QAを始めて一番最初に見つけたバグって何だったか、覚えていますか?
そして、それを今振り返ってみると、どう感じますか?
僕が初めて見つけたバグ
僕が初めて報告したバグは、ゲームのダイアログ内の「脱字」でした。
初めて指摘した時は、それがすごく嬉しかったのを今でも覚えています。
修正されたのはしばらく後でしたが、「自分がバグを見つけられた!」という達成感が確かにあったんですよね。
でも、今そのバグを振り返ってみると、「あれは細かい指摘だったな」と思います。
もちろん放置していいものではないし違和感の解消には繋がったかもしれないけど、
事業やユーザー体験に対してインパクトが大きいかと言われると…という感じ。
経験を積むと「見るバグ」も変わってくる
QAとして経験を積むにつれて、見るべきバグや注力するポイントが変わってきました。
たとえば、今だったら単なる誤字脱字よりも、クラッシュバグや、ユーザーからみた導線の不備などにより目が向きます。
そうなってくると、誤字脱字のような軽微なバグはスルーしたり、後回しにしてしまうことも正直あります。
でも、それって(おそらくですが)決して珍しいものではなく、QAエンジニアとして変化している証でもあるのかなと。
組織に必要なのは「視点の多様性」
ただし、だからといって軽微なバグを軽視し続けるのは良くないとも思っています。
重要なのは、「見る視点の違う人がチームの中にいる状態」と
「その人々が常に循環している状態」を保つこと。
クリティカルなバグに注力する人がいる一方で、細かいUIのズレや誤字脱字を指摘してくれる人もいる。
そんな役割分担が自然と生まれている状態が理想です。
もっと言うと、ジュニアのメンバーがまず細かいところを見ていって、
経験を積んでいく中でより深くクリティカルな領域にシフトしていく。
そしてまた新しく入ってきたメンバーが軽微なバグを見ていく。
この「視点の入れ替わり」こそが、QA組織における新陳代謝だと思うんですよね。
この循環が続くことが、健全で持続可能なチームの在り方なのかなと感じています。
おわりに
皆さんは、最初に見つけたバグを今改めて見つけたら、どう感じるでしょうか?
そのとき自分がどんな視点を持っていたかを思い出してみることで、
「自分がどれだけ経験を積んできたか」を実感できると思います。
そして、今どんな視点でバグや品質に向き合っているのか。
それを次の世代にどうバトンリレーしていくのか。
そんなことを考えるきっかけになるといいなと思っています。