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GoでのJSON エンコードとデコードの基本

Last updated at Posted at 2024-05-26

はじめに

この記事では、Goを使用してJSON形式のデータする方法について解説します。標準ライブラリであるencoding/jsonパッケージを使用して、Gonoデータ構造とJSON形式のデータを相互に変換する方法をサンプルコードを用いて説明します。

想定読者

  • Go構造体 <-> JSON形式の変換方法を知りたい駆け出しGopher
  • Goの構造体型への基本的な理解
  • JSONが何かわかる

記事の狙い

  • Go言語におけるJSONのエンコードとデコードの基本的な使い方を理解する

結論

  • 構造体タグを使ってJSONオブジェクトのフィールドとGo構造体のフィールドをマッチングする
    • jsonというタグ名を使ってJSONフィールドを指定する
// 構造体タグを使ったフィールド名の指定
type Person struct {
    Name   string `json:"name"`
    Age    int    `json:"age"`
    Email  string `json:"email"`
}
  • JSONエンコード(Go構造体 -> JSON形式)
    • Marshal関数を使う
  • JSONデコード(JSON形式 -> Go構造体)
    • Unmarshal関数を使う

encoding/json

Goの標準ライブラリであるencoding/jsonライブラリはGoのデータ型とJSON間で相互に変換する機能を持っています。

  • Goのデータ型からJSON形式への変換は マーシャリング(marshaling) と呼ばれる
  • JSON形式からGoのデータ型への変換は アンマーシャリング(unmarshaling) と呼ばれる

構造体タグを使ったメタデータの付加

構造体タグを使うことで、JSON形式のデータとGoのデータ型の対応付けを行うことができます。構造体タグのルールは以下のようになっています。

  • 構造体タグはバッククォート(`)で囲まれた文字列として定義される
  • 構造体タグが行を跨ぐことはない
  • `json:"key"`の形式でキー名を指定する
type Person struct {
    Name string `json:"name"`  // `Name`フィールドはJSONのキー名が`name`になる
}
  • フィールドが空の場合に、出力に含めたくない場合はキー名のあとに,omitemptyをつける。マーシャリング時(JSON -> Go構造体)の時だけ適用されるため、アンマーシャリング時にはomitemptyタグは無視され、JSONデータからすべてのフィールドが構造体フィールドに変換される
type Person struct {
    Name    string `json:"name"`
    Age     int    `json:"age"`
    Address string `json:"address,omitempty"` // Addressが空の場合JSON出力から除外される
}
  • キー名の前にハイフンをつけることで、マーシャリングの際にJSON出力から除外される。アンマーシャリング時にはハイフンは無視され、JSONデータに含まれているフィールドは対応する構造体フィールドに変換される(値はゼロ値が設定される)
type Person struct {
    Name  string `json:"name"`
    Email string `json:"-"` // EmailフィールドはJSON出力に含まれない
}

マーシャリングとアンマーシャリング

ここからは、具体的なコード例を交えてJSONのエンコードとデコードの方法を見ていきたいと思います。

マーシャリング(JSONエンコード)

Goの構造体型をJSON形式に変換するためMarchal関数を使います。

package main

import (
	"encoding/json"
	"fmt"
)

type Person struct {
	Name    string `json:"name"`
	Age     int    `json:"age"`
	Address string `json:"address,omitempty"`
}

func main() {
	// Personインスタンスを作成
	p := Person{
		Name: "John Doe",
		Age:  30,
	}

	// PersonインスタンスをJSONに変換
	b, err := json.Marshal(p)
	if err != nil {
		fmt.Println(err)
		return
	}

	fmt.Println(string(b))
}

上記のコードを実行すると、以下のようなJSON出力が得られます。,omitemptyオプションを指定しているAddressフィールドは空であるため出力されていないことが分かります。

{
    "name": "John Doe",
    "age": 30
}

アンマーシャリング(JSONデコード)

JSON形式のデータをGoの構造体に変換するためUnmarshal関数を使用します。

package main

import (
	"encoding/json"
	"fmt"
)

type Person struct {
	Name    string `json:"name"`
	Age     int    `json:"-"`
	Address string `json:"address,omitempty"`
}

func main() {
	// JSONデータ
	jsonData := `{"name":"John","age":0}`

	// Personインスタンスを生成
	var p Person

	// JSONデータをPersonインスタンスに変換
	err := json.Unmarshal([]byte(jsonData), &p)
	if err != nil {
		fmt.Println(err)
		return

	}

	fmt.Printf("%+v\n", p)
}

上記のコードを実行すると、以下のような出力が得られます。Ageフィールドにはハイフンを設定していますが、アンマーシャリングのため、対応するフィールドに変換されゼロ値が設定させています。Addressフィールドについては、JSONに対応するフィールドが存在しませんが、出力にはAddressフィールドが設定されていることが分かります。

{Name:John Age:0 Address:}

まとめ

この記事では、Go言語を使ってJSONデータと構造体の相互変換を行う方法について解説しました。標準ライブラリであるencoding/jsonパッケージを使用して、エンコード(マーシャリング)とデコード(アンマーシャリング)の基本的な使い方を説明しました。以下に主要なポイントをまとめます。

  • マーシャリング (Go構造体 -> JSON形式):
    • Marshal関数を使用して、Go構造体をJSON形式に変換する
    • 構造体タグにjson:"fieldname,omitempty"を付けることで、ゼロ値のフィールドをJSON出力から省略できる
    • json:"-"タグを付けたフィールドは、マーシャリングの際に常に出力から除外される
  • アンマーシャリング (JSON形式 -> Go構造体):
    • Unmarshal関数を使用して、JSONデータをGo構造体に変換する
    • omitemptyタグはアンマーシャリング時には無視され、JSONデータに含まれるすべてのフィールドが対応する構造体フィールドに変換される
    • json:"-"タグを付けたフィールドは、アンマーシャリング時には無視され、JSONデータに含まれるフィールドは対応する構造体フィールドに変換される(値はゼロ値が設定される)
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