デジタルトランスフォーメーションラボを通じて考えたこと
はじめに
先日、Findy様主催のデジタルトランスフォーメーションラボ(DX-Lab2) に声をかけていただき、
パネルディスカッションを行ったのですが、
折角なので、このイベントを通じて、感じたことを書き留めたいと思います。
あくまで、一個人の意見として受け取ってもらえれば幸いです。
DXとは
まず、デジタルトランスフォーメーション(DX)なのですが、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念のようで、「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく」というもののようです。
経済産業省でも、2018年12月に「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)」を立てるなど、
近年、様々なところでおなじみの言葉になってきました。
Webを調べると色々と出てくると思いますので、詳しくはそちらをご参照ください。
実際はどうなの?
今回、Google Play ベストアプリ2018で受賞した、JapanTaxi様とお話したのですが、
自分たちがDXを進めているというところには少し違和感を感じました。
と言うのも、私たちはDXを進めることを目指していたわけでもなく、
結果的に見れば、「DXだね」と言われている印象を受けているからです。
では、私は一体、何をしたいのかというと、
「世間が期待する当たり前に、テクノロジーを通じて精一杯応えたい」
本質的には、これだけなのかと思っています。
私が所属する企業は、全国にホテルを運営する企業なのですが、
想いとしては、私たちが提供する宿を通じて、
「お客様に快適な旅を提供したい」
これが原点なのです。
そのために、大量にある情報を如何に早く伝え、適切に案内することで、
予約したときから、旅行が終わる時間までを有意義してほしいのです。
これらを実現するために、テクノロジーを利用し、利便性をあげているというだけという感覚で、良いものを作り上げようとしています。
なぜ、ここまで、DXと言われるの?
あくまで私の主観なのですが、ポイントとしては以下だと思います。
- 近年の技術の進化が目覚ましい。
- 世の中に情報が溢れることで、みんなの期待値があがった。
私たちの業界では、20年前は、電話で予約を取り、雑誌やテレビなどから行きたいホテルを探すというのが、当たり前でした。
それがインターネットができることで、Webで予約が取れる世界が実現しました。
その後、ネットワークが早くなることで、Webページに大量の写真が載り、内容が充実になる一方で、サイトのスピードも重要になってきました。
さらには、スマートフォンでの操作が当たり前になり、今度は、スマートフォンでの体験も重要視されるようになりました。
このように、世の中の当たり前は常に移り変わり、それに応えるためにテクノロジーの力が必要になります。
また、提供するサービスが変わってきています。
元々、宿というのは、温泉があって、おいしい料理があって、気持ちよく滞在できて、それだけで十分だったのです。
それが、滞在中に色々なアクティビティが体験できるようになり、
今ではSNSでみんなにシェアするために、インスタ映えするスポットも重要になりました。
そうすると、アクティビティや写真スポットを提供者の私たちは考え出し、利用者の好みに応じて案内する必要が出てきます。
もちろん、これらを解決するためにも、テクノロジーの力は必要です。
そして、技術に対する利用者の期待値が上がっているため、当たり前の閾値がどんどん高くなっているといます。
例えば、「お勧め機能」などは、AI技術が発達する前はみなさん期待していなかったはずなのですが、
今では当たり前の機能として、世間では考えられています。
世の中で次々と新しいサービスを生み出し、クラウドサービスで簡単に利用できるようになっています。
さらにSNSで世の中に情報が大量に溢れることで、数年前にはなかった当たり前のレベルが上がり、それが浸透するスピードが速くなっていると感じています。
みんなの期待値が上がるのは、自然な流れではないでしょうか?
DXと内製化って関係あるの?
今回のディスカッションのテーマが、「プロダクト内製化と技術組織づくりの苦悩との乗り越え方」ということで、内製化というのが1つのキーワードだったのですが、
こちらについても少しお話します。
一見、DXと内製化は直接的には関係ないものなのですが、
私たちのようにサービスを提供する事業会社にとっては、
DXを推進するためのキーになっているのではないかと思っています。
理由としては以下の2点です。
- 世間の期待する当たり前の進化が早くなったので、追いつくためのスピードが必要になっている。
- 生み出すプロダクトを深く考える必要があり、それができるのはサービスを提供する社員である。
過去の経験から、外注することで、本来専念するべきところ以外で、
大量に力を注ぎ、予算・契約といったところで、壁に阻まれ、苦労してきました。
1年以上かけて内製化を進めてきたのですが、その効果をようやく社内でも感じてもらえるようになりました。
また、プロダクトがどんどん良くなるから、プロダクトをもっと良くしたいと思いますし、上がっていく期待に応えていきたいと思うようになります。
内製化するためには、一から組織を作りあげたり、
今ある組織を大きくする必要があるため、仕組みを作り直したりする必要があります。
とても苦労をするのですが、得られるものも多いと思っています。
終わりに
長々と思いの丈を書いてしまい、すみません。
今回、声をかけていただき、本当に良かったので、ついつい書いてしまいました。
機会があれば、勉強会などでも話していきたいと思います。