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アクセシブルなユーザーインターフェースの構築:すべての人にオンラインの力を

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デジタル時代において、インターネットは私たちの日常生活に欠かせない存在になりました。買い物や教育、エンターテインメントやコミュニケーションまで、ウェブは世界との関わり方を大きく変えました。

しかし、すべての人が同じようにオンラインを体験しているわけではありません。視覚、聴覚、認知、運動能力に障害を持つ人々は、さまざまな困難に直面しています。だからこそ、障害の有無にかかわらず、誰もが平等にオンラインの恩恵を受けられるよう、アクセシブルなユーザーインターフェース(UI)の構築が必要です。

デジタル製品やウェブサイトを設計する際には、アクセシビリティを優先することが重要です。アクセシブルなUIは、障害を持つ人々が支援技術を使ってコンテンツに触れ、インターフェースを操作し、タスクを効率的に行えるよう障壁を取り除きます。さらに、アクセシブルなデザインは障害者だけでなく、すべてのユーザーにとって使いやすさを向上させ、全体的なユーザー体験を向上させます。

本記事では、開発者が知っておくべきアクセシビリティの基本的な側面を紹介します。ウェブアクセシビリティ(a11y)の重要性、ARIA(Accessible Rich Internet Applications)の役割、さらにReact Ariaライブラリを活用したアクセシブルなUIコンポーネントの作り方について解説します。

Webアクセシビリティ(a11y)とは?

Webアクセシビリティ(a11y)は、「アクセシビリティ(accessibility)」の略称で、障害の有無にかかわらず、誰もが使えるウェブサイトを設計・構築する取り組みです。スクリーンリーダーや音声認識ソフトウェアなどの支援技術がウェブページを正しく解釈し、障害者に有意義な体験を提供できるようにします。

アクセシビリティを確保するためには、WAI(Web Accessibility Initiative)が定めるガイドラインを遵守することが推奨されます。これらのガイドラインは「認知可能」「操作可能」「理解可能」「堅牢性(Robust)」の4つの原則(POUR)に基づいており、開発者がアクセシブルな製品を簡単に作れるようサポートしています。

様々な困難への対応

デジタル製品の利用時に直面する一般的な課題と、それを解決するアクセシブルデザインについて説明します。

  • 視覚障害:スクリーンリーダーがコンテンツを読み取れるように、HTMLのセマンティック構造を正しく設定し、画像に代替テキストを提供します。

  • 聴覚障害:音声や映像コンテンツには字幕やトランスクリプトを提供し、情報へのアクセスを保証します。

  • 認知障害:シンプルで一貫性があり、予測可能なインターフェース設計が求められます。

  • 運動障害:キーボード操作を可能にし、音声コマンドや代替入力デバイスを利用するユーザーがUIと円滑にインタラクトできるようにします。

ARIAでアクセシビリティを向上させる

ARIA(Accessible Rich Internet Applications)は、UIの見た目を変えずにアクセシビリティを高めるHTML拡張標準です。ARIAには「ロール(役割)」「ステート(状態)」「プロパティ(属性)」という主要な要素があります。

  • ARIAロール:要素の役割を定義します。
<div role="button" tabindex="0" onclick="handleButtonClick()">
  Click Me
</div>
  • ARIAステート:要素の現在の状態を伝えます。
<button aria-expanded="false" aria-controls="expandable-content" onclick="toggleExpandableContent()">
  Toggle Content
</button>
<div id="expandable-content" aria-hidden="true">
  <!-- Content goes here -->
</div>
  • ARIAプロパティ:要素の補足情報を提供します。
<button aria-label="Search" onclick="performSearch()">
  <img src="search-icon.png" alt="Search Icon">
</button>

React AriaでReactのアクセシブルなUIを構築

React Ariaは、React Hooksを提供する強力なライブラリであり、アクセシブルなUIコンポーネントを簡単に構築できます。

インストール方法:

npm install @react-aria/utils

React Ariaを使ったボタンの作成例:

import { useButton } from '@react-aria/button';

function AccessibleButton({ onClick, label }) {
  const { buttonProps } = useButton({ onPress: onClick });

  return (
    <button {...buttonProps}>
      {label}
    </button>
  );
}

まとめ

アクセシブルなUIの構築は、すべてのユーザーに包括的なオンライン環境を提供するために重要です。Webアクセシビリティガイドラインを守り、ARIA標準を採用し、React Ariaなどのツールを活用することで、すべてのユーザーが障壁なくオンラインを楽しめるようになります。

参考リソース

  1. Web Accessibility Initiative (WAI): https://www.w3.org/WAI/policies/
  2. Web Content Accessibility Guidelines (WCAG): https://www.w3.org/TR/WCAG21/
  3. React Aria: https://react-spectrum.adobe.com/react-aria/getting-started.html
  4. ARIA Roles, States, and Properties: https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/Accessibility/ARIA
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