はじめに
金属部品の破損原因を調べるため、破断した面(破断面)を電子顕微鏡で観察することがあります。破断面は金属の壊れ方によって特有な模様を示すので、破断面の解釈ができれば破損原因の推定に大いに役立ちます。
ただし、破断面の解釈は人が行うため、人によって解釈が異なったり、経験が少ない人では解釈が困難な場合があるという問題があります。このような問題に対応するため、ディープラーニングによる画像分類を用いた破断面の分類に関する研究が行われています。
ここでは、プログラムを作成せずに機械学習のモデルをウェブ上で簡単に作成できるGoogle社のTeachable Machineを使って、破断面の電子顕微鏡画像から破壊の形態(ディンプル、ストライエーションなど)を認識するモデルを作成してみました。
学習に用いたデータ
- Dimple(ディンプル、延性破面)
- Fan-shaped(ファンシェープトパターン、羽毛状破面)
- River(リバーパターン、脆性破面)
- Rock(粒界破面、脆性破面)
- Striation(ストライエーション、疲労)
各30枚
用意した画像
Teachable Machineによる学習
上記画像ファイルをTeachable Machineに読み込み、学習を行います。学習時間は10秒程度です。
Teachable Machineによる学習後のようす
学習で作られたモデルをアップロードするとURLが作成され、そこにアクセスすれば誰もが使えるようになります。
作成したモデル
作成したモデルのURLは次のとおりです。
https://teachablemachine.withgoogle.com/models/dz2tt3O8v/
★使用結果について当方は責任は負いません。
参考
Teachable Machineのサイト
山際謙太, 破断面解析におけるディープラーニングの活用事例の紹介, 材料, 69-9 (2020), pp. 644-649
新潟県工業技術総合研究所のサイト Lobeによる金属破断面の認識