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【Azure】TerraformでAzureADユーザを作成する際のパスワードの扱い

Last updated at Posted at 2021-12-22

概要

TerraformでAzureADユーザを作成する際に、Terraformコード内にAzureADユーザに設定するパスワードを記載する必要があります。ただし、Terraformコード内にパスワードを平文で記載してしまうと、コード管理するリポジトリ内にパスワード情報が含まれてしまいます。

AWSの場合は以下の参考URLのように、GnuPGを用いてIAMユーザのパスワードやシークレットアクセスキーを暗号化する方法があります。

参考URL: https://qiita.com/takkii1010/items/eef57e29be6cb7061d95

しかし、Azureでは同様の手法を使うことができません。
そこで、Terraformのrandomプロバイダーを用いて、Terraformコード内にパスワード情報を含まない方法で実装しました。

Terraformで変数にシークレットを扱いたい場合の一般的な方法

一般的にパスワード等のシークレットをTerraformの変数で扱いたい場合は、環境変数や外部ファイルに記載してTerraformコードを実行する際に読み込みます。
その際に外部ファイルは.gitignoreで指定してリポジトリに登録されないようにします。

この方法の場合、Terraformコードにはパスワード情報が含まれません。
ただし、環境変数やパスワード情報が記載された外部ファイルを管理する必要があり、情報漏洩のリスクや管理の手間が増えます。

今回実装した方法について

初期パスワードにランダムで生成した文字列を割り当て、初回ログイン時にパスワード変更を強制させる方法です。

ランダムに生成したパスワードはtfstateもしくはTerraform実行時のOutputに出力することで確認できます。ここで生成されたパスワードを用いてログインし、パスワード変更することでtfstateにもTerraformコードにも有効なパスワードが含まれません。

randomプロバイダーを用いて生成するランダムな文字列は、Azureのパスワードポリシーに準拠できるように、大文字、小文字、数字、特殊文字のそれぞれが少なくとも1文字以上含まれるように設定しています。
特殊文字を使用する際は、デフォルトだとAzureで使用できない文字が含まれているため、override_specialというパラメータで使用する特殊文字を再定義する必要があります。

具体的な実装方法について

ここでは、初期パスワードをランダムな文字列で設定し、初回ログイン時にパスワード変更を強制させる具体的な実装方法について記載します。

バージョン情報

実装する際に使用した各バージョンは以下の通りです。

  • Terraform: 0.15.4
  • hashicorp/random: 3.1.0
  • hashicorp/azuread: 1.5.0

Terraformコード

random_passwordというリソースを用いて、任意の文字数や文字を指定したランダムな文字列が生成できます。
ここで生成した文字列をazuread_userpasswordに設定することで、ランダムなパスワードが割り当てられたAzureADユーザを作成できます。

また、azuread_userforce_password_changeを有効化することで、作成されたAzureADユーザの初回ログイン時に強制的にパスワード変更をさせることができます。

resource "random_password" "password" {
  length      = 15
  number      = true
  lower       = true
  upper       = true
  special     = true
  min_numeric = 1
  min_lower   = 1
  min_upper   = 1
  min_special = 1
  override_special = "!@#$%&*()-_=+[]{}:?"
}

resource "azuread_user" "user" {
  user_principal_name     = "sample.user@example.com"
  display_name            = "sample.user"
  password                = random_password.password.result
  force_password_change   = true
  usage_location          = "JP"
}

length
生成するランダムな文字列の文字数を指定します。
AzureADパスワードポリシーでは8文字以上となっていますが、ここではBuilding a Digital Defense with Passwordsに従ってパスワードを15文字で設定しました。

number/lower/upper/special
AzureADパスワードポリシーでは大文字、小文字、数字、特殊文字のうち3種類以上を使用することが求められるため、上記パラメータのうち少なくとも3つをtrueに設定する必要があります。

override_special
パスワードに使用できる特殊文字を設定します。
specialtrueに設定する場合、デフォルトではAzureADで使用できない特殊文字が含まれるため、override_specialで上書きする必要があります。
AzureADで使用できる特殊文字についてはAzureADパスワードポリシーを参照してください。

force_password_change
このパラメーターをtrueに設定することで、初回ログイン時のパスワード変更を有効化できます。

その他のパラメーターの詳細については、以下のTerraform公式ドキュメントをご参照下さい。

まとめ

TerraformでAzureADユーザを作成する場合のパスワードの扱いにはいくつかの方法があると思いますが、今回はランダムに生成した文字列をAzureADユーザに割り当て、初回ログイン時にパスワードを強制変更させる方法について記載しました。

Terraformを用いてAzureADのアカウントを管理する場合は参考にしてください。

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