はじめに
本記事では、Google Agentspace内の機能であるAgent Designerを使用して、ノーコードでエージェントを構築し、エージェント初心者、プログラミング未経験者の方も簡単にエージェントが構築できる方法をご紹介します。
Agentspaceとは何か?についてまとめた記事はこちら
ノーコードのエージェント構築
Agentspaceには、ノーコードでエージェントを構築できるAgent Designerという機能があります。
文章でエージェントのタスクや目的を指定するだけで、簡単にエージェントができるので、プログラミング未経験者の方でも構築可能です。
2025年8月現在、AgnetDesignerはPrivate Previewの機能になります。
Agentspaceのライセンス購入に加えて、利用する場合は別途申請が必要です。
さっそく構築してみる
1. Agenspaceのアプリ画面を立ち上げる
まずはAgentspaceのアプリ画面に移動します。
今回はAgentspaceのアプリ作成やデータ接続手順の詳細は省きますが、参考リンクはそれぞれ以下の通り。
2. Agent Designer画面に移動
左メニューの「エージェント」を選択。
画面右上の「+エージェントを作成」ボタンを選択してエージェント作成画面を開きます。
3. エージェントの役割を設定
以下項目を入力してエージェントの役割や行動等を設定。
入力項目 | 内容 |
---|---|
名前 | エージェントの名前 |
目標 | エージェントで何をするか(description) |
手順 | 具体的なエージェントへの指示(instruction) |
データソースとツール | エージェントが利用するデータソース及びツールの選択 ※現在選択できるのはAgentspaceに接続されているデータストアのみ |
開始条件プロンプト | エージェントの開始条件 |
例えば、社内規程を調査して必要な情報を要約するエージェントを作成してみます。
入力項目は以下のような感じ。
画面右側にプレビュー画面があるので、エージェントを保存する前に動作確認できる便利な機能もあったりします。
4. エージェントを保存
必要項目を入力し、プレビュー画面で動作を確認したら画面右上の「保存」ボタンを押して構築完了です。
エージェントを使ってみる
作ったエージェントを選択して、実際に質問を入力してみます。
今回は、「出張旅費の精算方法」について質問してみました。
そうすると、Agentspaceに紐づけている社内規定データから必要な情報を抽出し、要約した結果を返してくれているのが確認できます。
(今回はダミーで社内規定を作成し、それをデータストアに紐づけました)
ちゃんと結果が返ってきていそうです。
紐づけたデータを参照しているのも画面右側のソースから確認できますね。
ノーコードのエージェント構築のポイント
実際にAgent Designerを使用して、エージェントを構築してみましたが1~2分ほどで簡単に作成できました。
Agen tDesignerは、学習コストの低さ、開発速度の速さが魅力だと思います。
一方で、ツールやアクションの連携ができない、複数エージェントでA2A的な動きができないなど、まだできることが限られているのも現状です。
そのためノーコードで開発する場合、以下の観点を念頭に置くと、Agentspace×ノーコード開発の強みが引き出せるエージェントが作れるのではないかと思います。
-
入出力の形式の制御
- 手順等である程度の入出力形式を指定することが可能
- 目的のために必要な入力が決まっている場合
- 同じ形式で毎回出力したい場合(報告書などテンプレートが決まっているとか)
- 手順等である程度の入出力形式を指定することが可能
-
利用頻度が多いプロンプト
- 例えば翻訳や文章要約など、業務でよくある生成AI利用パターンをエージェント化
- 毎回同じプロンプトを打たなくてOK
- 最低限の入力のみでタスクを遂行することが可能
-
分散している社内データ
- 単純なchatbot的な使い方だと、NotebookLMで十分な場合あり
- あくまで差分としては、自分で対象ドキュメントを探す必要があるかどうか
- データがどこにあるか分からない、資料が多すぎる場合はAgentspaceの方が有用
思いつく限りでは、上記のような点ですが他にも考えればノーコードの強みを引きだす観点はあるかもしれないですね。
まとめ
Agent Designerを使用してノーコードでエージェント開発を行ってみました。
エージェント開発自体は簡単ですが、工夫の余地も必要だと感じました。
今後機能がさらに増えていけば、よりできることも広がっていきそうなので、まずはGAするのを楽しみに待ちたいと思います!