はじめに
Aerospikeを使ってみたいと思ったとき、通常はLinuxサーバかEC2のインスタンスなどのLinuxの環境が必要になります。
でももっと簡単に使ってみたい時は、WindowsやMacでAerospikeを動作させることができます。
今回は、WindowsでEnterprise EditionとCommunity Editionを動作させる方法を説明します。
環境構築
WSL 2 (Ubuntu)のインストール
今回はDockerでAerospikeを動作させます。
Docker環境はWindowsにDocker Desktopをインストールすることもできますが、ここではWindows上にLinux環境を作成するWSLを使用します。
以下を参考に手順を記載します。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/install
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管理者モードでPowerShellを開きます。
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以下のコマンドを実行します。
wsl --install
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Windowsを再起動します。Ubuntuの画面が表示され、ユーザ名とパスワードの入力を求められるので入力します。
Ubuntu環境の設定
以下を参考に手順を記載します。
https://docs.docker.com/engine/install/ubuntu/
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Ubuntuを起動し、パッケージのアップデートと必要なパッケージのインストールを行います。
sudo apt-get update sudo apt-get install ca-certificates curl gnupg sb-release
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GPGキーの追加と設定を実施します。
sudo mkdir -p /etc/apt/keyrings curl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/docker.gpg echo \ "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/docker.gpg] https://download.docker.com/linux/ubuntu \ $(lsb_release -cs) stable" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/docker.list > /dev/null
dockerのインストール
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パッケージの更新とDockerのパッケージのインストールを行います。
sudo apt-get update sudo apt-get install docker-ce docker-ce-cli containerd.io docker-compose-plugin
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Dockerサービスの開始と動作確認を行います。
sudo service docker start sudo docker run hello-world
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Docker Composerをインストールします。(今回は不要ですが、今後のためにインストールしておきます。)
sudo apt install docker-compose
以上で、準備は完了です。
Aerospikeの実行
次にAerospikeを上記のインストールしたDockerで実行します。
実行は、Community Edition、Enterprise Editionについて記載します。
また、Aerospike社と契約しFeatures Keyをお持ちの場合についても記載します。
Docker Hubの確認
Aerospikeのイメージを、以下のDocker Hubで確認してください。
https://hub.docker.com/_/aerospike
2022年12月27日の時点の最新版は、両Editionとも6.1.0.3ですので、以下は6.1.0.3として記載します。
Aerospikeの起動
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Community Editionを起動する場合は、以下の通りです。(nameは適宜変更してください。)
sudo docker run -d --name aerospike_ce -p 3000-3002:3000-3002 aerospike:ce-6.1.0.3
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Enterprise Editionを起動する場合は、以下の通りです。 (nameは適宜変更してください。)
sudo docker run -d --name aerospike_ee -p 3000-3002:3000-3002 aerospike:ee-6.1.0.3
上記の場合、試用ライセンスのためノード数が1つに制限されますが、すべての機能がご利用いただけます。
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お持ちのFeature-Keyを指定してEnterprise Editionを起動する場合は、以下の通りです。 (nameは適宜変更してください。)
sudo docker run -d -v [DIR]:/opt/aerospike/etc/ -e "FEATURE_KEY_FILE=/opt/aerospike/etc/features.conf" --name aerospike_ee -p 3000-3002:3000-3002 aerospike:ee-6.1.0.3
[DIR]にはローカルのUbuntuのディレクトリを指定し、そのディレクトリに事前に保有のfeatures.confを保存してください。
必要に応じて以下を実行し、上記のコンテナにログインしてください。
sudo docker exec -it [コンテナ名] /bin/bash
補足
Community EditionおよびFeature Keyをお持ちの場合は、複数ノードでご利用いただけます。
Dockerでの複数ノード構成は、ご利用方法によって最適な方法が違ってきますので、いくつかのパターンについて、今後、投稿します。
最後に
上記では、Windows11上のWSLでの実行を説明しましたが、Windows11上のDocker DesktopやMacのDockerでも同様にAerospikeを実行することができます。
まずは、お気軽にAerospikeを使ってみてください。
次の記事では、CRUDの操作や管理の方法を説明します。