はじめに
2025年5月、Android Studioの最新安定版である Meerkat Feature Drop (2024.3.2) がリリースされました。
今回のアップデートでは、Geminiを活用したAI支援機能の追加、Jetpack Compose Previewの操作性向上、Kotlin Multiplatform (KMP) の統合改善など、日々の開発を大きく支援する機能が多く追加されています。
本記事では、公式ブログの内容をもとに、注目の新機能とそのメリットを簡潔にまとめて紹介します。
開発者体験を向上させる新機能
Gemini によるクラッシュレポート分析の強化
App Quality Insights (AQI) 内でクラッシュレポートを開いた際、Geminiがその内容を自動で要約し、関連ドキュメントやインサイトを表示してくれます。
ローカルコードへのアクセスを許可することで、より具体的な修正提案を受けることも可能です。
ユニットテストの自動生成支援
任意のクラスを右クリックし、Gemini > Generate Unit Test Scenarios
を選択することで、Geminiがコードを解析し、ユニットテストのシナリオを提案してくれます。
テスト初期設計の効率化が期待できます。
Gemini プロンプトライブラリの導入
よく使うプロンプトをプロジェクトごと、またはIDE全体で保存・再利用できる機能が追加されました。
チーム内での統一的なAI活用にも役立ちます。
UI開発・Composeに関する改善
テーマ付きアイコンのプレビュー対応
Android 13以降でサポートされている「テーマ付きアイコン」に対応し、アプリアイコンの見え方をランチャー上でシミュレーションできます。
これにより、テーマカラーによる視認性やデザイン崩れの確認が可能になります。
Compose Preview の表示機能の改善
- ズーム操作がより滑らかに
- Preview グループを折りたたみ可能に
- 表示モードが「グリッド表示」に変更され、一覧性が向上
- ギャラリービューとの切り替えもより直感的に
UI設計時の確認・微調整がさらに効率化されました。
ビルド・構成管理の改善
Kotlin Multiplatform(KMP)統合テンプレートの追加
新しいモジュールテンプレートにより、共有ロジックを Android アプリに簡単に統合可能になりました。
Android/iOS間でのビジネスロジック共有がよりスムーズに行えます。
Device Manager の改善
仮想・物理デバイスの追加においてフィルタリング機能が強化され、推奨構成も提示されるようになりました。
開発初期の環境構築がより簡便になります。
SDK の非推奨警告の表示
Google Play SDK Index に基づき、非推奨になった SDK の検出と警告が行われるようになりました。将来的なリスク回避とアップデート対応が行いやすくなります。
ビルドメニューの整理と命名の見直し
- 新アクション「Build 」の追加
- ビルドメニュー内のアクションの順序最適化
- 各ビルドアクションの名称がより明確に
- 例:「Rebuild Project」→「Clean and Assemble Project with Tests」
IntelliJ 2024.1 ベースによる恩恵
Meerkatは IntelliJ 2024.1 をベースとしており、以下の改善が含まれます:
- Kotlin K2 モードの完全対応
- コード補完・解析の精度向上
- ターミナルの操作性やデバッガの強化
- 全体的なIDEレスポンスの向上
参考リンク
- Android Developers Blog: Android Studio Meerkat Feature Drop is stable (公式)
- Android Studio Release Notes
まとめ
今回の Android Studio Meerkat Feature Drop は、特に Jetpack Compose 開発者 や Kotlin Multiplatform 利用者 にとって実用性の高い機能が多数含まれたアップデートとなっています。
また、GeminiによるAI支援の導入により、日々の開発の「手間」が減り、「判断や設計」に集中しやすい環境が整ってきた印象です。
ぜひこの機会にアップデートして、新機能を体験してみてください。