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LaTeXを初心者なりに学んでみた話

Last updated at Posted at 2023-04-25

人間不思議なもので、4月になると何か新しいものをやりたくなるものですね。私もなんとなく$\LaTeX$を学習したくなったので、初心者なりに$\LaTeX$を学んだ話を書こうと思います。

今回使用した環境

Windows11

環境構築

$\LaTeX$を使うためには、$\TeX$のディストリービューションをどれか一つ選んで、インストールしなければならないらしいです。今回は、TeX Liveをインストールします。

上記のサイトの install-tl-windows.exeをクリックしてインストールします。設定はそのままでインストールして問題なさそうでした。
詳細については、以下の$\TeX$ Wikiのサイトをご覧ください。

Visual Studio Codeでの設定

今回、$\LaTeX$のエディターにはVisual Studio Codeを使用します。
インストールがまだの方は、以下のサイトからインストールしてください。

$\LaTeX$という拡張機能をインストールします。
LaTeX.png

.texファイルのコンパイル

LaTeXは、.texファイルに書き込みます。完成したら、コンパイルをしてPDFファイルにします。.texから.pdfになるまでに2回コンパイルします。流れは、以下の通りです。
.tex → .dvi → .pdf
以下、コンパイルの際に使用するコマンドです。

rem 以下のコマンドで、.texから.dviにします。
uplatex sample.tex
rem 以下のコマンドで、.dviから.pdfにします。
dvipdfmx sample.dvi

LaTeXの初めの一歩

友人に教えてもらった$\LaTeX$のチートシートです。大抵のことは、これで解決します。
以下に、基本的なひな形だけ示しておこうと思います。

\documentclass[dvipdfmx,uplatex]{jsarticle}
\title{タイトル名}
\author{著者名}
\date{作成日}

\begin{document}
  \begin{titlepage}
    \maketitle
    \begin{center}
      \textmc{\HUGE \LaTeX}
    \end{center}
    \thispagestyle{empty}
  \end{titlepage}

\end{document}

上記の雛形は、1ページ目にタイトル名・著者・作成日・$\LaTeX$のロゴが入ります。本文は、2ページ以降になる形になっています。
以下、1ページ目の画像
abcd_page-0001.jpg

意外に作成に苦労したLaTeXのコマンド

\begin{empheq}~\begin{empheq}

使用するパッケージ

empheq

作成例
\documentclass[dvipdfmx,uplatex]{jsarticle}
\usepackage{empheq}

\begin{document}
  \begin{empheq}[left={\Omega=\empheqlbrace},right={\empheqrbrace}]{alignat=2}
    A(M) B(F)、A(F) B(F) \\
    A(M) B(M)、A(F) B(M)
  \end{empheq}
\end{document}

PDFでコンパイルすると、以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-04-25 163532.png

ベン図を描画するためのコマンド

使用するパッケージ

amsmath、amssymb、amsfonts、tikz、here

作成例

まずは、$A \cap B$を描画してみます。

\documentclass[dvipdfmx,uplatex]{jsarticle}
\usepackage{amsmath,amssymb,amsfonts}
\usepackage{tikz}
\usepackage{here}

\begin{document}
\begin{center}
  \textmc{$P(A \cap B)$\\}
\end{center}
\begin{figure}[H]
  \centering
  \begin{tikzpicture}
    \begin{scope} \clip (1,0) circle [radius=1];
      \fill[black!10!] (0,0) circle [radius=1];
    \end{scope}
    \draw (0,0) circle [radius=1];
    \draw (1,0) circle [radius=1];
    \draw ({cos(pi*3/4 r)},{sin(pi*3/4 r)}) node[fill=white]{A};
    \draw ({1+cos(pi/4 r)},{sin(pi/4 r)}) node[fill=white]{B};
  \end{tikzpicture}
\end{figure}
\end{document}

コンパイルすると以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-04-25 170955.png

作成例

$A \cap B^c$も描画してみます。

\documentclass[dvipdfmx,uplatex]{jsarticle}
\usepackage{amsmath,amssymb,amsfonts}
\usepackage{tikz}
\usepackage{here}

\begin{document}
\begin{center}
  \textmc{$P(A \cap B^c)$\\}
\end{center}
\begin{figure}[H]
  \centering
  \begin{tikzpicture}
    \begin{scope} \clip (0,0) circle [radius=1];
      \fill[black!10!] (0,0) circle [radius=1];
      \fill[white!] (1,0) circle [radius=1];
    \end{scope}
    \draw (0,0) circle [radius=1];
    \draw (1,0) circle [radius=1];
    \draw ({cos(pi*3/4 r)},{sin(pi*3/4 r)}) node[fill=white]{A};
    \draw ({1+cos(pi/4 r)},{sin(pi/4 r)}) node[fill=white]{B};
  \end{tikzpicture}
\end{figure}
\end{document}

