はじめに
ざっくりと、伝えたいことを先に書いておきます。
・UIUXの改善提案だけがQAのステップアップではない
・ちょっとしたアイデアをAIに投げることで、思考が整理されていく体験がとても良い
では、本編をどうぞ!
本編
「QAエンジニアの中には、プロダクトをよくしたい人とプロセスを良くしたい人がいるのではないだろうか」
という、ふと舞い降りてきた発想をきっかけに、
QAにおける“成長の方向性”は一つではないのでは?と考え始めました。
その考えを整理していく中で。ChatGPTとの対話を活用しながら、
アイデアを構造化し、分類の仮説を立て、診断プロトタイプの設計まで形にしてみたことを記事にしました。
プロダクト志向ばかりが注目されがち?
こんな声を耳にすることがあります。
- 「UX改善のアイデアが出せない自分って、QAとしてイケてないのでは?」
- 「ドメイン知識がないと成長できない気がする…」
こうした悩みの背景には、
“QAとして価値を出すには、プロダクト志向(後述)であるべき”
という雰囲気が少なからずあるように感じました。
でも、本当にそれだけが正解なのでしょうか?
「志向」という切り口で考えてみた
AIとの壁打ちを通じてこの違和感を掘り下げていったところ、
QAとしての関心や貢献の方向性にはいくつかパターンがあるのでは?
という考えに至りました。
そこで見えてきたのが、以下のような4つのタイプです。
QAの4つの志向タイプ
志向タイプ | よくしたい対象 | キーワード例 |
---|---|---|
プロダクト志向 | ユーザー体験・仕様 | UX改善、提案、ユーザー目線 |
プロセス志向 | 開発フロー・仕組み | テスト設計、再現性、自動化 |
関係性志向 | チーム間の認識・対話 | 仕様読み合わせ、ファシリテーション |
組織志向 | 評価制度・育成・文化 | チームづくり、教育、制度設計 |
このように整理することで、
「自分はどこを改善したいと思っているのか」が少し見えやすくなりました。
診断プロトタイプをつくってみた
さらに、これを 簡単な診断形式にしたら面白いかも? となり、
以下のような形でプロトタイプを設計しました。
- 各志向タイプにつき5問ずつ、計20問の自己評価式質問票を作成
- Googleフォームで回答
- スプレッドシートでスコアを集計
- レーダーチャートで結果を可視化

この診断も、AIとやり取りしながら形にすることができました。
ここまでの所要時間およそ2時間程度。
AIを活用することで、ここまで早く進められるのかと実感しました。
肝心な診断の手応えはというと...。
自分を実験台として試しましたが各志向にあまり差が出ず、診断にするには改善の余地がありそうです。
自分が興味ある志向を選ぶ程度でいいのかも?と思い、
診断の作成と運用はいったん見送りにしました。
おわりに
QAとしての成長にはいろんな方向があるのではないでしょうか。
「プロダクトを良くする」のは良いことです。
しかも提案数や採用数は定量化しやすく、成果が見せやすい側面もありますよね。
ただその裏で、
・プロセスを整える人がいるから再現性が保たれてるし
・関係性を築いてくれる人がいるから職種間が円滑なのだし
・組織志向の人がいなかったら、制度も文化もボロボロに...
なんてこともあるわけです。
そういった視点から価値を発揮している人たちも、同じように認められていいと思うのです。
そしてもうひとつ、こういう整理や内省のプロセスに、
AIがかなり良い相棒になってくれるという発見はとても大きいです。
「QAエンジニアの中には、プロダクトをよくしたい人とプロセスを良くしたい人がいるのではないだろうか」
という発想に端を欲した出来事でしたが、これがたったの数時間で、
4志向の作成および診断ツールのトライアルまでできたのだと思うと
AIの効率化への貢献は計り知れないものがあります。
特に、診断のための質問20個を爆速で考えてくれるのは本当に助かりました。
会話の中で、上述の4志向×スタイル(リーダー型、支援型など) という形で整理してみるのも面白そうだね、という話にもなったので、このあたりも今度掘り下げてみたいと思います。