AARI - Automation Anywhere Robotic Interface
AARIがInnovation Dayにて発表されました。
日本国内向けのLaunchは今月下旬になるようです。
このAARIについての概要をまとめます。
AARIに含まれるもの
まず、AARIには下記が含まれます。
- AARI for Web
- AARI for Desktop
- AARI for Applications
- AARI for Mobile
- AARI for Voice
これだけ見ても何ができるようになるのかイメージできませんので、それぞれ少し掘り下げます。
AARI for Web
これは、v11の時にはHuman Bot Collaborationと呼ばれていた機能となります。
HumanとBotがCollaborationする。つまり、Botを実行する人とBotが協働する仕組みとなります。
v11の時との違いとしては、Control Roomに一体化されているという事です。
管理ツールやユーザーがアクセスする先もControl RoomのURLに統一されます。
また、オンプレミス導入時には、別建てのサーバーを立てなくて済むというのも利点です。
では、AARI for Webでは何が可能なのか。
まず、複数のフォームやBotの実行を含むプロセスを定義することが可能となります。
そのプロセスには、承認やエスカレーションを含めることが可能です。
(マネージャーへのタスク自動割当ては、次のバージョンで実装予定。)
そして、このプロセスの実行は、Chrome等のブラウザから行うことが出来ます。
この図に出てくるユーザー2人の端末には、RPAの実行環境は不要というのも良い所。
Botは、Bot Runnerデバイス上でUnattended Botの形で動作しますので、
プロセスを実行している間、ユーザーは別の作業をPC上で行うことも出来るという事です。
AARI for Desktop
AARI for Desktopは、Interactive Formsと呼ばれている機能になります。
Attended Bot。つまり、手元の環境でBotを稼働させている時に、フォームを利用することでBotとのやり取りが可能となります。
例えば、下記の様なときに使えます。
- Botの処理対象を指定する
- 作成対象のレポートを選択し、日付範囲を指定するとか。
- 処理対象のローカルのファイルを指定するとか。
- 複数システムからの情報をまとめて表示する
- 顧客のIDを入力して検索すれば、顧客の基本情報や、サポートチケットの情報、出荷状況等の情報を一括表示するとか。
- フォームで情報を入力し、複数システムへ登録する
- 修理の問い合わせに対して、ケースへの登録、代替品の送付を一気に行うとか。
詳しくは、以前記事にした下記を参照ください。
Automation Anywhere A2019でメール配信用ボット
尚、最新版(A2019.16)では、テーブル表示が可能となっていますので、
IQ Botで処理したデータを表示しつつ、横に元の帳票もDocument要素で表示して、内容の確認を行うAttended Botも作れますね。
(A2019.16では日本語表示に問題があるので、日本語UIでテーブルを使うにはA2019.17を待たないといけませんが・・・)
AARI for Applications
ここに含まれるのは、各種アプリケーションまたはサービス用のプラグインまたはコネクタになります。
RPAのクライアントを立ち上げることなく、Botの実行が出来るのが、まず大きな利点となります。
- Excel Ribbon Plugin
- ExcelのリボンからBotを実行できるようになります。
- 実行時にシート上の範囲を指定して、Botにパラメータとして渡すことが出来たりしますので、Excelを中心に業務をされている方は使い勝手が良いかと思います。
- SFDC Plugin
- SFDC(セールスフォースドットコム)のワークフローからBotを実行する事が出来ますので、特定のフィールドに入力があった等のイベントを拾って、自動的にBotを実行する事が出来ます。
- Google Sheet Plugin
- Excel Ribbon PluginのGoogle Sheet版ですね。
- MuleSoft Connector
- MuleSoftのワークフローからBotを実行する事が可能であり、逆に、BotからMuleSoftのワークフローを呼び出すことも可能です。
- ServiceNow Connector
- ServiceNowのワークフローからBotの実行が可能になります。
AARI for Mobile
将来、モバイルアプリからBotが実行できるようになるという事ですかね。
既に、Automation Anywhere用のモバイルアプリは、iOS / Android用で提供されていて、
Botの実行状況やBot Insightのレポート表示が出来るようになっていますので、
今後、ここからBotやプロセスの実行が可能となるのかと思います。
外出先からBotを実行して、欲しい情報をメールで届けてもらうといったことも出来るようになりそうですね。
尚、既にCitrix社のMicroAppからの呼び出し連携は可能なことが確認取れていますので、Citrix社ユーザーであればそちらも選択肢ですね。
AARI for Voice
こちらもロードマップアイテムですね。
音声でBotを実行という事ですので、コールセンターのIVR(音声自動応答)であったり、モバイルアプリとかを利用したBot実行になるのでしょうか・・・
まとめ
色々記載しましたが、
基本的には「Botを、社員誰でも、どこからでも使えるようにする。それも対話が可能な形で。」という事かと思います。
Botの活用範囲が広がりそうですね。