レイヤー1のブロックチェーン技術を提供するソラナ(SOL)は、最近、そのバリデータクライアントをバージョン「1.16」へとアップデートしました。このアップデートはゼロ知識証明(zk-SNARKs)のサポートの強化とハードウェア要件の軽減を含む、多くの新機能と最適化の実装準備を提供します。これらの新機能は、今後段階的に展開される予定です。
この中でも特に注目すべきは「機密取引」の実装です。ソラナのトークン(SPL規格)の残高やトランザクション金額を「ゼロ知識証明」技術を使用して暗号化することで、取引の追跡や取引履歴を秘匿化することが可能になります。この機能が実装されると、利用者はCLI(コマンドラインインターフェース)を通じて、トークンの作成やトランザクションの設定が可能になります。さらに、ウォレットへのこの機能の導入も計画されています。
バリデータのハードウェア要件の軽減は、パフォーマンスの最適化とシステムの安定性向上をもたらします。zk-SNARKsのサポートの強化は、イーサリアムのスマートコントラクトとの互換性向上にも貢献する見込みです。
プライバシー保護とデジタル通貨の運用
デジタル通貨の運用におけるプライバシー保護と、詐欺やマネーロンダリング防止に向けた安全なシステムの確立は、技術の普及において重要なテーマとなっています。イングランド銀行(BoE)は、一般利用を目指すCBDC(中央銀行デジタル通貨)プロジェクトにおいて、プライバシー保護手段として「ゼロ知識証明」の利用を計画しています。BoEは、個人の特定情報を共有せずに、CBDCアカウントに対する凍結、解除、削除などの対応を可能にすることを目指しています。
ゼロ知識証明の探求
ゼロ知識証明は、証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」ということを検証者に対して、追加の情報を開示することなく証明するメカニズムです。
仮想通貨のプライバシー機能の動向
プライバシー機能の強化はユーザーに対して追加の安全性や取引の透明性を提供する一方で、取引所との関係にも影響を及ぼす可能性があります。バイナンスは今年5月に、プライバシー機能を有する暗号資産(仮想通貨)の取引を欧州市場で中止すると発表しました。EUでは、マネーロンダリング防止策として、プライバシー仮想通貨の取引制限が議論されています。
関連リンク:
関連リンク: