C/C++エンジニアになるには
C言語やC++は、代表的なプログラミング言語の1つです。古くから使われていた言語ということもあり、名前を知っている方も多いでしょう。
多くのシステムを開発できることもあり、チャレンジしたいとお考えの方もいると思います。
一方でC言語やC++は、習得の難易度が高いことでも知られています。安易な気持ちで学習に取り組むと挫折しかねませんから、準備をしてから学ぶことが必要です。
1)C/C++エンジニアって、そもそもどんな仕事?
C言語やC++エンジニアとして働くならば、どのような言語か、また働く条件やどのようなプロジェクトで活躍できるかという点を知る必要があります。
広く社会に役立つ言語ということがわかれば、学習の意欲もわくでしょう。ここでは働くうえで知っておきたい内容を取り上げ、解説を進めていきます。
C/C++言語の概要
C言語は1972年に開発されたプログラミング言語であり、以下の特徴があります。
・OSに依存せず、さまざまなシステムを開発できる汎用性の高さ
・高速な処理速度
・半世紀以上活用されている信頼性の高さ
一方でC++は1983年に開発されたプログラミング言語で、C言語に「オブジェクト指向」の考え方を取り入れたものです。C言語と併用して使えることも特徴の1つです。
どちらもコーディングの後は「コンパイル」という作業を行い、実行ファイルを作成する必要があります。この手順を踏むことで、高速なプログラムの実行に役立っています。
C/C++エンジニアの仕事内容は──
C言語やC++はOSや業界に依存しない汎用性の高さが魅力であるため、エンジニアはさまざまな業界のシステムに関わることができます。
また歴史の長い言語であるため、新規開発だけでなく既存システムの保守や更新の仕事が多いことも特徴です。このため流行にあまり影響されず、安定した仕事があることはメリットの1つにあげられます。
新規開発ではスケジュール通り開発すること、保守や更新のプロジェクトではすでに稼働しているシステムに悪影響を与えないことが求められます。
特に保守プロジェクトでは、トラブルへのスピーディーな対応を求められる場合も多いことに注意が必要です。
一方でC言語やC++は、大規模プロジェクトに使われやすいという特徴もあります。社会を動かすプロジェクトに関われる可能性があることは、やりがいを感じる要因の1つといえるでしょう。
C/C++エンジニアの待遇・年収、およびC/C++エンジニアを求めている業界やサービスは──
C言語やC++エンジニアとして働くならば、待遇や年収も気になるものです。また汎用的な言語といっても、使われやすい業界はあります。ここではそれぞれについて、詳しく解説していきます。
C言語・C++エンジニアの待遇や年収
C言語やC++は、以下の業界やサービスで求められています。
・家電業界
・自動車メーカー
・機械メーカー
・ロボットの開発
・ゲーム業界
・OSの製作
いずれも高い処理速度や言語としての実績、および信頼性の高さが評価され、開発言語に選ばれているものです。動作ミスが許されないシステムに多く活用されているといえるでしょう。
2)C/C++エンジニアに必要な知識・スキルは?
