Space Apps JapanのAdvent Calendarにかこつけて、NASA主催の世界同時オープンデータハッカソンSpace Apps Challengeに使える(かもしれない)データの見つけ方をまとめようと思います。
今年のSpace Apps Challengeでデータメンターとして活動した経験を踏まえて、以前SlideShareに上げたスライドを補足するものです。
##欲しいデータ、使えないデータ
そもそもハッカソン向けのデータとはどういうものでしょうか?
必ずしも詳細なデータは必要ありません。
限られた時間の中で、そのデータ特有の処理を学ぶことは必ずしも有意義なことではありません。
その時間でプロダクトの手触りを上げる方が良いでしょう。
以下のスライド1にオープンデータの俯瞰をまとめました。
オープンデータ(特に科学系)というと何かとややこしい詳細なデータに行き当たりますが、そういうデータは時間のある専門家向けです。特に準備をしていない参加者に紹介するなら一言で説明できるデータの方が適しています。
今年の大阪会場では以下のようなデータのやり取りがありました。
海氷面積のデータを紹介したら採用され、そのチームは優秀賞を取りました。
一方で宇宙の全天観測画像の任意の区画を持ってくるサービスはJavaScript APIとかサンプルコードとか揃ってるよと言ったのですが、採用されず。そのチームは適当なハッブルの画像を持ってきて使って最優秀賞取りました。
プレゼン時の補足資料として森林面積の変化を知りたいと言ってきたチームもありました。国連のデータ(具体的にどのデータかは記録に残ってない)を紹介したのですが、出番はなかった様です。
月のデコボコってどのくらい?と訊いてきたチームにはMoon Trekを紹介しましたが、プロダクトに組み込むまでには至らず。タッチ&トライ時にMoon TrekのVR機能を見せるに留まりました。
以上を踏まえると、APIが整っていてもプロトタイプ用に求めているレベルの簡易さに満たないことがあると思います。また、開発スタートの非常に早いタイミングでデータを渡せたor訊きに来たチームが賞を取る結果になり、「何を使って、どうしたいか」を早く明確化することが良い結果のコツなのかなと思いました。
##Space Apps向けデータの見つけ方
身も蓋もない言い方をすれば、検索方法を知っているか否かというだけです。
一番簡単なのはGoogle検索です。
検索キーワードには英語で物理量を含めると良いです。(例 "Antarctic Sea Ice area")
データを持っている組織を知っていればsite:
コマンドが強力です。site:*.gov
やsite:*.org
で興味のあるコンテンツを扱う組織を探す手も有効です。
あとは大量のサイトを読む根気です。
オープンデータを持っている組織のドメイン例
nasa.gov : 宇宙や宇宙から見た地球のデータ、宇宙開発に関する資料 noaa.gov : 地球や宇宙の気象データ nsidc.gov : NOAAのデータのうち、雪や氷に関するデータに特化 usgs.gov : 地震のデータ un.org : 世界の人類社会のデータ(人口とか経済とか国土とか)とは言え、キーワードが直ぐに思いつかなかったりして、目的のデータがわからないこともあると思います。そういう時は一先ずSpace Appsのチャレンジのページの右下を見てみてください。大雑把ではありますが、"Example of Resorces"というところにデータ検索のためのポータルへのリンクがあります(本文の最後にあることもあります)。
Space Apps ChallengeはNASAのイベントなので、関係するNASAのポータルページはここを見れば見つかります。そのポータルが使いやすいかどうかは別ですが。
そして、最も重要なこと。 ###英語がわからないなら[Google先生](https://translate.google.co.jp/ "Google翻訳")に聞けばいいじゃない 専門用語にはまだまだ弱いですが、それ以外は意味が通じるぐらいには翻訳してくれます。
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2018/10/31 Kyoto Science Meetupでの発表スライドより ↩