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DenoでクソデカCSVを読む

Last updated at Posted at 2022-12-29

Denoを使って巨大なCSVファイルを開く機会があったので、その方法の覚え書きです。

DenoでCSVを読み書きする方法(通常ver.)

通常、DenoでCSVを読むには、標準ライブラリのparse関数を使います。

import * as CSV from "https://deno.land/std@0.170.0/encoding/csv.ts";

// ↓直接pathに文字列を指定するとカレントディレクトリからの相対パス。import.meta.resolveを使用するとこのファイルからの相対パス。
const path = new URL(import.meta.resolve("./path/to/file"));
const text = await Deno.readTextFile(path); // ファイルを文字列として読み取り
const data = CSV.parse(text); // 文字列をCSVとしてパース
console.log(data);

(※検索するとBufReaderを使うやり方も出てきますが、これは古いやり方で現在はあまり推奨されていないようです。)

また、CSVをファイルに書き込むには以下のようにstringify関数を使います。

import * as CSV from "https://deno.land/std@0.170.0/encoding/csv.ts";

const path = new URL(import.meta.resolve("./path/to/file"));
const data = [["hello", "world"]];
const text = CSV.stringify(data); // データをCSV文字列に変換
await Deno.writeTextFile(path, text); // 文字列データをファイルに書き込み

このあたりはJSON.parse/JSON.stringifyを使ってJSONファイルを読み書きする時と全く同じ使い方なので、特に問題はないと思います。

CSVのサイズが大きすぎてメモリに乗らない時のやり方

ところが、CSVのファイルが大きすぎると、そもそもDeno.readTextFile()でファイルを開けない可能性があります。
筆者は8.9GBのCSVファイルを読もうとして以下のようなエラーに引っかかりました。

error: Uncaught (in promise) TypeError: Cannot allocate String: buffer exceeds maximum length.
const text = await Deno.readTextFile("path/to/file");
             ^
    at async Object.readTextFile (deno:runtime/js/40_read_file.js:56:20)
    at async file:///C:/Users/ayame/work/deno/test/tmptp.ts:6:14

このエラーはファイルサイズが大きすぎて開けないことを示しています。

こういう場合は、Web Stream APIと標準ライブラリのcsv/stream.tsを使ってストリーミング処理する(=細切れでデータを読み出しながらCSVをパースする)ことで、ファイルを開くことができます。

コードは以下のようになります。

import { CsvStream } from "https://deno.land/std@0.170.0/encoding/csv/stream.ts";

const path = new URL(import.meta.resolve("./path/to/file"));
// 変数 readable には ReadableStream(Web Stream API)が入っている
const { readable } = await Deno.open(path);

// ストリーミング処理
const data = readable
  .pipeThrough(new TextDecoderStream()) // utf8のバイト列をstringに変換
  .pipeThrough(new CsvStream()); // 文字列をCSVとしてパース

for await (const line of data) {
  console.log(line); // 1行ずつ読み出し
}

ここでは先ほど使ったDeno.readTextFileの代わりにDeno.open()を使用しています。これを使うとファイルをストリーミングすることができます。
上記のコードのreadableという変数にReadableStreamが入りますので、.pipeThrough()メソッドを呼ぶことでストリーミング処理を行うことができます。

.pipeThrough()メソッドは連鎖させることができるため、複数の変換処理を順番に実行できます。今回はTextDecoderStreamでUint8Arrayから文字列への変換を、CsvStreamで文字列からCSVへのパースを行っています。

CSVパース後のデータは、for-await-of文で1行分ずつ読み出すことができます。

Tips: 出力時に1行ずつ確認したい時は、promptを挟む

先ほどのコードでは、CSVの内容が一気に出力されてきます。
CSVの内容を確認したい場合、console.log()の直後にprompt()関数を挟むと、エンターキーを押したら次の行に進むようにすることができます。

for await (const line of csv) {
  console.log(line);
  prompt("次の行に進みますか?"); // ここでエンターキーを押すと次の行に行く
}

image.png

なお、promptの代わりにconfirmを使うと、エンターキーではなくy/nの入力を求めるようになります。

まとめ

なお、CSV.stringify()のストリーミング版はまだ提供されていないようなので、自力でカンマで文字列結合するなどの対応が必要そうです。

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