C言語やC++エンジニアとして転職し仕事を行うには、必要なスキルが4つあります。その項目を、以下に示します。
・メモリや組み込み系OSなど、コンピュータやOSに関する知識
・チームで円滑に開発を進めるためのコミュニケーション力
・もちろん、C言語やC++で開発できるスキルも必要
・C++の場合は、オブジェクト指向の概念も習得する必要がある
いずれも仕事を行う上では欠かせない内容です。それぞれなぜ必要か、順に解説していきます。
メモリや組み込み系OSなど、コンピュータやOSに関する知識
C言語やC++には、「ポインタ」と呼ばれる機能があります。
この機能はコンピュータを動作するために欠かせないハードウェアの1つ、「メモリ」に格納されている値を直接操作できます。このため正しく実装するためには、メモリなどコンピュータを構成する部品や機能について、正しく理解することが欠かせません。
加えてC言語やC++は、家電や機械などに代表される「組み込み系のシステム開発」でもよく使われます。
組み込み系システムにはWindowsやLinuxなどの汎用OSだけでなく、TRONなど組み込み系専用のOSも使われます。そもそもコンピュータはOSがないと動作しませんから、C言語やC++で転職したい方は組み込み系OSに関する知識も求められます。
チームで円滑に開発を進めるためのコミュニケーション力
C言語やC++はシステムの規模が大きくなりがちですから、チームでの開発がよく行われています。そのため一人前のエンジニアとして認められるためには、コミュニケーションを円滑に進められるスキルも求められます。
もちろん仕事に求められるコミュニケーション力は、友人関係の継続に必要なスキルとは異なります。プロジェクトで足を引っ張らないようにするためには、以下のスキルを身につけておく必要があります。
・相手の発言をきちんと聞き、正しく理解する
・報告など必要なことは遠慮せず、適切なタイミングできちんと伝える
・正しく伝わるように、簡潔・明快な表現を心がける
社内の評価が上がってきたら、社内のプロジェクト関係者や社外の協力会社、取引先と交渉する機会も発生します。転職時に間に合わせる必要はありませんが、交渉のスキルも身につけておくと将来に役立ちます。
もちろん、C言語やC++で開発できるスキルも必要
C言語やC++エンジニアとして働くならば、もちろん言語そのものも知っておく必要があります。小規模でも自力で設計・開発し、動作するものを作成することが求められるでしょう。
どの程度のスキルが求められるかは、「プログラミング言語は多いのに、このプロジェクトではどうしてC言語やC++を選ぶのか」という観点で考えると、わかりやすいでしょう。
C言語やC++が選ばれる主な理由の1つに、スピードがあげられます。この機能を実現するには、ポインタの理解がキーポイントとなります。
ポインタは、C言語やC++を理解する上で大きな壁となっていることは事実です。しかし言語の特性を発揮できる重要な機能ですから、最低でもこの点はマスターしておかなければなりません。
C++の場合は、オブジェクト指向の概念も習得する必要がある
C++はC言語と異なり、オブジェクト指向に対応するという特徴があります。これにより、「共通部分は1つのクラスにまとめ、機能により異なる部分はそのクラスを継承して差分だけ記述する」といったコーディングが可能 となります。このためC++を習得して転職したい方は、オブジェクト指向の概念も習得しなければなりません。
もしJavaなどオブジェクト指向に対応する言語を学んだことがある方は、その知識を使えばよいでしょう。
一方でプログラミング言語未経験の方は、オブジェクト指向の概念から学ぶ必要があります。
この習得を怠るとかえってC++を理解しにくくなりますから、手を抜かず理解できるまでしっかり学びましょう。
3)未経験からC/C++エンジニアを目指す際に意識したい4つのポイント
未経験の方がC言語やC++エンジニアを目指すならば、ぜひ意識しておきたい4つのポイントがあります。
・Webシステムに関する知識はしっかり持っておく
・C/C++で実際にコードを書き、ポートフォリオを完成する
・難しそうと感じた方は、無理せずスクールの活用も検討を
・IT業界に強い転職エージェントを活用する
いずれも後で挫折したり、転職後に後悔したりしないためには重要な項目です。それぞれのポイントについて、順に解説していきます。
Webシステムに関する知識はしっかり持っておく
いまや業務システムでも、クラウドを使ったシステムやWebを介したシステムが全盛の時代です。
古くから使われてきたC言語であってもこの流れに無縁ではなく、WebシステムやWebアプリの開発案件に携わる可能性があります。
また組み込み系OSは一見Webと無縁のように見えますが、近年ではインターネットに接続してスマホから操作指示を受けるといった家電もありますから、Webと無縁ではいられません。
このため「CやC++エンジニアだから、Webやクラウドは関係ない」という姿勢は、好ましいものではありません。
たとえばスピードが求められるシステムでは、CやC++が採用される場合もあります。
