読書メモ 『バリュー・プロポジション・デザイン』
- バリュー・プロポジション・デザイン Value Proposition Design 顧客が欲しがる製品やサービスを創る
- 翔泳社
- 2015/4/17
- Alexander Osterwalder 、Yves Pigneur 、Gregory Bernarda 、Alan Smith
- 関美和 訳
- https://www.amazon.co.jp/dp/4798140562/
メモ
- 2020/02-03
バリュー・プロポジション Value Proposition
- 価値創造
- 自社だけが提供でき、他者が提供できない、お客様が求める価値
- お客様が買う理由
活用のポイント
- 出発点は「自社の強み − コア・コンピタンス」を考えること
- 顧客課題、解決策に基づく商品企画
- 顧客から得る学びにより、「学ぶ喜び」から仕事をやりたいこと化する
利用するツール
- バリュー・プロポジションキャンバス
- ビジネスモデルキャンバス
-
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書
-
翔泳社
-
2012/2/10
-
Alexander Osterwalder、Yves Pigneur
-
-
ビジネスモデルキャンバス
- 顧客セグメント
- 価値を創造して届けたいターゲットの集団、組織
- バリュー・プロポジション 価値提案
- 特定の顧客セグメントにとっての価値のあるもの
- チャネル
- コミュニケーション、流通、販売の方法
- 顧客との関係
- 顧客との関係構築、維持の枠組み
- 収入の流れ
- 認知の結果組織に価値を取り込む方法
- おもなリソース
- 提供に必要な資産
- おもな活動
- 提供のために実行しなければならない活動
- おもなパートナー
- サプライヤーやパートナーなどの外部リソース
- コスト構造
- 運用で発生するすべてのコスト
- 利益
- 総収入から総コストを差し引いたもの
バリュー・プロポジションキャンバス の要素
- カスタマープロフィール 顧客プロフィール
- バリューマップ
- → フィット
カスタマープロフィール Customer Profile
- カスタマージョブ 顧客の仕事
- 人生や職業を通して成し遂げたいこと
- 機能的な仕事 : 果たそうとしている具体的な任務、解決したい特定の問題
- 社会的な仕事 : よく見られることや、権力、ステータスを得られること
- 個人的/感情的な仕事 : 気分が向上したり安心すること
- サポート的な仕事 : 購入や消費のサポート的な役割 − 買う、創る、廃棄、移譲、転売、完了
- 仕事の環境 : 行為の環境要件
- 仕事の重要性 : 重要度、頻度、影響
- 人生や職業を通して成し遂げたいこと
- カスタマーペイン
- 顧客を取り巻く悪い結果、リスク、障害
- 望ましくない結果、問題、特徴 : 機能、感情、付随的なこと
- 障害 : 妨げ、遅れ
- リスク : 失敗の可能性、負の側面
- 悩みの深刻さ : 重要性
- 顧客を取り巻く悪い結果、リスク、障害
- カスタマーゲイン
- 顧客が達成したいこと、期待する具体的な恩恵
- 必要不可欠 : 基本機能
- 期待 : 比較的当たり前に備わっていること
- 望ましい : あればありがたいこと
- 予想外 : 期待を超えるもの、顧客の想像を超えたもの
- 必要性 : 深刻度
- 顧客が達成したいこと、期待する具体的な恩恵
バリューマップ Value Map
- プロダクト アンド サービス
- 製品、サービスのリスト
- 物理的、目に見えるもの
- 目に見えないもの
- デジタル
- 金融商品
- 製品、サービスのリスト
- ペインリリーバー
- どのように顧客の悩みを取り除くか
- 時間、お金、労力の節約
- 気晴らし、不満の種の解消
- ソリューションの改善、品質の向上
- 問題、障害の解消、手順の簡易化
- 負の社会的影響の解消、信頼、権力、ステータス損失回避
- リスクの排除、財務、社会、技術的なリスクの軽減
- 安心向上、心配軽減
- ミス、誤りの削減
- 価値提案、初期コストなどの障害の排除
- どのように顧客の悩みを取り除くか
- ゲインクリエイター
- 製品、サービスの顧客に対する恩恵
- 時間、お金、労力の節約
- 期待通り、期待以上の結果、効果
- 機能、性能、品質において既存価値を超えたユーザーメリット
- 利便性、アクセス、所有コストを改善により顧客の生活を楽にするもの
- 顧客の評判、ステータス、権力に前向きな影響を与えるもの
- デザイン、保証、特定の機能などにおいて顧客の要求に応えていること
- 目標達成や悩み軽減などにおいて顧客の夢が叶うこと
- コスト、投資、リスク、品質、性能、デザインにおける顧客の導入のしやすさ
- 製品、サービスの顧客に対する恩恵
フィット Fit
- カスタマープロフィール と バリューマップ の各項目を照らし合わせて解決している項目、解決していない項目を分類する
3種類のフィット
- 理論
- 問題と解決のフィット : 特定の重要なジョブ、ペイン、ゲインを発見したとき
- 市場
- 製品と市場のフィット : 製品、サービスが市場に顧客価値を提供し、市場で求められているとき
- 利益
- ビジネスモデルのフィット : 価値提案が可能なビジネスモデルに組み込めるとき
デザイン、検証、繰り返し Design、Test、Repeat
