はじめに
我が家では初代Raspberry Piを簡易的NASとして使い、データのバックアップや共有を行っていました。
ただ、いつ動かなくなるかわからん(という建前)ということで、ファンレスのシンクライアントPCを入手し後継機としました。ラズパイも今は高いですものね。
かつ、今回ご紹介する CasaOS を導入し、心理的な管理コストの低減を狙っています。
CasaOS とは?
CasaOSは、ご家庭で簡単にクラウド環境を構築できるソフトウェアです。OSと名はついていますが、Linux上で動作します。
基本機能
インストールを行うと自動でサーバが立ち上がり、ブラウザから管理画面にアクセス可能となります。この管理画面ではアプリの導入や管理、メモリ使用率などの状態の確認などができ、またSSHターミナルやUSB HDDのマウント、簡易的なファイラー機能も搭載しているため、大体の管理はここでできてしまいます。
NAS...だけではない
アプリ(ソフトウェア)は管理画面内のApp Storeから導入します。個人的に面白いと感じたのは、アプリはDocker形式で提供・導入される点です。App Storeからではなく直接Dockerイメージを導入する場合もGUIで設定ができるため、導入時のハードルや管理がとてもしやすくなっています。
App Storeでは、NAS用途のみならず、VPN、データベース、LLMなどのアプリも提供されていました。個人的にはLLMも興味があったのですが、シンクライアントPCでは流石に動かすのは難しかったようです。
実際に使用してみた
Syncthing & Resilio Sync
ファイル同期&共有。スマホやPCのデータを同期するために使用しています。
Nextcloud
DropboxやGoogle Driveのようなオンラインストレージを構築できる。拡張性が非常に高い。
Jellyfin
音楽・動画・電子書籍などのメディアサーバ。
Memos
Twitterライクなメモアプリ。自分はObsidianに手を出してやらなくなってしまったクチなのですが、これなら続けられるかも?
未来へ
クラウドで何でも済んでしまう時代ですが、あえて自分の手の届く範囲で環境を構築してみるのにも意義があると思います。ただこの手のものは、最初は頑張ってあれこれ導入してみるのですが、その後の管理がおざなりになったり、面倒になってしまうことが多いです(n=1)。今回はCasaOSを使ってその心理コストを下げるほか、新しい分野にも手を出しやすくなったという利点も感じることができました。