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モバイルゲームのQA、審査を経験して得られたナレッジ運用のポイント

Last updated at Posted at 2022-12-08

はじめに

はじめまして、QA歴約5年のa_konと申します。
モバイルアプリに関する検証にてQA/審査チーム併せて5年程対応させていただき、
現在はQAチームでの対応を主に行わせていただいております。
今回はQA・審査業務とナレッジの役割、実際の業務におけるナレッジ活用例
日々のナレッジ運用のもたらす効果について書かせていただきます。
記事を書く事が初めてであり、個人的にかみ砕いた内容/見解が多い点については
ご容赦いただければ幸いです。
それではよろしくお願いいたします!

QA/審査チームの役割とナレッジの役割

審査チームとQAチームの検証についてザックリですが説明すると
検証分野に違いが有り、以下のような違いがあると考えていただければと思います。

分野 役割
QAチーム 仕様書に基づいて問題無いかをチェックするチーム
審査チーム 法律に基づいて問題無いかをチェックするチーム

上記内容だけ見ても掴みずらい部分も有るかと思いますので、
ここからは別の業務に当てはめて考えていきたいと思います。

QAチームの役割

【QAは道路を引くチーム】
仕様書より道路を引き、道を外れない部分での安全性を保証する
道路.jpg

審査チームの役割

【審査は道路を整備するチーム】
法律に沿って道路内へ標識や注意看板、ガードレールなどを設置し法令遵守を促す
標識類.jpeg

ナレッジの役割は?

ではナレッジはどういった役割を持つかと考えた時に
【作業前後や作業中に必要な情報】を当てはめていきます。

周辺地域の気候/地盤
雨が降りやすい地域、乾燥地帯、地盤が緩い/固い

道路の使用用途
運送路/一般道/高速道

使用する住民情報等
交通量/利用者
雨.pnghighway_6643.png渋滞.jpeg

もちろん上記の情報が仕様書に書かれていれば問題ないのですが、そうでない事も有り
仕様書には書かれていないけど【実は/過去には】のような内容をナレッジ化し
業務に活かし、未然防止や再発防止をしていくのがナレッジの役割と考えられます。
予めナレッジ運用という対策を打つ事で、円滑に工程を進められるように動けます。

QA/審査業務におけるナレッジ活用

実際にどういった場面で業務へナレッジが役立っているかについて
幾つか例を挙げさせていただければと思います

・不具合検知率の高い箇所/傾向の蓄積
分析を行い傾向をつかむことにより、
類似不具合の早期検知や効率よく業務の進行が行える
 
・別のプロジェクトでブロッカーとなった検証内容の共有
ブロッカーとなった原因共有によりブロッカーの未然防止に繋げる
 
・景表法違反の実例に対して、自プロジェクトでの対応検討
世の中で発生した実例について知識共有を行い、
類似の事案が発生しないかのチェック
 
・暗黙の仕様となっている部分についての確認及び内容共有
仕様の可視化を行う事により、不要な仕様確認の削減を行える

ナレッジ活用を継続的な活動とすることがナレッジ運用へとつながる形になります

ナレッジ運用がもたらす効果

ナレッジ運用を行う事による利益については様々ですが
運用によって大きく変化を感じる部分は以下のような例があります。

・暗黙知を形式知に変換が行える
仕様書内外の暗黙の了解で有ったり、過去に起きていた事象を可視化共有により
経験者の感覚や知識だよりだった部分を全体共有し、業務改善につながる
 
・知識水準の向上
知識の共有により、チーム全体認識アップデートが行われ
新規機能などに対してのナレッジによる応用的な動きが取れる
 
・別タスクへの注力
仕様の深堀などの時間削減効果が見込め、
必要なタスク 負荷の高い工程へのリソース分配などが行える 

ナレッジ運用による発生しうるリスク

ナレッジ化を進める事によってのメリットもありますが、デメリットも忘れてはいけません

・自己満足に陥りやすい
ナレッジ化を進める事に満足して次のアクションを起こすことが出来ていない
また、不必要な内容でもナレッジ化をしてしまい本来の運用と異なる動きになる
 
・目的と手段の取り違え
未然防止/再発防止が目的だったはずが、いつの間にかナレッジ化がゴールになり
目的達成のための手段から逸脱してしまう。
 
・運用までの道程
ナレッジ化を行うまでは簡単だったが、運用に乗せる事が出来ない
運用に乗せるのが一番難しい為、シッカリとやりきる事が大事

正しく運用するために

ナレッジ運用は方法次第で毒にも薬にもなる可能性はありますが
効果測定/分析を行いながら運用を進めていけばチームの大きな力になります
運用自体が正しく出来ているかを見定めるのは難しい問題ですが、
細かいデータの積み重ねにより振り返りを行えば、必ず解決に向かいます。
効率化や、新規機能に対する意識も向上するのは勿論、最終的な運用は人が行う為、
チーム意識の改善やコミュニケーションロスを少なくするのも併せて行うと
より効果が上がるので、上手くナレッジと付き合うことが肝要です!

最後に

少しですが日々の業務において当たり前のようにやってきた事を
自身の振り返りも込めて改めて書かせていただきました。
QAイメージやナレッジ運用について少しでも気づきになる様な事があれば幸いです。
みなさま良いクリスマスをお過ごしください!

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