15
7

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

【Airflow】DAG実行タイミングを改めて纏めてみた

Last updated at Posted at 2022-03-01

はじめに

こんにちは。ジールの@________________-_です。

DAG実行タイミングのクセがスゴイんじゃ

すいません。これが言いたかっただけです。
DAG実行タイミングをわかったつもりになっていたのですが、
改めてちゃんと理解しようと思い自分用にまとめました。

結論

DAG初回実行タイミングは、start_date以降直近のschedule_interval完了時点となる。
それ以降はschedule_intervalが完了する毎に実行される。
これだけだと全くわからないな。。。

詳細

DAG実行タイミングはstart_dateschedule_intervalを利用して計算される。

  • start_date:DAG実行タイミングを計算するための基準となる時間
    • start_dateとschedule_intervalを組み合わせて初回実行タイミングが計算される
  • schedule_interval:実行間隔
    • 単純にそのタイミングが来たら実行ではないのでややこしい。。。
    • 主にcron式で実行間隔を定義する

例えばstart_date:2021-2-17 10:00:00 --- schedule_interval:0 11 * * *だったとき、
直感的に初回タイミングは2021-2-17 11:00:00であるが、待てどもDAGが実行されることはない。
初回実行されるのは2021-2-18 11:00:00(翌日の11時)である。

どういうことかと言うと、Airflowではintervalの開始ではなく完了時にDAGが実行される仕組みとなっている。
schedule_interval0 11 * * *は毎日11時の設定なので、intervalの間隔は当日11時~翌日11時までとなる。
2021-2-17 11:00:00は(初回DAG実行タイミングではなく)intervalの開始時間となり、intervalの完了である2021-2-18 11:00:00にDAGが実行される。
⇒恐らくここが一番ややこしい(クセがスゴイ)ポイントだと思う。

schedule_intervalは実行開始時間というよりも、intervalという名前どおり間隔と考えた方が分かりやすい。
実行開始時間が点だとすると、schedule_intervalは点ではなく線(intervalの開始と完了を結ぶ線)と捉えた方ががしっくりくる。
そして、繰り返しになるがDAG実行タイミングはschedule_intervalの完了時点となる。
なぜschedule_intervalの開始と完了をしつこく繰り返すかというと、AirflowのwebUI表示もこれまた分かりにくいからだ。

Airflowの表示を確認してみる。
条件は以下の通り。

  • airflow Ver:v2.3.0 airflow breezeを利用
  • start_date:2022-2-21 8:00:00
  • schedule_interval:12 9 * * *
  • 初回実行済の状態

まずはDAG一覧表示を確認する。
image.png

注目点はLast RunNext Runである。
Last Runという記載だが実際DAGが実行されたタイミングではない。
これは、前回のschedule_intervalの開始時間である。実際実行されたのはschedule_interval完了時点なので2022-2-22 9:12:00である。
また、Next Runも同様次回実行タイミングではない。こちらも次回のschedule_intervalの開始時間である。次回が実行される(予定)のは2022-2-23 9:12:00となる。
どちらも表記もintervalの開始を意味しており、実際のDAG実行時間ではない。

次に対象のDAGの実行リストを確認する。
image.png

こちらの注目点はLogical DateStart DateEnd Dateである。
※時間表記がUTCとなっているので注意

Logical Dateは、DAG一覧表示のLast Runと同じ時間である。つまり、これはschedule_intervalの開始時間は意味している。
※以前はExecution Dateという名称だったため更に分かりにくかった。。。Logical Dateに名称変更されて感謝しかない。

Start Date・End Dateは本当のDAG実行時間となる。schedule_intervalが完了して実行された具体的な時間だ。
Logical Dateと比較すると丁度1日ずれているのが分かると思う。schedule_intervalは日次実行で設定している為、
schedule_intervalの完了後(1日後)に丁度実行されているのが確認できる。

改めてDAG実行のタイミングは以下となる。

  • start_dateから直近のschedule_intervalが初回interval開始時間(=初回Logical Date)
  • 初回intervalの完了時間が初回DAG実行タイミング
  • 初回intervalの完了時間は2回目のinterval開始時間(=2回目のLogical Date)
  • 2回目のinterval完了時間が2回目のDAG実行タイミング
  • 後はこれの繰り返し

