はじめに
新卒就活の時に全くIT業界を見なかった自分が、なぜかWeb系大手の事業会社でIT企画をやってます。自分の通ってきたルートも面白いと思っていますが、いま新卒に戻るならIT業界のジョブ型採用に絞った就活をやるなーと思うので、就活生向けの情報をまとめます。
スペック・経歴
- 文系大卒。学生時代のIT経験はExcelの授業でVBAに少し触ったくらい。
- 新卒でとある事業会社に入り内勤部署を複数経験。
- データ分析にはまる過程でITに興味を持ち、社内で情シス(システム管理部門)にジョブチェンジ。
- インフラ保守をやりつつ、DX案件のPLをいくつか経験したところで、Web系大手に転職。
- 今はIT企画をぼちぼちやってます。
新卒おすすめルート
Web系自社開発企業のエンジニア:開発やりたい人
長くエンジニアをやるかどうかは別にして、手を動かせて悪いことはないので、ある程度開発経験があるならまずはエンジニア就活をおすすめします。強いエンジニアはメガベンチャーに集まる傾向があるので、技術力を上げるためにも、将来的な転職の糧にするためにも、まずはこの界隈で検討を。学生の早いうちからポートフォリオ(履歴書代わりになる開発プロダクト)を作り、社会人エンジニアと交流を持ち、モダンな開発環境のWeb系企業でインターンを積み、時間をかけて準備することが大事だと思います。
全くの未経験だけどエンジニアになろう!と思い立った人の場合、メガベンチャーは厳しいと思いますが、数か月時間を確保して良質なポートフォリオを作れば、自社開発企業への就職は可能なようです。
大手SIerのSE:プロジェクト管理志向の人
ビジネスモデルが日本経済の成長を前提にしているので、SIer自体は正直なところ将来性に貧しいですし、案件・配属ガチゃの闇も大きいです。それでも、国内のIT事情を俯瞰できて、大手IT企業で働いていたという錯覚資産を得られるので、将来的にIT関連のプロジェクト管理で食べていきたい人は一時的に籍を置く価値があると思います。また、Web系と比べてビジネス基礎をしっかり教えてもらえるという点でも、新卒で入るメリットがあるかと。業務システムでもインフラでも、目の前の実務を粛々とこなしつつ、プライベートでモダンな技術の学習やベンダー資格の取得に勤しめば次のキャリアは自由度が高いです。外資のITコンサルに行く、ビジネスモデルがしっかりしてる事業会社で企画系の情シスをやるといったネクストキャリアが有望でしょうか。
ただし、SIerはレガシーな技術にしばられていることが多いので、エンジニアとしてのキャリアを考えている人はやめておきましょう。
Web系事業会社のビジネス職:ビジネスを設計したい人
コードを書いたり、コマンドを叩いたりすることだけがITではないので、ビジネス職の検討はありだと思います。SIerで総合職だと日本の古い慣習に翻弄される時間が長くなってしまうので、次々新規事業を立ち上げるWeb系事業会社に入って、早くからプロダクトの企画・管理に関わるのが良いと思います。プロジェクトの中でエンジニアと会話する時間もそこそこあるので、技術用語を知ったり開発プロダクトのライフサイクルを見ることができて、IT業界で働くための基礎が固まるのも早いかと。コードは書かなくても、BIツールあたりでデータの分析・可視化まできるようにしておくと付加価値がつくと思います。
外資SaaSベンダーのセールス:サービスを売りたい人
国によって言語や文化は違えど企業に必要な道具は似たようなものなので、企業向けSaaSツールには世界でかなりのシェアを取っている巨人が存在します。IT業界で営業をやりたいならCRM、ERP、グループウェアあたりの外資がおすすめです。外資SaaSの日本法人はあくまで「日本営業所」なので基本的に開発機能を持っていません。セールス(およびマーケ)が国内の主導権を握れます。セールスで専門性を高めたい人には楽しい環境かと。日本にいながら、世界で右肩上がりに成長している本場のITを肌で感じられるのも魅力なのかなと思います。
補足
上記をおすすめする前提をいくつか。
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技術力は正義
基本的に技術力をつければまわりから一目置かれる業界です。エンジニアにならなくても、何かしらの開発言語は触っておくべきだと思いますし、ネットワーク・データベース・セキュリティあたりは基本を知っておくべきです。 -
上流に行けばいくほど待遇も労働環境も良い
その一方で、ビジネス的には上流に行けば行くほど強い権限を持っているので、現場でコードを書き続けると待遇・労働環境が頭打ちになります。どこかで、管理する側・設計する側に上がるべきです。 -
日本のITは基本的に斜陽産業
ITの本場はアメリカです。現状、日系企業は世界に通用するハード・ソフトを持っていないですし、巻き返せる見込みもほぼないです。 -
国内のDXが進んでいないのでWeb系はまだ伸びる
日本国内にはDXが進んでいない業界・課題がたくさんあるので、しがらみが少なくてフットワークの軽いWeb系企業はまだまだ伸びると思います。 -
ITはつぶしが利く
飲食チェーンでもIT人材の採用をしているくらいですから、IT業界である程度生きていける力をつければ、他業界への転職も容易です。やりたい仕事がないなら、とりあえずIT触っておく、という選択もありじゃないかと。