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【序章】Pythonで符号化を実装する【情報理論】

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はじめに

この記事シリーズでは、情報理論分野について深掘りしていきたいと思います。普段、何気なく使っているインターネットやスマートフォン、テレビやラジオの通信技術など、実はその背後には情報理論が大きな役割を果たしています。
情報理論は、データをいかに効率的に伝えたり、圧縮したり、誤りを訂正したりするかを扱う学問です。例えば、動画や画像がどうしてあんなに圧縮されているのか、どうして通信中にエラーが起きてもデータが無事に届くのか—そんな疑問を解決する手がかりがこの理論にあります。
これから、情報理論の基本的な概念や、実際のアルゴリズムに関する話題を紹介していく予定です。興味がある方は、ぜひ一緒にこの分野を学んでいきましょう。

このシリーズの目的

  1. 情報理論の基礎概念を理解する
  2. Pythonの実装を通じて、符号化の実際的なメカニズムを学ぶ
  3. コンピュータで符号化を自ら実装し応用できるようにする

シリーズの構成

このシリーズでは、情報理論を以下の2つの主要なカテゴリに分けています。本シリーズは演習&講義形式でやっていきます。Pythonについて少し知っていることを前提としていますが、説明を見るだけでもなんとなくつかめると思います。

各記事の前半では演習問題を出しているのでトライしてみましょう。

1. データ圧縮

情報量を削減しながら元のデータを効率的に表現する技術を扱います。以下のテーマを難易度順に進めます。

  1. 語頭符号: データ圧縮における最も基礎的な符号化方式
  2. 符号の木とシャノン符号: ハフマン符号の基礎となる概念と情報理論に基づく符号化方式
  3. ハフマン符号: 最適な符号長を持つデータ圧縮技術
  4. ブロックハフマン符号: ハフマン符号の拡張版で、固定長ブロックに対応
  5. 多元ハフマン符号: ハフマン符号の多元対応版
  6. 算術符号: データの分布に基づく高効率な符号化手法
  7. Jones符号: 算術符号を応用した特殊な圧縮手法
  8. LZ78符号: 辞書ベースのデータ圧縮技術

2. 誤り訂正

データの損失やエラーに対処する技術を中心に学びます。以下のテーマをわかりやすい順序で進めます。

  1. パリティチェック符号: 基本的なエラー検出符号
  2. ハミング符号: 単一ビット誤りを訂正可能な符号
  3. リード・ソロモン符号: ブロックエラー訂正に優れた符号
  4. 畳み込み符号: シーケンスデータ向けの符号化方式
  5. ターボ符号: 高いエラー訂正能力を持つ符号
  6. LDPC符号 (低密度パリティ検査符号): 現代の通信で広く利用される高効率なエラー訂正符号
  7. ゴレイ符号: 高度なエラー訂正を可能にする符号
  8. ファウンテン符号: 欠落データの再構築に強い符号

これらのトピックを通じて、データ圧縮と誤り訂正の理論と実践を深く理解できるようになることを目指します。

次のステップ

次の記事では、Pythonの基礎コードを用いて、符号化の基本的な実装を行います。特に手を動かして実装していくことが大事ですので、与えられた問題のトライしてみてください!

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