はじめに
図1のように、滑らかな床に置いた門型フレームの中心線に2000Nの荷重を加える場合を考えます。フレームは床に乗っているだけですので、フレームの足は左右に開くことが予想されます。これをPrePoMaxで再現してみます。

図1 PrePoMaxで解析するモデル
PrePoMaxによる計算
- FreeCADで作成したモデルのSTEPファイルをインポートして、図2のようにメッシュを作成します。メッシュの最大寸法は2.5mmとしました。

図2 メッシュの作成
- 境界条件の設定
モデルの足の内側のライン(エッジ)に対してZ軸方向の変位を拘束します。また、あらかじめモデルの中央に作成した分割線上に2000Nの荷重を加えます。荷重は集中荷重として分割線上の81個の各節点に24.69Nずつ加えています。分割線にかかる全荷重は24.69N×81≒2000Nとなります。

図3 境界条件の設定
- 解析および結果表示
解析は静解析で行い、計算時間は約21sでした。
解析結果(たわみと長さ方向の垂直応力)を図4と5に示します。各図には、元の形状と位置を併せて示しています。変形後のモデルはハの字型に足が開いており、予想通りの形状になっていますが、X方向とY方向に移動していることが分かります。移動する理由は、境界条件にX方向とY方向に対する拘束を付けていないためと考えられます。

図4 図3の境界条件による解析結果(たわみ)

図5 図3の境界条件による解析結果(長さ方向の垂直応力)
解析方法の改良
- 変形後のモデルがはじめの位置から移動するのは見た目上好ましくないため、幅と長さを半分に分割した1/4モデルを使うことにします。図6に示すように、1/4モデルの分割面において、長さを半分にした分割面ではX方向を0に、幅を半分にした分割面ではY方向の変位を0に、それぞれ設定します。荷重は集中荷重として、長さ方向の分割面のエッジにある41個の各節点に12.2Nずつ加えます。エッジにかかる全荷重は12.2N×41≒500Nとなります。

図6 1/4モデルへのメッシュと境界条件の設定
- 解析および結果表示
解析は静解析で行い、計算時間は約3sでした。最初のモデルに比べて、解析時間が大幅に短縮されました。
解析結果を図7と8に示します。これらの図では、1/4モデルの結果をX方向とY方向に対称表示しています。変形後のモデルはハの字型に足が開いており、かつ、X方向とY方向に移動していないことが分かります。また、たわみや応力値は図4、5とほぼ同値になっていることが分かります。
1/4モデルにすることで、境界条件を容易に設定でき、計算時間が早く、モデルが移動しない結果が得られました。

図7 図6の境界条件による解析結果(たわみ)

図8 図6の境界条件による解析結果(長さ方向の垂直応力)
作成したSTEPファイルは以下に格納しております。