コンパイルすると以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-04-25 171010.png

ツリー構造を記述するコマンド

使用するパッケージ

tree
※tree.styファイルは、自分でダウンロードする必要があります。
以下、ダウンロードリンク
http://hayato1224.web.fc2.com/tree.sty

作成例
\documentclass[dvipdfmx,uplatex]{jsarticle}
\usepackage{tree}

\begin{document}
  \centerline{
    \ROOT{動物}{
      \LEAF{}
      \BRANCH{哺乳類}{\LEAF{人間}\LEAF{ツキノワグマ}\LEAF{バンドウイルカ}\LEAF{カモノハシ}}
      \BRANCH{鳥類}{\LEAF{アヒル}\LEAF{ペンギン}}
      \BRANCH{両生類}{
        \BRANCH{カエル}{
          \LEAF{トノサマカエル}\LEAF{ツチガエル}
        }
        \LEAF{オオサンショウウオ}\LEAF{アカハライモリ}}
  }}
\end{document}

\ROOTがツリー構造の幹の部分、\BRANCH、\LEAFがツリー構造の枝葉の部分になります。
4階層以上のツリー構造にする場合は、\ROOT → \BRANCH → \BRANCH → \LEAF のようにします。
2階層の構造にする場合は、\ROOT → \LEAFのようにします。
コンパイルすると以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-04-25 224649.png

\left\{ \right\}に注意

使用するパッケージ

なし

説明

カッコ、中カッコ、大カッコそれぞれについて、中身の内容によってカッコの大きさを自動調節するコマンドについての紹介です。カッコの場合は、\right( \left)、大カッコの場合は、\right[ \left]であるのに対し、中カッコは、\left\{ \right\}であることに注意して使いましょう。

作成例

  \begin{equation}
    \left[ 
      \left\{
        \left( \frac{1}{k} \right) + \left( \frac{1}{n} \right)
      \right\}
      \times \frac{1}{3}
    \right]
  \end{equation}

コンパイルすると以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-05-10 130439.png

右肩上がりの3点ドット

使用するパッケージ

mathdots
※mathdotsは、自分でダウンロードする必要があります。
以下、ダウンロードリンク(サイト内のDownloadを押すと、zipファイルがダウンロードされます。)
https://ctan.org/tex-archive/macros/generic/mathdots
ダウンロードされたzipファイルを展開し、mathdots.dtxとmathdots.insをtexファイルと同一のディレクトリに置くと利用できるようになります。

作成例

※作成例では、amsmathも使用しています。

  \begin{displaymath}
    \begin{vmatrix}
            &                 &         &                 & a_{1} \\
            & \text{\huge{0}} &         & a_{2}           &       \\
            &                 & \iddots &                 &       \\
            & \iddots         &         & \text{\huge{0}} &       \\
      a_{n} &                 &         &                 &   
    \end{vmatrix}
  \end{displaymath}

コンパイルすると以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-07-15 005421.png

数式を記述する環境

使用するパッケージ

なし

説明

eqnarrayの場合は、番号付きになります。eqnarray*の場合は、番号なしになります。&&とすることで&&を基準に行同士をそろえることができます。この環境下で数式を記述するのが、自分の中で一番きれいに書けました。特に、いい感じに中央寄せしてくれることろが気に入っています

作成例

※作成例では、bmも使用しています。

  \begin{eqnarray*}
    &&(1)\\
    &&(\bm{e}_{4},\bm{e}_{3},\bm{e}_{2},\bm{e}_{1})\\
    &&\to (\bm{e}_{4},\bm{e}_{3},\bm{e}_{2},\bm{e}_{1})\\
    &&\to (\bm{e}_{3},\bm{e}_{4},\bm{e}_{2},\bm{e}_{1})\\
    &&\to (\bm{e}_{3},\bm{e}_{2},\bm{e}_{4},\bm{e}_{1})\\
    &&\to (\bm{e}_{2},\bm{e}_{3},\bm{e}_{4},\bm{e}_{1})\\
    &&\to (\bm{e}_{2},\bm{e}_{3},\bm{e}_{1},\bm{e}_{4})\\
    &&\to (\bm{e}_{2},\bm{e}_{1},\bm{e}_{3},\bm{e}_{4})\\
    &&\to (\bm{e}_{1},\bm{e}_{2},\bm{e}_{3},\bm{e}_{4})\\
  \end{eqnarray*}

コンパイルすると以下のような感じになります。
スクリーンショット 2023-07-15 010407.png

あとがき

$\LaTeX$を触るのは初めてでしたが、コンパイルが成功するかどうかののワクワク感を味わえるのは、$\LaTeX$の醍醐味だと思いました。

皆さんもぜひ快適なTeXライフを!

参考にさせていただいたサイト

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