こんにちは、adad です!
先日の記事の続きで GTC Japan 2017 の二日目のレポートになります。
一日目の記事は こちら。
なお、二日目はNVIDIA創業者CEOのジェンスンファン氏の基調講演があり、講演会場以外にも通路含めてサテライトでの放送がされており、人の込み具合がすごかったようですが、新しい発表もあり、パワーあふれた講演となっていたようです(私は午後から参加させていただきました)。
参加したセッション
VR で実現する人類の新たな挑戦 「火星都市化計画」 Project MARS
株式会社日本HP パーソナルシステムズ事業本部 ワークステーション市場開発 小泉 薫
ランチセッション(二日目はお弁当がサービスとして配られていました)として日本HP社からNASAやJAXAとの取り組みとして、VRに関するお話がありました。
ディープラーニングの本番運用への課題 を解決する「ABEJA Platform」 ABEJA Platform
株式会社ABEJA 代表取締役社長 CEO 兼 CTO 岡田 陽介
ABEJA Platform は、人工知能・機械学習を継続的に本番環境で運用していく際必要な種々のこと(アノテーション、Paas、監視など含む)を プラットフォームとして一手に引き受けており、導入実績が既に多くあり、いざ本番環境で運用する際に役立つ部分や考慮すべきポイントについて本セッションで発表されていました。
機械学習のおけるアノテーションとは教師あり学習のための正解となるデータの作成工程ですが、何万という単位の単純なデータ処理をプラットフォームが担保するためにオペレーションとして仕組化しているということで、AIのためのプラットフォームとして外部パートナーとの連携も含めて、差別化を図っているのではないかと思いました。
AI タクシー: リアルタイム人口統計データを 用いた深層学習によるタクシー需要予測
株式会社NTTドコモ R&Dイノベーション本部 サービスイノベーション部 第2サービス開発担当 石黒 慎
AI クラウドのソフトウェア エコシステム構築に向けた産総研の取り組み
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 主任研究員 佐藤 仁
主にスパコンから見たAIクラウドへの対応についての発表でした。
AI Made Simple
Senior AI Solutions Architect, Amazon Web Services Inc. Sunil Mallya
AWSのセッションも聞いておきたいと思い、参加しました。
今年10月に公開されたMicrosoftとAWSによる新しいディープラーニング用ライブラリ・インタフェース Gluon の紹介があり、従来AWSが推してきたmxnetよりも使いやすさ・実装のしやすが説明されていました。
また、DeepLens も最近の発表でとても話題になっていましたが、デモ等の紹介がありました。このようなデバイスやサービスが増えて、一般に普及していった際に、いわゆる エッジコンピューティング 的な未来がくるのかもしれないですね。
機械学習による視覚情報理解
東京大学 情報理工学系研究科 教授 原田 達也
二日目のセッションで楽しみにしていたものの一つで、やはり大学の先生からの発表は他の発表とは違い、最先端の論文の参照や事例が豊富に紹介されていて、とても興味深く聞いておりました。
ブラウザだけでディープラーニングの実装を動かす仕組みなど、デモも豊富に紹介されていました。
Luminous Engine の進化
株式会社スクウェア・エニックス 第2ビジネスディビジョン リードプログラマー 荒牧 岳志
NVIDIA エンジニア TBD
FFXV でも採用されているという スクウェア・エニックス社内製エンジンである Luminous Engine についての発表セッションで、NVIDIAのGPU技術が使われいるということもあり、NVIDIAのエンジニアの方と一緒の発表となっていました。
ディープラーニングを 日本の産業競争力につなげるために
東京大学 特任准教授 日本ディープラーニング協会理事長 松尾 豊
東大の松尾先生が注目されている深層強化学習のブレイクスルーとなる可能性のある論文からの情報といかにこれから産業化していくか、日本から見た人工知能・機械学習分野における応用可能性のある事業(Deep30 など)などとても興味深くおもしろく、会場満員で注目度が非常に高かったセッションでした。
最後に人材育成のためのプログラムの紹介がありました。
AI と GPU コンピューティングが実現する 高度な自動運転
エヌビディア合同会社 技術顧問、GPU エバンジェリスト 馬路 徹
やはり自動車(自動運転)のセッションも聞いておきたく受講しました。専門の話が多かったが、とても面白く興味深く聞かせていただき、勉強になりました。
前述のサーバ・クラウド側のサービスと同じで(自動運転)車の製造工程もある程度の標準化を前提にNVIDIAのようなGPUを提供する半導体メーカーが深くかかわっており、実際にこのセッションを受けてみて、過去の蓄積がありつつも今やディープラーニング専用のカスタマイズをして作り組み込んでいるという内容を聴いていて、Chainerなどフレームワーク系のセッションとあわせて考えると、この分野で単純なパフォーマンスでの競争はかなり参入余地のないところまで来てしまっているのではないかとも思いました。
その他所感など
という感じで、NVIDIAの自動運転に関するセッションを最後にお台場を後にしました。
セッションと展示物含めて今は技術の進展と実用、toB向けの事業への展開が進んでいることを実感できた二日間でしたが、色々と刺激を受けてこれからもっとハードウェア・ソフトウェア、ネットワーク、サービス面での進展があった際に、toC向けのサービスがもっとでてくる場面を想定していろいろ考えるのは楽しいと思いました。
何よりNVIDIAの力強さと貢献、AI分野特に昨今のディープラーニングという領域でのGPUの重要性を幅広く理解できた二日間でした!