Docker入門3）WebAPI開発

WSL2のDocker環境で、API本体とAPI呼び出し画面を同時に起動する方法

この記事では、Flaskをバックエンドとして使用し、Streamlitをフロントエンドとして使用するアプリケーションを、Docker Composeを使わずに、それぞれのコンテナを起動する方法を説明します。

1. ディレクトリ構成

以下のように各アプリケーションのDockerfileとソースコードを配置します。

/
|-- flask_api/
|   |-- Dockerfile
|   |-- app.py
|   |-- requirements.txt
|-- streamlit_app/
    |-- Dockerfile
    |-- app.py
    |-- requirements.txt

2. Flask側

Dockerfile (flask_api/Dockerfile):

# Pythonの公式イメージをベースに使用
FROM python:3.8-slim

# 作業ディレクトリを設定
WORKDIR /app

# 依存関係ファイルをコンテナにコピー
COPY requirements.txt .

# 依存関係をインストール
RUN pip install --no-cache-dir -r requirements.txt

# アプリケーションのソースコードをコンテナにコピー
COPY . .

# Flaskが外部からの接続を受け付けられるようにする
EXPOSE 5000

# コンテナが起動するときにFlaskアプリケーションを実行
CMD ["flask", "run", "--host=0.0.0.0"]

requirements.txt (flask_api/requirements.txt):

flask

app.py (flask_api/app.py):

from flask import Flask

app = Flask(__name__)

@app.route('/')
def hello_world():
    return 'Hello, World! API呼び出しに成功しました!!'

if __name__ == '__main__':
    app.run()

3. Streamlit側

Dockerfile (streamlit_app/Dockerfile):

# Pythonの公式イメージをベースに使用
FROM python:3.8-slim

# 作業ディレクトリを設定
WORKDIR /app

# 依存関係ファイルをコンテナにコピー
COPY requirements.txt .

# 依存関係をインストール
RUN pip install --no-cache-dir -r requirements.txt

# アプリケーションのソースコードをコンテナにコピー
COPY . .

# Streamlitが外部からの接続を受け付けられるようにする
EXPOSE 8501

# コンテナが起動するときにStreamlitアプリケーションを実行
CMD ["streamlit", "run", "app.py", "--server.port=8501", "--server.address=0.0.0.0"]

requirements.txt (streamlit_app/requirements.txt):

streamlit
requests

app.py (streamlit_app/app.py):

import streamlit as st
import requests

st.title('Streamlit Frontend')

if st.button('API呼び出し'):
    # 注意: localhostではなく、WSL2のIPアドレスを指定すること
    response = requests.get('http://172.30.52.163:5000/')
    st.write(response.text)

[補足] WSL2のIPアドレスは、以下のコマンドを実行すれば、 inet の直後に記載されている（例：172.30.52.163）。

ip addr show eth0

4. Docker起動

1. Flaskアプリのビルドと実行:

   cd flask_api
   docker build -t flask-api .
   docker run -d -p 5000:5000 flask-api
   

2. Streamlitアプリのビルドと実行:

   cd streamlit_app
   docker build -t streamlit-app .
   docker run -p 8501:8501 streamlit-app
   

3. http://0.0.0.0:8501にアクセス
   以下のような文字とボタンだけの画面が表示される。
   

4. API呼び出しボタンをクリック
   ボタンをクリックしてAPIを呼び出し、レスポンスとして文字が返ってくれば、正常動作。
   

5. 後処理
   バックグラウンドで起動させたflask-apiコンテナを、以下の手順で停止させる。
   まず、下記コマンドを実行して、flask-apiコンテナのコンテナ名を確認する。(コンテナ名は、epic_aryabhataなど、自動的に割当られている）

docker ps 

次に、下記コマンドを実行して、コンテナを停止する。

docker stop [コンテナ名]

コンテナ名がepic_aryabhataの場合、以下の通り。

docker stop epic_aryabhata

以上で、API本体（Flask API）と API呼び出し画面（Streamlitアプリケーション）を別々のコンテナで独立して起動させ、WebAPI（HTTP通信）によりコンテナ間の連携が可能であることを確認できました。

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