約3年半程前、未経験でIT業界に来てからのことをお話しようと思います
そもそもSESって?
システムエンジニアリングサービスの略です
僕が未経験で入った会社は派遣会社だったので厳密に言えばSESと呼ばないかもしれませんが、ここではまとめてSESと呼んでしまいますw
契約形態について
ひとえに人材会社と言っても、契約の結び方は複数あります
まずはこれについて簡単に見ていきましょう
請負契約
請負契約では成果物が重要になります
成果物を納品できない場合は契約違反となってしまうため、かなりシビアです
しかし、その契約は会社間(人材会社<-->顧客会社)での契約のため、労働者としてはある意味関係ない契約です(労働者<-->人材会社間は時給や月給などの雇用契約を結んでいます)
しかし、プロジェクトがうまく行っていないと人材会社が労働者に違法な残業を強要したりすることがあるので、仕組みが整っていない会社でやってしまうととんでもないことになります
準委任契約
一般的にSESと言えばこの準委任契約を指すことが多いようです
準委任契約では成果物の有無は関係ありません
もし仮に成果物を提供できなかったとしても契約違反にはなりません
準委任契約は特別な契約の結び方をしない限り瑕疵(かし)を問われることはないようです
準委任契約はひと月の労働時間で契約を結ぶこともあれば、そうでないこともあるようです
請負契約よりもシビアな感じではないので気軽に(?)契約できる、というのがメリットかもしれません
派遣契約
派遣契約では派遣法があるため、労働者が守られる仕組みがある程度しっかりできています
派遣契約の場合、人材会社が顧客会社からいくら貰っているのかを知ることができます(というか人材会社は労働者へ契約条件を開示する必要があります)
このように会社間での契約が準委任契約なのか、派遣契約なのかでは結構違ってきます
ただし、派遣業を行うには資本金が2000万円以上あること、厚生労働省の許可を得ることなど、ハードルが結構高いです
労働者としては派遣契約のほうが良いですが、人材会社としてはできれば派遣契約以外で済ませたい…という思いがあるようです
入社~上流工程の仕事に就くまで
僕が最初に入った会社では未経験を大量に雇い、ちょっと研修をした上で現場に派遣する…という戦略を取っていました
事業の拡大を狙った戦略らしく、毎月数十人採用していたっぽいです
この研修でCCNAを取得するとこまでいけました
ただ、研修が終わった後2ヶ月程待機期間があったのが微妙な感じでした
当時は実家暮らしだったので家で遊んでいるだけでよかったですが、もし一人暮らしとかしてたらかなりやばかったと思います
その後ネットワークに関する仕事をやっていたのですが、プロジェクトが終了するということで契約終了へ…
年明けからはまた別の研修を受けることになりました
その研修では資格こそ取らなかったものの、Linux、ESXi、NSX、NetAppなど、幅広い勉強をすることができました
今思うとこの研修を受けていなかったら絶望的な人生を歩んでいたかもしれませんw
この研修が終わった直後、ネットワークの設計、構築の仕事をすることになります
これこそが人材会社がやりたかったこと(低スキル・低単価から、高スキル・高単価)への第一歩だったみたいです
ここからはトントン拍子でした
1年はネットワークの設計、構築をやった後に次はサーバー、ストレージの設計、構築の仕事を約1年
その後は、もっとレイヤーの高い仕事がやりたかったため、別の会社へ転職し、アプリケーション開発の世界へ…
ここで、俗に言うSESの闇を垣間見ることになります
5次受け上等!準委任契約一筋の会社へ
個人的には給料が貰えれば何次受けでも関係ねーじゃんってスタンスでした
ただ、極限の下請け会社と、ある程度大きい派遣会社では全く考えが違う、ということがわかりました
まず、極限の下請け会社にはお金がなく、今日を暮らすのが精一杯で、契約を少しでも逃したら会社がまずい、というような状態でした
そのような場所では、契約先である顧客会社の言うことは絶対。ただし、顧客会社も極限の下請けなのでビジネス上有利である立場を利用して好き放題言ってきます
僕はそういうごたごたを聞きたくないから人材会社を選んだのに、結果的には手間が増えてしまいました(フリーランスになったほうがよほど良かった、と当時は思いましたw)
更に、そのような会社には良い人材がいません
この会社の状況を変える人、技術スキルが高い人、営業スキルが高い人、、、とにかくお金を稼げる人がいません
お金が無く、お金を稼げる人もいないのにお金を稼ごうとするとひずみが起こり、崩壊していきます
開発未経験で前職より高い給料で採用してくれたことには感謝していますが、すぐに転職活動を始めたため結局その給料は半年分くらいしか貰えませんでしたw
しかもこの会社では準委任契約であったため、自分がいくらで契約しているのかどころか契約条件を知ることすらできませんでした
そうすると現場で何かを頼まれても、契約条件を知らないのですぐに返事をすることができません(というか準委任契約の場合業務指示は自社から出るはずなんだけど…)
明らかに誰にとっても得になってないですよね…
このように準委任契約はお手軽な分、会社の仕組みがしっかりしていないと成立しません
人材会社はこれを認識していないととんでもないことになります
たちが悪いことに、人材会社は人間を現場に送っていれば利益は出るので中々倒産しないんですよねw(財務状況は見せられたものではない可能性もありますがw)
だから今でもそういう会社が残っているのだと思います
そして現在…
今は自社開発の会社に勤めています
まだ入社したばかりなのでどのような会社なのかはいまいち分かっていませんが…w
まとめ
契約方法としてあえて準委任契約を選ぶ会社には何か理由がありますので注意しましょう
未経験であれば派遣業の会社を選択することをおすすめします
未経験で自社開発の会社に行こうとしているのであればその会社の規模、扱っている技術、技術力の高さ(その会社の人がイベントに登壇しているかどうか)などをしっかり見極めたほうが良いです
自社という小さいコミュニティ内で技術力の有る無しを語ってもあまり意味がないからです
ちなみに、仕事の勉強を家でし始めたのはここ1年くらいの話です
勉強をする前に、まずはしっかり休むこと。勉強はしたくなったらすれば良いです
やりたくないことをやるのが一番毒ですから!