はじめに
こんばんは!
MYJLab Advent Calender 2024の14日目を担当する3年の德廣です。最近、ネットワーク構築演習の授業が楽しいので、以前Techプレゼンで紹介した「Cisco Packet Tracer」を、改めて皆さんに紹介したいと思います。
Cisco Packet Tracer とは
Cisco Packet Tracerは、Cisco製のネットワーク機器をソフトウェア上で操作できる無料アプリです。ネットワークの構築やトラブルシューティングをシミュレーションすることができ、実機を用意しなくても手軽にネットワークの勉強を始められます!
ダウンロードは以下のリンクからどうぞ(ダウンロードには、アカウントログインが必要です。Googleアカウントを使えば、簡単にログインすることができます!)
今回学ぶ内容
・IPアドレスの割り当て
・スタティックルーティングとダイナミックルーティング
🟥 IPアドレスの割り当て
やりたいこと
・ルーターの0/0ポートにIPアドレス192.168.1.254
を割り当てる
・PCのIPアドレスを198.168.1.1
に設定する
【参考図】
デバイスの設置、ケーブルの接続などの基本操作は以下を参考にしてみてください。
https://www.infraexpert.com/info/packettracer04.html#google_vignette
PCのIPアドレス設定
- PCをクリックして、Desktopを開く
- IPv4 Addressのところに、192.168.1.1 と入力
これでIPアドレスの設定は完了です。IPアドレスを入力すると、サブネットマスクも自動で入力されます。
ルーターのIPアドレスの割り当て
ルータをクリックして、CLIを開きます。
Would you like to enter the initial configuration dialog?と聞かれますが、元々の設定で大丈夫なので、noと入力してください。
Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]: no
Press RETURN to get started!
CLIでは、モードによって実行できるコマンドが異なります。最初は難しく感じますが、コマンドを打っていくうちに慣れてきます。
Cisco Packet Tracerを使ってみようから引用
今回は、ユーザEXECモードからインターフェース・コンフィギュレーション モードまで移行して、IPアドレスの設定をします。
Router>enable ### 特権EXECモードに移行
Router#configure terminal ### グローバル・コンフィギュレーションモードに移行
Router(config)#interface FastEthernet 0/0 ###インターフェース・コンフィギュレーション モードに移行
Router(config-if)#ip address 192.168.1.254 255.255.255.0 ### IPアドレスの設定
最後に、no shutdown
と入力。ルーターのインターフェイスはデフォルトでshutdownされているため、使えるようにするためには、このコマンドを打つ必要があります。
Router(config-if)#no shutdown
疎通確認
では、PCとルーター間の疎通確認をしてみます。
PCのDesktopからコマンドプロンプトを選択して、ping 192.168.1.254
と入力。
ping 宛先IPアドレス
は、ネットワークの疎通を確認するためのコマンドで、192.168.1.254
はルーターのIPアドレスです。
結果
🟥 スタティックルーティングとダイナミックルーティング
まずは基本知識の確認
ルーターはデータを転送する際、宛先のIPアドレスを確認し、ルーティングテーブル(経路表)を参照して、転送先を決定しています。
このルーティングテーブルの作成方法が以下の2つ
・スタティックルーティング
手動で作成、自動更新不可能
管理者が宛先ネットワークへの最適経路を手動で設定
・ダイナミックルーティング
自動生成、自動更新可能
ルーティングプロトコルを用いて最適経路を導き出す
ルータ同士が自分の知っている経路を共有する
違いを確かめよう
やること
・R1からR3にpingを送り続ける
・R1とR2の間のケーブルを切断
→障害を起きた時の動作の違いを確かめる
本来なら、ルーティング設定のやり方も書きたいのですが、長くなるので省略します。
興味のある方は、こちらの記事が分かりやすかったので、ご覧ください。
ネットワーク構成は以下の通りです。
スタティックルーティングの経路表
show ip route
というコマンドで、経路表を確認することができます。
S が手動で設定したルートになります。
192.168.2.0には、192.168.1.2を経由します。
C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
S 192.168.2.0/24 [1/0] via 192.168.1.2
S 192.168.3.0/24 [1/0] via 192.168.4.1
C 192.168.4.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1
ダイナミックルーティングの経路表
今回はOSPFというルーティングプロトコルを使用しました。
Oがプロトコルによって設定されたルートになります。
C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
O 192.168.2.0/24 [110/2] via 192.168.1.2, 00:03:00, FastEthernet0/0
O 192.168.3.0/24 [110/2] via 192.168.4.1, 00:03:00, FastEthernet0/1
C 192.168.4.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1
pingを送り続ける
ルーターからpingを送る場合は、特権EXECモードに移行します。
ping
とだけ入力すると、詳細pingが打てます。Target IP Addressに宛先IPアドレスを、Repeat countにpingを送る回数を入力します。
R1>enable
R1#ping
Protocol [ip]:
Target IP address: 192.168.2.2
Repeat count [5]: 300
Datagram size [100]:
Timeout in seconds [2]:
Extended commands [n]:
Sweep range of sizes [n]:
結果
スタティックルーティング
→pingが通らない
障害が起きた場合には、手動でルートを更新する必要があります。
Sending 300, 100-byte ICMP Echos to 192.168.2.2, timeout is 2 seconds:
..!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
%LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface FastEthernet0/0, changed state to down
................................................................................
ダイナミックルーティング
→pingが通る
障害が起きた後に、自動でルートを更新してくれました。
Sending 300, 100-byte ICMP Echos to 192.168.2.2, timeout is 2 seconds:
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
%LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface FastEthernet0/0, changed state to down
00:39:17: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 192.168.2.1 on FastEthernet0/0 from FULL to DOWN, Neighbor Down: Interface down or detached
...!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おわりに
今回は、Cisco Packet Tracerについて紹介しました。
少しずつネットワーク構築に関する知識が身についてきたので、次はVLANの構築にも挑戦してみたいです。
皆さんも興味があれば、ぜひ試してみてください!