
ここからはクライアントでの作業。
クライアントとは、サーバーでもゲストでもなく、手元にある作業用パソコンのこと。
virt-manager (Remote Viewer) はインストールしてあるものとします。
いちおうダウンロード場所→ https://www.spice-space.org/download.html
接続先情報をテキストに保存する
メモ帳を開いて以下を記述する。
[virt-viewer]
type=spice
host=192.168.000.000
port=5900
password=パスワード
名前を付けて保存する。ファイル名の拡張子は「vv」。
パスワード丸見えなので扱いには注意してください。
接続用ショートカットを作る
Remote Viewer のショートカットをデスクトップ等に出す。
ショートカットアイコンを右クリックしプロパティを開いたら、「リンク先」に追記する。
"C:\Program Files\VirtViewer v11.0-256\bin\remote-viewer.exe" --auto-resize never "仮想マシン.vv"
警告
仮想マシン.vv はフルパスで指定してください。
通常の SPICE 接続だと、
パスワードを入力してゲストに接続する
→ 解像度が自動リサイズされる
→ auto resize のチェックを外す
→ ゲストの解像度を戻す
の手順が面倒すぎるので、接続情報ファイルとショートカットで一発接続を実現しました。
このショートカットをダブルクリックしてゲストに接続すれば、パスワード入力が不要で、仮想マシンの解像度も変わらない。