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VASPの計算結果からDOSを描く

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経緯

研究でDOSを描きたい場面があり、調べてみると日本語でまとまった記事があまり見当たらなかったので、
まとめておこうと思った。私はVASPを使っているので、その出力ファイルからDOSを描いてみます。

DOSとは

Density of Statesの略。日本語では状態密度と呼ばれる。
主に固体中における任意のエネルギーに対応する状態、軌道の量を示している。
横軸にエネルギー、縦軸がDOSになることが多い。

詳しく知りたい方は固体物理の本を読んで勉強してみてください。

DOS を書くには

DOSCARの7行目以降の最初の2列をプロットする。

PDOSとLDOSを書くには

PDOSとLDOSとは何かということについてはこちらに書いてあります。
非常にふわっと表現するなら、PDOSはある特定の軌道のDOS、LDOSはある特定の原子のDOS、といったイメージです。

そのPDOSとLDOSを描くための計算の仕方は

  1. ISYM=2として計算する
  2. ISYM=0、LORBIT=11として再計算する
    (初めからISYM=2、LORBIT=11として計算すると間違った電荷を与えることがあるみたいです)

この計算だとDOSCARにはたくさん行がありややこしいのでPDOSとLDOSのプロットにはp4vaspを使うのがおすすめ。

p4vasp のインストール方法(ubuntu)

p4vaspをWindows上で動かす方法がわからなかったので以下はubuntu上での話になります。
VirtualBoxで仮想のubuntuマシンを動かしてそのうえでp4vaspを導入しました。
(おそらくWindowsでもやりようはあるのですが私には分かりませんでした...)

以下の導入方法はp4vasp公式サイトを参考にしております。

上記のp4vaspサイトにアクセスし、p4vasp をダウンロードします。

端末上で、tgzファイルを解凍します。

tar -xvzf p4vasp-x.x.x.tgz

解凍されたディレクトリに移動します。

cd p4vasp-x.x.x

install.shinstall-local.shがあるのでいずれかを実行します。
両者の違いはこちらを参照してください。私はローカルインストールにしました。

bash install-local.sh

コマンドmakeがなくて実行できない旨のエラーが表示されたら、

sudo apt-get install make

としてから再度bash install-local.shしてみてください。

p4vaspを使ってLDOSやPDOSを描く

p4vaspで、LDOSを計算したディレクトリ(LORBIT=11)の vasprun.xml を開きます。

p4v vasprun.xml

p4vが立ち上がったら、次に左側のDOS+bandsをクリックします。

InkedScreenshot from 2019-04-26 10-33-06_LI.jpg

バンド構造が見たければShow/Bandsを選択します。

PDOSやLDOSを可視化するには

  • Electronic/Local DOS+bands controlを選択

Screenshot from 2019-04-26 10-34-37.png

  • Atom selectionに自分の見たい原子の元素記号を記入
  • SpinOrbital Selectionもそれぞれ指定
  • Add new lineをクリック

とするとできると思います。

PDOSかLDOSが可視化出来たら、それを.dat形式でエクスポートします。
Show/export でOKです。

datファイルには2列で出力されてるはずです。
1列目のデータがエネルギーで、2列目が各原子のDOSの値になっています。
$AB_2$という分子について計算した場合、まず原子Aのデータがあって、その下に原子Bのデータが来ます。
このdatファイルを使えば好きなソフトでプロットをし直せます。

終わりに

ところどころ日本語が拙く申し訳ありません。
間違い、捕捉などありましたらご指摘・ご指導のほどお待ちしております。
誰かのお役に立てれば幸いです。

この記事はこちらのサイトを参考にさせていただきました。

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