この文書について
キャプチャボードを利用して動画を録画した際、機材の違いだけでなく、使用ソフトや画質設定によって録画映像の質に差が出ます。
この文書では、使用ソフトや画質設定の違いによって、どのように録画映像の質に差が出てくるかを述べます。
※ 各録画映像のシーン (全体の色合い等) が異なったり、再エンコードが入っていたりと、比較としては統一条件にできていないと言えます。当然ながら条件によって録画品質は十分変わり得るため、この記事はあくまでも参考程度に見てもらいたいです。
録画環境・使用機材
録画環境
ノートPCに外付けのキャプチャーボードを接続し、Nintendo Switchの映像を録画した。
Switchの出力画質はFHD (1920 * 1080) 60pである。
キャプチャーボード
- AverMedia - Live Gamer EXTREME 2 GC551
- 最大入出力 (パススルー) 解像度: 4K (3840 * 2160) 60p (HDR非対応)
- 最大録画解像度: FHD (1920 * 1080) 60p
- インターフェース
- 映像入力: HDMI 2.0
- 映像出力: HDMI 2.0 (HDR非対応)
- PC接続: USB 3.1 Gen1 (Type-C)
- 電源: USBバスパワー
情報元 :
Live Gamer EXTREME 2 (GC550 PLUS) | 比較する | AVerMedia
https://www.avermedia.co.jp/product-detail/GC551
購入元 :
Amazon | AVerMedia Live Gamer EXTREME 2 GC551 4Kパススルー対応 ゲームキャプチャーボックス Full HD 1080p 60fps usb3.1 Ultra-Low[Latency] [並行輸入品] (GC551)
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ノートPC
- Acer Aspire E15 E5-576-N34D
- CPU: Intel(R) Core(TM) i3-7020U CPU @ 2.30GHz
- GPU: Intel(R) HD Graphics 620
- RAM: 4GB
- OS: Windows 10
情報元 :
価格.com - Acer Aspire E15 E5-576-N34D
https://kakaku.com/item/J0000029155/spec/?lid=spec_anchorlink_details#tab
使用ソフト・設定
OBSでは、エンコーダ、フレームレートを。RECentralではフレームレートを変更。解像度はFHD (1920 * 1080) に統一。
その他は、基本的にデフォルト設定を適応。
- OBS
- バージョン: 25.0.4 (64bit)
- 録画品質: 超高品質、ファイルサイズ大
- 録画フォーマット: mkv
- 基本 (キャンバス) 解像度: 1920 * 1080
- 出力 (スケーリング) 解像度: 1920 * 1080
- エンコーダ (検証対象)
- ハードウェア (QSV)
- ソフトウェア (x264 CPU使用率の低いプリセット、ファイルサイズ増加)
- fps (検証対象)
- 60[fps]
- 30[fps]
- RECentral
- バージョン: 4.3.1.87 (Beta版)
- フォーマット: H.264
- フレームレート (検証対象)
- 60[fps]
- 30[fps]
また、AVerMediaから無償で提供されている診断ツールでのベンチマークも行った。
- AVerMedia Diagnosis Tool
- 年月日: 2019/12/31
- バージョン: 2.0.1.5
検証結果
AVerMedia Diagnosis Tool ベンチマーク結果
CPUはCore i3、GPUはCPU内蔵のものということもあり、診断結果には警告表示。
非力なPCで、どれだけの録画品質を出すことが可能なのかを検証。
各録画検証結果
録画した映像は、録画後に一度ffmpegで再エンコード処理を施し、ファイルサイズを縮めた上で動画を視聴。
※ YouTube上にアップロードすると自動で再エンコードがかかるため、元の映像とは異なってくる可能性が十分あります。資料としては正確ではありませんが、参考程度にどうぞ。
ソフト | エンコーダー | フレームレート[fps] | URL |
---|---|---|---|
OBS | ソフトウェア | 60 | https://youtu.be/vaz2T3XRs8Q |
30 | https://youtu.be/b2w3R9ZkGL4 | ||
ハードウェア | 60 | https://youtu.be/TW-SucVjV1g | |
30 | https://youtu.be/EXd2omW8tdo | ||
RECentral | - | 60 | https://youtu.be/3KZr5H0cGFs |
- | 30 | https://youtu.be/MsIuIsPus2w |
OBS - ソフトウェア - 60[fps]
- 映像がほぼ静止画のように飛び飛びでしか撮れておらず、録画映像としては使い物にならない品質になった。
- 音声に関しては、そこまで気にならなかった。
OBS - ソフトウェア - 30[fps]
- 映像、音声共に気にならなかった。
OBS - ハードウェア - 60[fps]
- 映像は少々カクついている感じがあり、30[fps]の映像の方が滑らかに感じる。
- 音が飛び飛びになる箇所が多々見られ、品質としては悪かった。
OBS - ハードウェア - 30[fps]
- 映像、音声共に気にならなかった。
RECentral - 60[fps]
- かろうじて映像の内容は分かるが、かなり飛び飛びで実況動画等にするにはかなり悪い品質。
- 音声に関しては、そこまで気になる点は無かった。
RECentral - 30[fps]
- いくつかのフレームに、描画のズレが入っていることがあったが、概ね問題なく録画ができた。
- 音声に関しては、そこまで気にならなかった。
まとめ・所感
強力なPCであれば、恐らく60[fps]の録画も十分可能と思いますが、非力なPCでは60[fps]の録画は厳しいかと思います。
ただ、非力でも最近のCore i3くらいなら、30[fps]で録画すれば、ある程度の品質の画が撮れるようです。
ソフトの使い心地としては、RECentralよりもOBSの方が動作が軽く、快適でした。
設定内容もOBSの方が細かいです。