はじめに
この記事では、スクラムをほぼ未経験で始めた自分が、スクラムマスターとしてすでにスクラムがうまく機能しているチームに参加した体験をお伝えします。何をやってきたのか、何を感じたのかをシェアできればと思います。
スクラムほぼ未経験からのスタート
「ほぼ未経験」と書いた理由は、実は前のチームでもスクラムチームで開発者(10ヶ月)→スクラムマスター(2ヶ月)として経験があったからです。とはいえ、当時はチーム全体で基本的なアジャイルやスクラムの理解が足りていなかったので、スクラムっぽいことをしていたものの、実際にはスクラムではなかったかなと思います。だから、既にスクラムがうまく機能しているチームにスクラムマスターとして入るのは、かなりドキドキしました。
チームに参加する前に読んだもの
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アジャイルソフトウェア開発宣言
- スクラムはアジャイル開発のフレームワークなので、まずはその基本的な理解がするために。
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スクラムガイド
- スクラムの基本的なフレームワークを把握するために。
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SCRUM BOOT CAMP THE BOOK スクラムチームではじめるアジャイル開発
- 実際にスクラムを導入しようとする動きがあったので、こちらは課題本として指定されました。どう進めるべきかイメージが湧きやすくて役立ちました。
チームのスクラムイベントついて
うちのチームで実施しているイベントと、そのタイムボックスは以下の通りです。
- スプリント:1週間
- スプリントプランニング:2時間
- デイリースクラム:15分
- スプリントレビュー:1時間
- スプリントレトロスペクティブ:1時間
- リファインメント:1時間
スプリントが1週間なので、スクラムガイドに書いてある各イベントのタイムボックスも少し調整してます。それぞれのイベントの目的は、基本的にスクラムガイドに沿った形です。
特に、スクラムガイドには載っていないけれど、うちのチームで実施しているのは「リファインメント」です。これは、PBI(プロダクトバックログアイテム)がもっと小さく、具体的に分割・定義されるようにするための活動です。
リリースは、スプリントレビューを終えた後、1スプリント分の成果物をリリースしています。
スクラムがうまく機能していると思うポイント
うちのチームでうまくスクラムが機能しているなと思うポイントは、次の通りです。
- スプリントが定期的に終了し、目標が達成されている
- 目標達成率は平均95.7%!しっかりとゴールに向かって進んでいる感じがします。
- プロダクトオーナーとの連携がうまくいっている
- 必要に応じてPBIの調整がスムーズに行われていて、コミュニケーションも密にできています。
- 自己組織化されている
- 各メンバーが自分でタスクを取っていったり、時にはペアプロなどしながら連携してタスクを進めたりしています。
- 定期的な改善が行われている
- 技術的負債を溜めないようにリファクタリングを進めたり、問題点を共有して改善活動をしています。
うまくいっている理由を考えてみると、やっぱり「コミュニケーションが密で、協力し合っていること」が大きいなと感じます。それに加えて、チームの行動指針に掲げている「圧倒的な当事者意識を持つこと」ができているのもポイントかなと思っています。
慣れない中で自分がやってみたこと
チームに参加してから1ヶ月ちょっと経った頃、いくつかのイベントで感じた課題を改善してみました。
課題①:スプリントレビューで「このスプリントで提供する価値が見えづらい」とステークホルダーからフィードバックをもらった
対応:レビューのフォーマットを価値ベースで伝わるように改善
効果:ステークホルダーとの期待値のズレがなくなり、納得感のあるレビューができるようになりました。
課題②:スプリントレトロスペクティブでKPTAの「Try」や「Action」の話し合いの時間が足りない
対応:アジェンダを見直して、時間配分を調整。特に注力したい問題を選んで深掘りするようにしました。
効果:タイムボックスを守りつつ、必要な議論を深掘りできるようになりました(まだ完全ではないですが)。
今後の課題
正直なところ、自分はまだスクラムの深い理解には到達していないので、まずは「スクラムの理解と実践力」をもっと深めたいと思っています。それと同時に「ファシリテーションスキル」を磨き、チームでの会話がもっと効果的になるようにしたいですね。
最初は自信がなくて不安だったけど、スクラムを実践するうちに少しずつ成長を実感できています。これからもチームと一緒により良い成果を出せるように、スクラムマスターとして自分ができる支援を考え、改善を続けていきたいです。
最後に
もしスクラムを始めるなら、まずはチーム全体でアジャイルソフトウェア開発宣言やスクラムガイドを読んで、スクラムの理論をしっかり理解することが大切だと思います。軸はブレずに、完璧を目指すのではなく、小さな改善を積み重ねていくことが重要かなと思います。