- プロトタイプのデザインと検証の繰り返し
アイディアをカタチにする
- アイディア、出発点とインサイト(洞察)
- どこからはじめてもよい
- プロトタイプと顧客調査と検証の繰り返しで初期のアイディアは大幅に変わる
- プロトタイプをつくる
- 手早く粗いプロトタイプをつくる
- 顧客を理解する
- データを掘り起こし、顧客と話し、顧客の世界に没頭する
- 価値提案を早い段階で顧客に見せない
- 顧客にとって本当に重要なことを掘り起こす
- 厳格なテストに耐えうる価値提案を試作する
優れたボリュー・プロポジションの10カ条
- 優れたビジネスモデルに組み入れられている
- 顧客にとって重要な仕事、ペイン、ゲインに目を向けている
- まだ熟成されていない仕事、解決されていない悩み、実現されていない利得に注目している
- 少数の仕事、ペイン、ゲインにうまく的を絞っている
- 機能的な仕事だけでなく、感情的な仕事や社会的な仕事にも対応している
- 顧客の成功の基準と一致している
- その仕事、ペイン、ゲインを解決したい人が多いか、その価値提案に高額の代金を支払う人がいる
- 顧客にとって重要な仕事、ペイン、ゲインの点で、ライバル会社と差別化できている
- 少なくともひとつの面でライバル会社を大きく引き離している
- 模倣が難しい
プロトタイピング Protptyping Possibilities
- 手早く粗い実験的模型を創り、選択肢を探る
- バリュー・プロポジションをカタチにし、最も有望なチャンスを見つける
- さまざまな価値提案とビジネスモデルの人気、実現可能性、実用性を探る
プロトタイピング の10カ条
- 具体的に目に見える形にする
- 新鮮な目を持つ
- 既存の知識に惑わされない
- 差異そのアイディアにひと目ぼれせず、他の選択肢も考える
- 拙速にひとつのアイディアを詰めず、他の選択肢も考えたり深堀りする
- 流動的な状況を受け入れる
- 初期に正しい方向はわからないため、早い段階で固定しない
- 最初は革新を持たず、繰り返し元に戻り、アイディアを磨く
- 作り込みすぎて捨てられなくならないように、大まかに手早く、お金をかけずにつくる
- 早めに作品を披露し、批評を求める
- 批判は改善の母
- 初期に頻繁にお金をかけずに失敗することで素早く学習する
- 創意工夫する
- 社内や業界内の慣習を打ち破る
- 「シュレック模型」をつくる
- ふつう作らなそうな極端、とんでもないプロトタイプにより議論と学習を刺激する
- 学習、洞察、進捗を記録する
- 初期のアイディアが後に必要になることがある
即興で手軽に方向性を書き出す
即興テンプレート
- Our ___ help(s) ___ who want to ___ by ___ and ___. (unlike ___)
- 私達の ___ は、 ( ___ と異なり) ___ と ___ によって ___ をしたい ___ を助けます。
- 私達の(製品、サービス)は、(アクション)と(アクション)によって(成すべき仕事)をしたい(顧客セグメント)を助けます。
ビジネスモデルを評価するための7つの質問
- スイッチング(乗り換え)コスト
- 他企業、他サービスへの乗り換えはどのくらい簡単か
- 継続収入
- 何かの販売によって追加する継続的な売上や購買があるか
- 売上とコスト発生のタイミング
- コストが発生する前に売上を得ているか
- 革命的なコスト構造
- コスト構造がライバルに大きな差をつけているか
- 外部の助け
- 顧客や外部の人が無償で価値を提供してくれるか
- 規模拡大
- どのくらいの規模拡大が可能か
- ライバルへの障壁
- 競合他社に対する障壁はどの程度か
検証における10の原則 10 Testing Principles
- エビデンスは意見に勝る
- 自分、上司、投資家、その他の意見よりも市場エビデンスが重要
- 失敗を受け入れることで、素早く学びリスクを減らす
- お金をかけずに早期に失敗することにより、学びは大きくリスクを減らす
- 早期にテストし、後で改良する
- 実験と現実が食い違うこともある
- 実験は優れたものだが現実と一致するわけではない
- 学習とビジョンのバランスを取る
- ビジョンを諦めずにテストの結果に取り入れる
- アイディアの決定的な欠陥を見つける
- 最初にいちばん重要な前提を検証する
- 顧客を理解する
- 顧客の仕事、ペイン、ゲインを検証し、それから何を提供できるかテストする
- 計測できる形で検証する
- 優れた検証は計測可能な学習につながり、実行可能な洞察が生まれる
- すべての証拠が信頼できるとは限らない
- 取材相手が言葉通りに行動するとは限らないため、エビデンスの信頼性について考える
- 取り返しのつかない決定についてはとくに念入りに検証する
- 取り返しのつかない影響を与える決定については特に念入りに情報を集める
気付き
- プロトタイピング、テストのフェーズはなるべく安価に素早く行い、早期に失敗するべき
- シュレック模型 のような拡散の手法が存在する
- 市場エビデンスは誰の意見よりも重要
ToDo
- 新規サービスについて以下を実践する
- カスタマープロフィール の作成
- バリューマップ の作成
- 即興テンプレート の作成
- 姉妹本 『ビジネスモデル・ジェネレーション』 も一読する
感想
- 本書の凝ったデザイン・レイアウトに慣れるまでに全ページの1/3を読み進める必要があった