またC++では、スマホアプリの開発を行う場合もあります。アサインされた後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、Webシステムに関する知識をしっかり持っておきましょう。
C/C++で実際にコードを書き、ポートフォリオを完成する
C言語やC++エンジニアとして転職を実現するなら、実際にコードを書くことが欠かせません。
参考書やテキストで学ぶだけでなく、学んだことをもとに積極的に手を動かし、オリジナルのシステムを作成することが上達への近道です。
自力でプログラミングすることで、システム構築に必要なプロセスも学べます。
自分自身でシステムをつくることは、今後面接する企業に対して「C言語やC++エンジニアになりたい!」という意欲のアピールにもつながります。
実際に動くシステムをポートフォリオに含めることで、企業の担当者はあなたの実力を知ることができますから、採用への近道ともなります。
難しそうと感じた方は、無理せずスクールの活用も検討を
C言語やC++は、数あるプログラミング言語のなかでも難易度が高いです。
覚えるべき内容が多いことは、その1つにあげられます。また注意して実装しないと、簡単に「動かないシステム」ができてしまったり、コンピュータを止めてしまったりします。このため独学では、多くの方が挫折しがちです。
したがってC言語やC++の場合、「難しそう」と感じた方は無理して独学しないことが得策です。
効率よく、またやる気を保ちながら学習を進めるためにも、スクールに通うことを検討するとよいでしょう。
またC言語やC++を使いこなすにはコンピュータの内部構造も理解しておく必要がありますから、この点も学べる講座を選ぶと効果的な学習が可能です。
ITエンジニアの転職に強い転職エージェントを活用する
同じC言語やC++エンジニアでも、その力量は人それぞれです。
そのため熟練のエンジニアを求める企業に初心者が入ってしまうと、求められるレベルの高さについていけないおそれもあります。したがってC言語やC++の未経験者がよい転職を目指すならば、無理なく働ける企業を選ばなければなりません。
この課題を解決するためには、ITエンジニアの転職に強い転職エージェントに相談することがおすすめです。
転職エージェントは、企業が求めるスキルや転職市場の状況を熟知していることが強みです。また案件も豊富に持っているため選択肢も多く、あなたに合った企業を紹介しやすいこともメリットにあげられます。
4)未経験からC/C++エンジニアを目指す際におすすめの転職エージェント5選
あなたが未経験からC言語やC++エンジニアを目指すならば、明るい未来を手にするためにも、転職エージェントを慎重に選ぶ必要があります。
また、ITエンジニア向けの転職エージェントは、実務経験のある人向けのものと実務経験なしの人にも対応したものとがありますので、それぞれ対応するサービスについても把握しておくと良いでしょう。
ここでは未経験からC、C++エンジニアを目指す際の、転職エージェントの選び方・活用法を紹介します。あなたに合った転職エージェントを見つけられるよう、ぜひご参考ください。
C,C++エンジニアの転職で、転職エージェントを活用するポイントは以下の3点です。
・Point1 各ITエンジニア向け転職エージェントの、それぞれの特徴を知っておく
・Point2 はじめに2~3つ「複数」の転職エージェントに登録しておく
・Point3 何度かのやりとりで「相性」と「やりやすさ」を確認する
特にポイント3つ目の「相性とやりやすさ」は重要です。転職エージェントの担当者とは、転職期間中はずっと付き合いを続けていきますので、「自分に合った担当アドバイザー」を早めに見出していくことが、転職成功のひとつの要となるでしょう。
C・C++エンジニアへの転職で、おすすめの転職エージェント一覧
ITエンジニア業務経験1年以上の人向け |
---|
レバテックキャリア |
マイナビITエージェント |
dodaITエンジニア |
Geekly |
DYM IT転職(経験者向け) |
ITエンジニア業務経験1年以上の人向け |
---|
リクルートエージェント |
doda |
ワークポート |
type転職エージェント |
DYM IT転職(未経験向け) |
まとめ)転職成功には強い意志が欠かせない。その上で専門家の活用をおすすめ
C言語やC++は、習得が難しい言語です。習得には長い時間を必要としますから、転職が可能なレベルまでスキルを上げるためには「必ずものにする」という強い意志と学習の継続が欠かせません。
もちろん自分自身で手を動かし、システムを作る努力が必要なことはいうまでもありません。
一方でC言語やC++は歴史の長い言語ですから、知識の集積があることも特徴です。
このため短期間で成長するためには、先人の「知恵」をいかに活用するかも重要なポイントとなります。特に未経験者の場合はスクールなどを活用し、効率的に学ぶことも有効な方法です。
また転職市場を熟知する転職エージェントの活用により、あなたの希望する転職を実現できます。
このように未経験からC言語、C++エンジニアへの転職を実現するには、専門家の持つ知識と知恵を活用して効率よく進めることが成功の鍵となります。