  • start_date:2021-2-17 10:00:00 -- schedule_interval:0 11 * * *の場合

    • interval開始時間:2021-2-17 11:00:00
    • 初回DAG実行タイミング:2021-2-18 11:00:00
    • start_dateが10時でintervalが毎日11時なので、10時以降で直近の11時がinterval開始時間の2021-2-17 11:00:00。intervalは11時から翌日の11時までなので、interval完了タイミングとなる翌日11時の2021-2-18 11:00:00がDAG実行タイミングとなる。
  • start_date:2021-2-17 10:00:00 -- schedule_interval:0 9 * * *の場合

    • interval開始時間:2021-2-18 9:00:00
    • 初回DAG実行タイミング:2021-2-19 9:00:00
    • start_dateが10時でintervalが毎日9時なので、10時以降で直近の9時がinterval開始時間となる。start_dateは10時で9時よりも遅い時間の為2021-2-17にinterval開始は不可能となる(21日の9時は過ぎている為)。結果、翌日の2021-2-18 9:00:00がinterval開始時間となる。intervalは9時から翌日の9時までなので、interval完了タイミングとなる翌日9時の2021-2-19 9:00:00がDAG実行タイミングとなる。

catchupの利用

airflowのcatchupとは、DAGを新しくデプロイした際に過去分の実行が出来る機能のことだ。
catchup=Trueとすることで、過去のDAGが実行される。
具体的には、start_dateから現在(=DAGをデプロイしてAirflowがDAGを認識したタイミング。正確には違うのかもしれないが一旦そういうていで進める)までのinterval完了分のDAGが順次実行される。
例えば、

  • start_date:2021-2-16 10:00:00
  • schedule_interval:0 10 * * *
  • 現在(デプロイ時間):2021-2-18 11:00:00

の場合、
start_dateから計算して完了しているintervalは2月16日10時~2月17日10時、2月17日10時~2月18日10時の2回となる。
この過去分2回が自動的に実行される。
2月18日10時~2月19日10時のintervalは、現在が2月18日11時なのでintervalが完了しておらず対象とはならない。
2月19日10時になった時点で(過去分実行ではなく)通常実行される。

では、catchup=Falseの場合はどうなるのか。
結論としては2月17日10時~2月18日10時の1回が過去分として実行される。
catchup=Falseは過去分を全く実行しないのではなく、現在(デプロイ時間)での最新のinterval完了分のみ実行する。

catchupを全く実行したくない場合はというと、start_dateを上手く調整して現在(デプロイ時間)時点でintervalが完了しないようにすればよい。
例えば、

  • start_date:2021-2-18 10:00:00
  • schedule_interval:0 10 * * *
  • 現在(デプロイ時間):2021-2-18 11:00:00

とすることで、初回のinterval期間が2月18日10時~2月19日10時となる。
現在(デプロイ時間)時点でintervalが1つも完了していないので過去分を一切実行されない(実行される過去分が存在しない)。
この時初回実行タイミングは2月19日10時となる。

改めてまとめ

start_dateとschedule_intervalから初回実行タイミングが計算される。
初回実行以降はschedule_intervalが完了した毎に実行される。

  • start_date:DAG実行タイミングを計算するための基準となる時間
  • schedule_interval:実行間隔(単純な実行タイミングではないので注意)
  • 初回interval開始時間:start_date以降で直近のschedule_interval時間
  • 初回interval完了時間:初回schedule_intervalが完了する時間(=次回のschedule_interval開始時間)
  • 初回実行タイミング:若干のずれはあるが初回intervalが完了したタイミング
  • 初回以降の実行タイミング:初回interval完了時間からschedule_intervalが完了する毎に実行タイミングがくる

おわりに

慣れると不思議と違和感が無くなっていきますが、初見の時はん???と思うのではないでしょうか。
UIの表示も上記を理解していないと。。。ですし。
ただ、Airflow自体は(色々と癖が強いですが)とても良いサービスだと思います。
google cloud・AWSともにAirflowをホストしたサービスが展開されてますし、更に広がっていくと嬉しいです!

参照

個人的にはcloud composerの公式ページの説明が分かりやすいと思いました。


株式会社ジールでは、「ITリテラシーがない」「初期費用がかけられない」「親切・丁寧な支援がほしい」「ノーコード・ローコードがよい」「運用・保守の手間をかけられない」などのお客様の声を受けて、オールインワン型データ活用プラットフォーム「ZEUSCloud」を月額利用料にてご提供しております。
ご興味がある方は是非下記のリンクをご覧ください:

15
7
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
15
7

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?